【総力特集】乃木坂!欅坂!日向坂!彼女たちが出演する必見映画を全力で語る

映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』より

©2020映画「スマホを落としただけなのに2」製作委員会 

乃木坂46のトップ・メンバーとして活躍する白石麻衣が卒業を発表しました。具体的な卒業時期や卒業公演の日程などは未定ですが、ファンにとっては残念でもあり、一方では新たな門出を祝福したくもあり、といった様々な想いがあることでしょう。

そんな彼女ですが、今年は映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』でヒロインを演じて注目を集めたばかり。卒業後は俳優としての道も大いに期待されるところであります(生来の美貌に加え、黒石さんキャラなどユーモアの才能もある彼女、峰不二子みたいなキャラも演じられるのでは? と個人的には思っています)。

さて、現在のアイドル・シーンの最前線を駆け抜け続ける乃木坂46、欅坂46、日向坂46といった坂道系ユニットですが、その中から映画出演を果たす者も続々登場してきています……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街455》

今回はそんな彼女たちの(卒業メンバーも含む)出演作から必見のものなどをいくつかピックアップしてみました。

続々と作品数が増え続ける
乃木坂46メンバー出演映画

まずはやはり乃木坂46のメンバー出演作品から見ていきたいと思います。

現在のところ、もっとも乃木坂46映画として屹立している作品は、多くの楽曲でセンターを務めた西野七瀬(2019年卒業)が主演し、乃木坂メンバーが多数出演した『あさひなぐ』(17)でしょう。

『あさひなぐ』より 

薙刀部に属する高校生女子らの奮闘をコミカルかつ真摯に描いたこざき亜衣の同名漫画を原作としたものですが、ここでは西野七瀬の意外なまでに好もしく映えわたるコメディエンヌぶりが印象的(これと彼女が出演したTVドラマ『あなたの番です』最終回を続けて見ると、人間何を信じたらいいのかわからなくなること必至!?)。

白石麻衣扮する先輩との関係性も少女漫画のバイブル的存在『エースをねらえ!』のラインを踏襲したものと思しく、オールドファンにも入り込みやすいものがあることでしょう。

監督の英勉はこの後も『映画賭ケグルイ』(19)で伊藤万理華(2017年卒業)と松村沙友理を、これから公開予定のものとして『映像研には手を出すな!』で齋藤飛鳥と山下美月、梅澤美波を、『ぐらんぶる』で与田祐希を起用するなど、乃木坂46メンバーと縁の深い存在となりつつあります。

『映画賭ケグルイ』より 

 『映像研には手を出すな!』より

『ぐらんぶる』より 

その『映像研に手を出すな!』の齋藤飛鳥が主演した『あの頃、君を追いかけた』(18)は、2011年に製作されて世界的に高い評価を受けた同名邦題の台湾映画を日本人キャストでリメイクした青春群像劇の秀作でした。

『あの頃、君を追いかけた』 

山田裕貴や松本穂香など若手個性派俳優が勢揃いの中、齋藤飛鳥はどこかしらヨーロッパ映画の少女ヒロインのような存在感ある映え方で(それこそ『シベールの日曜日』のパトリシア・ゴッチとも比較されるほどの!)映画全体の象徴足り得ていて、またラストで花嫁衣装姿を披露してくれているのもファンには感涙だったことでしょう。

齋藤飛鳥は乃木坂46メンバーが多数出演したホラーTVドラマ『ザンビ』(19)でもぞくぞくするほどに憂いある魅力を発していただけに、それとは真逆の青春コメディ『映像研に手を出すな』も実に楽しみであります。

『ザンビ』より

一方、堀未央奈が若手異能監督・山戸結城希の演出を受けて光り輝いたのが『ホットギミック ガールミーツボーイ』(19)です。

『ホットギミック ガールミーツボーイ』より 

相原実貴の『ホットギミック』を原作に、少女漫画特有のキラキラ感をそのままにハードな群像愛憎劇へと化していくあたりが妙味で、まさに運命に翻弄されながらも凛とした輝きを増していく現代ならではのヒロインを堀未央奈は、おそらくは山戸監督との愛情に満ちた壮絶なバトル(?)の果てに掴み得たものとも思われます。

監督の眼差しによって女優が光り輝くといった意味では、深川麻衣(2016年卒業)と今泉力哉監督とのコンビネーションも挙げられます。

卒業後に彼女が初出演&初主演した今泉監督作品『パンとバスと2度目のハツコイ』(18)での生真面目女子の微笑ましさ(第10回TAMA映画賞最優秀新進女優賞受賞)もさながら、続く『愛がなんだ』(19)で岸井ゆきの扮する一方通行恋愛女子のクールな友人をリアルに体現し、俳優としてさりげなくも大きくステップアップしていたかと思われます。

『パンとバスと2度目のハツコイ』 

 『愛がなんだ』より

深川麻衣の今後公開予定の出演映画に、吉野耕平監督の『水曜日が消えた』があります。

『水曜日が消えた』 

これからに期待したい
欅坂46&日向坂46の映画

そのほかにも乃木坂46初期センターを健気に努めながらユニットの地盤を固めることに大いに貢献した生駒里奈(2018年卒業)は、ホラー映画『コープス・パーティ』2部作(15・16)や『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』(19)といったファンタ系作品に積極的に出演。

『コープス・パーティ』より 

『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』より 

ホラーということでは中田花奈主演『デスブログ劇場版』(14)がありますし、吉田綾乃クリスティーが出演するぶっとび特撮怪獣映画『三大怪獣グルメ』(20)も公開予定。グルメということでは、ワインの魅力を全面に押し出したラブ・エンタテインメント『東京ワインピープル』(19)で松村沙友理が映画初主演を果たしています。

 『デスブログ劇場版』より

『三大怪獣グルメ』より 

『東京ワインピープル』より 

若月佑美(2018年卒業)はTVドラマ『今日から俺は‼』(18)以降、福田雄一監督の常連となってきていて、『ヲタクに恋は難しい』(20)やこれから公開『今日から俺は‼劇場版』(20)にも出演。期待の若手・竹葉リナ監督の学園ショッキング・スリラー映画『シグナル100』(20)でも短い出番ながらも異彩を放っていました。

『今日から俺は‼』より 

『ヲタクに恋は難しい』より 

SKE48に在籍しつつ、2014年から15年にかけて乃木坂46も兼任していた松井玲奈(SKE48を2015年に卒業)は初主演映画『gift』(14)以降、『笑う招き猫』(17)『輪違屋糸里』(18)『今日も嫌がらせ弁当』(19)など俳優として順調に活動中。これから公開予定のアニメ映画『魔女見習いをさがして』(20)では声優主演も果たしています。

『gift』より 

『笑う招き猫』より 

『魔女見習いをさがして』 

このように映画出演を続々と成し得ている乃木坂46に比べると、欅坂46と日向坂46に関しては、ユニットとして出演したTVドラマとして前者は『徳山大五郎を誰が殺したか』(17)『残酷な観客達』(17)、後者は『Re:Mind』(17)『DASADA』(20)とありますが、映画に関してはまだまだこれからといった状況ではあります。

『徳山大五郎を誰が殺したか』より 

『Re:Mind』より 

しかしその中で欅坂46のセンターを長らく務めてきた平手友梨奈(2020年脱退)が主演した映画『響-HIBIKI-』(18)は、彼女ならではのカリスマ性を存分に発揮した快作でした。

『響-HIBIKI-』より 

柳本光晴の原作漫画を月川翔監督のメガホンで映画化したこの作品、やることなすことワイルド極まりない高校生小説家の破天荒ながらもどこか繊細で愛らしいキャラクターを、平手友梨奈はまるで響が乗り移ったかのような学力を持って演じ切っていました。オールド・ファンが本作の彼女を見て「往年の山口百恵を思い出した」と語っていましたが、同感であります。

今後の彼女の公開予定映画として『さんかく窓の外側は夜』(20)があります。

『さんかく窓の外側は夜』より 

そのほか、欅坂46メンバーでは今泉佑唯(2018年卒業)が『劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』(19)、『転がるビー玉』(20)『酔うと化け物になる父がつらい』(20)と大躍進中。

 『劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』より

小池美波は『三大怪獣グルメ』の川崎実監督による『ロバマン』(19)に出演。また織田奈那(2020年卒業)は短編映画『未来のあたし』(18)に主演しました。

『ロバマン』より 

『未来のあたし』より 

現在2期生や新2期生が加入し、心機一転が期待されている欅坂46、歌も俳優業もこれからの活動が楽しみではあります。

一方、日向坂46では小坂菜緒が主演したホラー映画『恐怖人形』(19)が劇場公開されましたが、その後の展開として今年3月末に一度配信されたきりで未だにソフト化されてないので、まだ鑑賞できてないファンも多いかもしれません。

 『恐怖人形』より

ちなみに小坂菜緒は今年『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(20)にも出演し、これから公開予定となっていますが、他のメンバーも続いて映画出演してもらえないものかと(日向坂46の明るいパフォーマンス性の豊かさを知るにつけ!)切に願う次第であります。

『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』より 

今、残念なのは欅坂46の『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』(20)、日向坂46の『3年目のデビュー』(20)と、2本のドキュメンタリー映画の公開がコロナ・パニックの影響で見送られていること。

 『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』より

 『3年目のデビュー』より

これらは乃木坂46のドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』(15)『いつのまにか、ここにいるDocumentary of 乃木坂46』(19)の好評を受けて製作されたものと思われますが、他の公開待機作品も含めて、事態の早めの収束を祈りたいものです。

『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』 

最後に、今なかなかお目にかかれないお宝作品として、乃木坂46の秋元真夏、生田絵梨花、橋本奈々未(2017年卒業)が出演した『超能力研究部の3人』(14)を挙げておきたいと思います。

『超能力研究部の3人』より 

これは大橋裕之の漫画『シティライツ』を原作とする劇映画パートと、そのメイキング風景をモキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)方式で描いたパートを混合させてお届けする山下敦弘監督の意欲作で、特にモキュメンタリー・パートの中からアイドルを勤め続ける者たちの複雑な想いみたいなものが繊細に伝わってくる逸品であります。

現在この作品はソフト化も配信もされていないのですが、ぜひともそれらも成し得ていただきたいものです。

また『劇場版BADBOYS J―最後に守るもの―』(13)も当時の乃木坂46メンバーが大挙出演した作品で、こちらはソフト化されています。基となったTVドラマ版と合わせて、ご興味ある方はぜひご覧になってみてください。

(文:増當竜也)

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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