『ピクセル』の小ネタを徹底解説!レトロゲーム愛に溢れている理由はこれだ!

(c) 2015 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation and China Film Co., Ltd. All Rights Reserved.

本日9月15日、金曜ロードShow!にて映画『ピクセル』が放送されます。

本作の内容をかいつまんで言えば、エイリアンがわざわざ30年前のレトロゲームになって地球にやって来てくれたおかげで、ゲームオタクの主人公たちがヒーローになれる、というもの。ドット絵(ピクセル)時代のゲームを遊んでいた世代にとって、まさに夢のような映画になっていました。

劇中に「パックマン」や「ドンキーコング」や「ギャラガ」、そして「センチピード」などの有名ゲームが登場することはご存知の通り。以下からは、知っておくとさらに楽しめる、ゲームの小ネタを紹介します。

1.「パックマン」の生みの親・岩谷徹本人が登場していた!

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劇中ではプロフェッサー・イワタニというキャラが登場しますが、こちらは実際に「パックマン」を開発した岩谷徹がモデルとなっています。演じていた日系俳優のデニス・アキヤマがまさに岩谷徹そのままの見た目なので、驚いたゲームファンも多いのではないでしょうか。

それもそのはず、デニス・アキヤマは “岩谷徹に似ている人を探すオーディション” で合格した方なのです。岩谷徹本人も「デニスさんの先祖をたどっていくと、自分と同じところに行きつくんじゃないか?」と驚かれたほどだったのだとか。ちなみにデニス・アキヤマは映画『JM』や『バイオハザードIV アフターライフ』にも出演しています。

なお岩谷徹本人も、序盤のゲームセンターのシーンで「パックマン」の筐体を直している修理工として数秒だけ登場しています。ちゃんと “namco” のエンブレムがついたつなぎを着ていることにも注目ですよ。

2.「残虐にしない」ことに理由があった

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前述したパックマンの生みの親である岩谷徹は、「残虐でなければいいよ」という条件で、映画にパックマンを登場させることを承諾したのだそうです。

この岩谷徹の “残虐にしてほしくない” という願いは、「パックマン」が生まれた背景も理由にあるのでしょう。というのも、1980年代当時のゲームセンターには凶暴なエイリアンと戦うような殺伐としたゲームが多かったため、子どもやカップルが安心して遊べるようなゲームが必要だと岩谷徹が考えたことが「パックマン」を開発したきっかけの1つなのです。

映画では詳しくは描かれませんでしたが、エイリアンたちに間違って伝わってしまったのは、「パックマン」のような誰かを傷つけるようなゲームではなく、その1980年代当時の殺伐としたゲームセンターのゲームだった、という設定もあったのだそうです。

劇中ではパックマンが悪役になってしまうばかりか、ビッチと呼ばれてしまったりもしましたが、製作上ではきちんと “パックマンは誰も傷つけないゲームでありキャラクターである” というリスペクトがあるのです。映画の中で人間が攻撃されても傷ついたり死ぬことはなく、“ピクセル化する”だけですしね。

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なお劇中では、パックマンが4つの “パワークッキー” を食べると、いままで逃げるしかなかった “ゴースト” を反対に食べることができる、というゲームのルールが登場しています。岩谷徹曰く、これはアニメの「ポパイ」がホウレンソウを食べて強くなるのをヒントにして、たまには立場を逆転させてスカッとさせたい、という思いで取り入れたアイデアだったのか。それが映画では、むしろ主人公たちのピンチにつながっているというのも面白いですね。

3.字幕や吹替で表現されていなかった “メガドライブ” のネタとは?

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序盤でゲームオタクのラドロー(ジョシュ・ギャッド)が、ヴァイオレット中佐(ミシェル・モナハン)に「いい香りだ、天地創造の匂いがする」と言うシーンがあります(字幕では「創世記みたいにいい匂いだ」)。

原語では「You smell so nice, like the book of Genesis」と言っており、実はこの「GENESIS」はゲーム機 “メガドライブ” のカナダおよびアメリカでの名称でもあるのです。

おそらく「book」は説明書(guide book)のことであり、本当は「いい香りだ、メガドライブの説明書みたいで」と言っているネタなのでしょう。一部の人にしか伝わらなすぎます(笑)。

4.「ヘイロー」と「コール オブ デューティ」は昔のゲーム?

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序盤に、主人公が子どもから「昔のゲームって、「ヘイロー」とか「コール オブ デューティ」とかですか?」と質問されるシーンがあります。

これはジェネレーションギャップを表したジョーク。「ヘイロー」も「コール オブ デューティ」もシリーズの第1作が発売されたのは10年以上前なので、確かに昔のゲームと言えばそうなのですが、どちらもリアルな3D表現で作られたたファーストパーソン・シューティングゲームであり、「パックマン」のようなドット絵のゲームとは似ても似つかないものです。あと、「ヘイロー」の最新作は2015年に、「コール オブ デューティ」の最新作も2017年に発売されるのだけど……。

映画ファンに向けて例えて言うなら、『ローマの休日』や『七人の侍』などのクラシック映画のファンが、子どもから「昔の映画って、『ロード・オブ・ザ・リング』とか『トイ・ストーリー』とかですか?」と質問される、という感じですね。気を使って言ってくれているんだろうけど、ちょっとイラッともする感じが何となく伝わるでしょうか(笑)。

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とは言え、本作が単に現代のゲームを批判しているのではない、ということも良いですよね。 “現代のゲームの遊び方” のアドバイスが、ラストの「ドンキーコング」での戦いでどのように役立っているかにも注目してみてください。

5.他にもこんなゲームネタが!

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他にも「ダックハント」や「Qバート」のキャラがゲームトロフィー代わりになったり、エイリアンの母船が「ギャラガ」のボスの形であったり、ラストバトルでは「ジャウスト」や「ペーパーボーイ」などのマニアックなゲームのほか「ドンキーコング」の時のドット絵のマリオが出てきたり、と細かいゲームネタが盛りだくさんでした。

ゲームネタ以外にも、テレビ番組「マックス・ヘッドルーム」の主人公(劇中で声を担当したのは山寺宏一)や、アニメ映画にもなった「スマーフ」も登場しています。

「テトリス」のミノが登場するのは、本作の原作となった短編映画『Pixels: Retro Gamers』の名残ですね。

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なお、レディ・リサというキャラは、「Dojo Qust」という架空のゲームのヒロインであり、この映画のためにスマートフォン向けのゲームが配信されていたりもしました。

さらに細かいネタを言うと、劇中でサム(アダム・サンドラー)が記録したとされた、パックマンの333万3360点というスコアは、実際の「パックマン」のパーフェクトスコアと同じだったりします。この記録を出したゲーマーのビリー・ミッチェルは、劇中のエディ・プラント(ピーター・ディンクレイジ)の見た目にそっくり。エディは他にも複数の有名ゲーマーのイメージをミックスしているのだそうです。

また、おそらく地上波放送では観られないと思われる “ドット絵で今までの物語を振り返る” エンドロールが最高なので、そちらはぜひBlu-rayかDVDで確認してみることをおすすめします。この時にかかるワカ・フロッカ・フレイムとグッド・シャーロットによる楽曲も超カッコイイ!

おまけその1.公開当時の愉快な宣伝も要チェックだ!

本作『ピクセル』は2015年の公開当時、流行っていたものを積極的に取り入れた愉快な宣伝を繰り出していました。

例えばInstagramで絶大な人気を誇る柴犬 “まる” とのコラボ映像が製作。最後に「本編には登場してないワン!」と表示されるのも味わい深いものがあります。

さらには “ビックリ顔の猫” として話題になったNala_catまでもがピクセル化された映像も公開。

そのイケメンっぷりが有名になったゴリラが、ドンキーコングになぜか大阪弁で嫉妬するという映像までもが公開されました。

極めつけは、パックマンの35回目の誕生日である2015年5月22日に、東京タワーのすぐそばで“250人を超えた最多人数でつくるパックマンのイメージ”というギネス記録に挑戦!このために美容専門学校の生徒たちが集結し、見事にギネス認定がされました。そういえば、映画の序盤のドンキーコングの大会にも、ギネスの認定員が来ていましたね。

この他にも、劇中にも登場したクルマのMINIがピクセル化するというエイプリルフールネタ、巨大パックマンが新宿に“侵略”するなどの、多岐に渡りすぎな宣伝がいま観ても面白いので、ぜひ検索して観てみることをおすすめします。

なお、日本語版主題歌は中田ヤスタカ作曲・作詞、三戸なつめの歌う「8ビットボーイ」になっていました。ピコピコ音の伴奏や歌詞がレトロゲームへの愛にあふれており、『ピクセル』の雰囲気にぴったりですね。

おまけその2.『ピクセル』が好きな人ならきっとハマる3つの映画!

最後に、『ピクセル』が大好きという方におすすめの3つの映画を紹介します。

1.『シュガーラッシュ』

ゲームセンターのキャラクターの大冒険が描かれたアニメ映画です。劇中では “クッパ” 、 “ドクター・エッグマン” 、 “ザンギエフ” など、実際のゲームのキャラクターが多数登場するので、ゲームファンであるとより楽しく観られるでしょう。

実は大人向けの “仕事” に関するメッセージがあることもミソ。主人公はゲームの悪役で、「この仕事は好きじゃない」や「悪役を辞めたい」と言ったり、さらに人間関係や住まいに不満を抱えていたりするのですから。仕事に悩んでいる人は、解決のための良いヒントがもらえるかもしれませんよ。

2.『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』

「彼女と付き合うために、7人の元カレと戦わなきゃいけなくなった!」というわかりやすくも素っ頓狂(褒め言葉)な内容です。マンガをそのまま実写にしたようなビジュアルもさることながら、レトロゲームのネタの数々も楽しい!「ゼルダの伝説」が好きならと音楽に感動できしますし、「スーパーマリオブラザーズ」を少しでも知っていれば大笑いできるでしょう。

なお、本作『スコット・ピルグリム』を手掛けたエドガー・ライト監督の最新作『ベイビー・ドライバー』が現在公開中で、日本の映画ファンからも大絶賛で迎えられています。こちらも音楽への愛と興奮に溢れた作品なので、お近くで上映しているのであれば、ぜひ観てほしいです。

3.『少林サッカー』

『ピクセル』は、今まで何の役にも立たなかったゲームの腕前が何よりも役に立つという、おっさんゲーマーの夢を叶えてくれただけで100点満点で100億点の映画でした(異論は認めない)。

この設定で思い出したのが、『少林サッカー』でした。こちらも荒唐無稽なバカ映画(※褒め言葉)なのですが、「ショッパイ人生を送ってきた負け犬たちが、持っていた少林拳をサッカーに応用することで輝きだす」という感動的なプロットがあるのですから。『ピクセル』はゲーム版少林サッカーと呼んでも過言ではないでしょう。

さいごに

余談ですが、『ピクセル』は最低映画を決めるラジー賞に6部門ノミネートされたりもしました。確かに展開はご都合主義だしツッコミどころも満載(そもそも昔のゲームが30年後に立体化して襲いかかってくるというプロットが映画史上最強クラスのご都合主義)なのですが、これほどゲームファンに夢を与えてくれる映画は他にはありません。何より、昔の2Dのドットだったゲームキャラが、最新のCG技術を駆使して3Dで暴れまくるというのはゲームファンにとってこれ以上のないごほうびではないですか! やっぱり『ピクセル』は最高の映画だよ!

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(文:ヒナタカ)

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