『劇場版しまじろうのわお!』で 子どもたちを映画館デビューさせよう!

■「キネマニア共和国」

みなさんは生まれて初めて映画館で見た映画のことを覚えていらっしゃいますか? ゴジラシリーズのような怪獣映画から、最近ではアンパンマンやポケモン、ドラえもんなどのアニメーション映画でデビューする子も多いと思われますが、ここではその映画館デビューを見越して毎年作られている作品をご紹介します……

キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~116

『劇場版しまじろうのわお‼しまじろうとえほんのくに』です!

しまじろうと えほんのくに

(C)Benesse Corporation2016

人気幼児教育番組の
劇場用映画第4弾

まず『しまじろうのわお!』とは、ベネッセの幼児向け通信教育教材ブランド『こどもチャレンジ』のキャラクターしまじろうを用いて1993年より開始されたTVアニメ番組『しましまとらのしまじろう』(93~08)、これに実写教育コーナーも加えた『はっけん たいけん だいすき!しまじろう』(08~11)としてリニューアルされ、その後も『しまじろうヘソカ』(11~12)→『しまじろうのわお!』(12~)と改題を繰り返しながら今もオンエアされている幼児向けテレビ番組です。

2013年からはその映画版が製作。

第1作『劇場版しまじろうのわお! しまじろうとフフのだいぼうけん~すくえ!七色の花~』(13)
第2作『劇場版しまじろうのわお! しまじろうとくじらのうた』(14)
第3作『劇場版しまじろうのわお! しまじろうとおおきなき』(15)
そして今回お目見えするのは、第4作『劇場版しまじろうのわお! しまじろうとえほんのくに』です。

しまじろうと えほんのくに

(C)Benesse Corporation2016

友情と冒険と家族の絆を
楽しく教える好シリーズ

このシリーズ、黄色いトラのしまじろうをはじめ白ウサギのみみりん、オウムのとりっぴぃ、ネコのにゃっきぃなどの子どもたちがおりなす友情と冒険、そして家族の絆などを優しく明るく描いていくもので、今回はしまじろうが幼い頃大事にしていた絵本の中にしまじろうたちが吸い込まれてしまい、やがてピンチに陥っている絵本の国をみんなで助けるというものです。

劇中はアニメーションと着ぐるみや人形などによる実写とを交錯させながらお話が進みます。

途中、休憩も入ります。これは子どもたちが疲れないように、という配慮から。トイレに連れていきたいときなどにも有効な時間です。

そしてこのシリーズ、上映中は場内が真っ暗にならず、ギリギリ本の文字が読めるかどうかといった薄暗さを保ちながら映画が上映されていきます。

これは子どもたちが暗闇を怖がらないように、という配慮からで、そこまでやらなくてもと思う人もいるかもしれませんが、実際ファミリー向けのアニメーション映画を見に行くと、場内が暗くなった瞬間に泣き出す子どもたちをかなり多く見かけます。

映画の暗闇がトラウマになることなく、スムーズにこの後も親しんでもらうために、この措置は決してマイナスではないと個人的には思います。

しまじろうと えほんのくに

(C)Benesse Corporation2016

映画館ならではの
かけがえのない体験を

私は仕事も兼ねてこのシリーズを毎回劇場で見ていますが、観客参加型の構成にもなっているので、見ている子どもたちが声を出して応援したり、楽しみながら見ている一方、実はこのシリーズ、「お父さんお母さん、ありがとう」といったメッセージが打つ出されることも多く、意外にお母さんたちがホロリ涙ぐみながら見ている光景もよく目にします。

昨年だったか、私の前の席の子どもが、映画が終わった瞬間「ママありがとう」といってお母さんに抱き着き、お母さんもムギュッと抱きしめ返す光景を目にしました。

映画館で映画を見るという行為は、やはりかけがえのない体験だと思います。その体験を物心つくか否かといった時期に味わわせてあげながら、この子たちがやがては頼もしい映画ファンになってくれたら、といった希望を持たせてくれるシリーズでもあるのです。

小さなお子さんがいらっしゃる方は、ぜひ『しまじろうのわお!』で映画館デビューさせてみてください。

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(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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