大ヒット御礼企画☆『トイレのピエタ』のあのシーンを松永監督が大暴露〜真衣(杉咲花)編

小説と映画…双方向エンタテイメント

―— そうそう。監督は『トイレのピエタ』小説版も執筆されましたよね。そのお話もお聞かせ下さい。

松永監督「撮影が始まる前から、原作本を出す事は決まっていました。撮影中は忙しくて書けなかったので、撮影が終わってから書き始めました。作家と監督が別人の場合、原作と映画は違った仕上がりになりますが、『トイレのピエタ』は作家も監督も僕なので、根っこは一緒なんです。でも、根源は一緒でも、別の作品になったと思っています。そして映像表現と文字表現…それぞれの面白さと苦悩がありました。」

―— 例えば?

松永監督「小説を書いてみて、改めて僕は映像の人だと実感しました。イメージは頭にしっかり浮かんでいるのに、言語だと完璧には表現できない。自分の言葉で表現することの限界を感じてしまう。やっぱり僕は、言葉より映像で説明する方が向いてるみたいですね。」

―— 確かに、映画監督ですからね(笑)。

松永監督「ただ、映像で伝えきれない事は多々あるし、お客さんが分かりにくい点もあるはずなので、そういうところを小説で表現できたら良いなと思ってます。『こういうことだったんだ〜』って発見があるといいなと。」

―— 文章と映像、双方向で楽しめるみたいな。

松永監督「理想としては、映画を観て→小説を読んで→また映画…という流れでしょうか。まずは眼や耳で映画の世界を感じた上で、それから本を読んでもらいたい。もちろん感じ方は人それぞれですが、必ず別の感覚が入ってくるんです。その後にもう一度映画を見ると、また違った世界に出会える。」

―— そうですね。映像だけでは伝わらない思いや設定もあるし、文字だけの場合、表現が狭まってしまう可能性もありますしね。

松永監督「本を読むことで、映画だけ観た時に比べて理解や面白さが増すと思います。先ほど『死ぬ気になれば』という話をしましたが、小説ではその事が、宏の言葉として書いてあります。より宏という人物がむき出しになっていて、映画とは別の臨場感があると思っています。ぜひ小説も一緒に楽しんでみてもらいたいです。」


トイレのピエタ(小説版)


    ライタープロフィール

    大場ミミコ

    大場ミミコ

    小学生の息子を持つ主婦ライター。美大卒業後、ストーリー漫画家を目指してシナリオ学校の門を叩く。その後10年ほど、映画・ドラマ・コミック原作などのプロットやコンペ原稿などの下積みを経験し、出産を機に引退。現役中は、お金を浮かせるために飯田橋ギンレイ、早稲田松竹などの名画座に通う傍ら、フリーペーパーなどのシネマコラムも執筆する。好きな映画は「真夜中のカーボーイ」「アメリカン・ビューティ」「チョコレート・ドーナツ」など、切ない&救いのない系の作品。一方、「ウェインズワールド」「プロデューサーズ」などのおバカコメディも大好物♡好きな俳優は佐藤健、好きな監督は中島哲也、内田けんじ。

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