「もっと上手に生きればいいのに」とダメ出し?『闇金ドッグス7』青木玄徳インタビュー

2017年9月2日(土)公開の映画『闇金ドッグス7』は、闇金業者「ラストファイナンス」で、元ヤクザ・安藤忠臣(山田裕貴)のバディとして働いていた須藤司が主役。

非道な闇金に嫌気がさし、安藤の元を離れた元ホストの須藤はキャバクラのボーイとして働くことに。その店で出会ったキャバクラ嬢のエマ(逢沢りな)とのラブストーリーを主軸に、「闇金ドッグス」シリーズらしい社会派な視点で、お金にまつわる問題を描いています。

ラブストーリーへ挑戦した今作で、須藤司を演じる青木玄徳さんに、須藤への向き合い方や自身の変化、見どころなどを伺いました。

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闇金ドッグス7 メイン

(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会

── 7作目の出演になりますが、もともと須藤司というキャラクターをどのように捉えていたんですか?

青木玄徳(以下、青木):自由度の高いキャラクターなので悩んだことも多いですが、一貫していえることは、忠臣だったり、債務者だったり、相手のキャラクターに合わせていくタイプだということですね。

── では、今作までに、須藤という役への理解だったり、演じ方だったり、自分の意識のなかで変わってきたことってありますか?

青木:最初の設定から付け足してきている要素が多いので、須藤の新しい面に柔軟に対応してきた感じです。ただ、熱くていいやつなんだなっていうのは、回を増すごとに感じてます。困ってる女性を放っておけない人で、彼のなかには人助けのために闇金をやっている、という感覚があるんです。僕からしたら、よくそこまで首をつっこむなぁって。不思議な人だな、と、いつも思いますね。

── 元ホストで、金のために戸籍も売ったような経歴によらず、人がいいですよね(笑)。自分の明日のことより、目の前の人のことを優先してしまう性格が今作でも出ていたと思います。

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(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会

青木:須藤を演じていて、「損してるな〜、もっと上手に生きていけばいいのに」とは思います(笑)。でも、彼はそういう生き方が好きなんだな、と、共感はできないけれど、理解はしていますね。

── 見ているこちらが心配になってしまうくらい、根無し草なキャラクターですよね。

青木:そうですね。ちゃんと就職することを考えた方がいいんじゃないかなって、純粋に思います(笑)。

── そんな須藤を演じるうえで、今作においてもっとも大事にした部分はどこですか?

青木:5作目での出来事、自分のせいで債務者親子が心中してしまったんじゃないか、というトラウマで闇金が嫌になった須藤がどうやって立ち直るのか、それを6、7作目で描きたいと思っていました。

── その大きなきっかけになったのが、姉の介護をしながらキャバクラで働くエマとの出会いですね。

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(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会

青木:須藤は最初から、女性の味方なんですよね。そのなかで、エマは命をかけるレベルで助けてやりたいって思えた人。でも、なんでそこまでエマに惹かれたかというのは、台本には描かれていないんです。しかも、ああいう形でのラストですから、なぜ須藤はトラウマが払拭できたのか、というのをすごく考えました。

それは、6作目で忠臣に噛み付いていく須藤のことを考えて行き着いた答えに繋がるんですが、どんな仕事でも「この仕事をやりたくない」って感じたときって、その職場の象徴的な人物に対して嫌悪感を抱くと思うんですね。

須藤にとっては、それが忠臣だったということで、腑に落ちました。なかば被害妄想で忠臣の元を離れて、そこから彼と仲直りして、仕事や忠臣に対して抱えていた嫌悪感みたいなものが払拭されて、元どおりの須藤に戻るっていうストーリーにできるな、と。

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(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会

そのきっかけを作ってくれたのは女だった、というところで、ラブストーリーも生きてきますし。忠臣もそうだと思うんです。6作目で描かれた、忠臣と元カノの未奈美(西原亜希)との再会がなかったら、須藤に戻ってきてほしいという空気にはならなかったかもしれない、と思うので。

── 6作目での出来事で改めて覚悟を決めた忠臣としても、バディはやっぱり須藤しかいないと。

青木:そうですね。エマのために大金が必要になったとき、数ある闇金業者のなかで、なぜ須藤が一度は裏切った忠臣のところへわざわざ行ったのか考えると、大きなリスクを抱えるうえで、信頼できるのが彼だったということですよね。そして、忠臣も須藤を信じているからこそ、須藤の要求を飲んだわけで。

── ちなみに4、5作目を撮っているときに、次回作はラブストーリーだという話をしていたと伺いましたが。

青木:そのときは、完全に冗談ノリでしたね(笑)。台本を読んだときには「これをラブストーリーと言えるのか?」という印象でした。司が抱えているトラウマだったりとか、小学校時代の先生との再会とか、エマの奨学金返済とか、本当に問題だらけなので。

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(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会

でも、忠臣にも言ってないような悩みをエマには話しているし、セリフからとても信頼していることも伝わってくるので、他にはいない女性になっているということはわかる。いわゆるラブストーリーじゃなくても、こんな世の中、貧困がすぐ近くにある環境で、2人がピュアな感じで向き合う、その瞬間があればいいかなって。車の中で話してる時とか、2人が楽しそうだったらそれで成立するんじゃないかと。

ラブストーリーってことで「『闇金ドッグス』だし、エロいのかな」って期待してた人には申し訳ないですけど(笑)。

── 特に苦労したところはありますか?

青木:1シーン1シーンでいきなり場面が移ることが多かったので、そこでの気持ちの繋げ方と、その間にあったであろう台本に書いていないことを、自分の中で想像して落とし込んでいかないと、ただつなぎ合わせただけの作品になってしまうと思いました。その文脈をつなぎ合わせていく作業が今回は特に難しくて、緊張しましたし、不安も多かったですね。

── そういう、芝居で悩んだことって自分で解決するんですか? それとも監督と話します?

青木:作品は監督のものだと思ってるんで、監督がノーと言ったらノーだと思うし、イエスだといったらイエスだと思うんですけど、須藤はそうしないんじゃないかな、と思ったら、その場で言います。タイトな撮影なので、一瞬一瞬の瞬発力が試された現場でした。

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(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会

須藤に関しては、捉え方がみんな違うんです。プロデューサーさんはこう言っているけど、監督はそうじゃなかったり、俺はまた違うことを思っていたり。それぞれの思っていることの落とし所を見つけて、ひとつにまとめていくというのが、この役の大変だけど面白いところだと思ってます。

── どんなところで意見を出したんですか?

青木:例えば、「このシーンで相手を殴ろうか」って言われたときに、今は違うんじゃないか、って話したりしましたね。でも、別の場面では「殴っちゃおうよ」って言われて「やってみますか」って、やることもあります。そういう点では、振り幅が広いというか、臨機応変に動けるキャラクターなので、そこは大切にしています。

── 須藤を長く演じてきて、自分自身の変化を感じることはありますか?

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(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会

青木:いちばん長く演じている役が須藤なんですが、キャラクターが自分に委ねられている部分も大きいので、いちばん悩む役でもあります。

なので、逆に設定が固まっている役のときに入りやすくなりました。須藤を演じて悩んだ経験は絶対成長に繋がっていると思うし、役者としての幅を広げてくれていると実感しますね。

── 今作の見どころを一言で表現していただきたいのですが。

青木:う〜ん、ケツを出すから、“ケツ”にしようかな(笑)? 誰のケツだろうと思って期待して観たら、俺のケツ…って、男性ファンから反感を買っちゃいそうなので(笑)、ストレートに「意外と純愛」ということで。

「闇金ドッグス」は悪徳な芸能事務所の問題や、実際の事件を元にした家族心中のストーリーなど社会問題を扱ってきた、Vシネのようなシリーズなので、激しいラブシーンを想像をする人もいるかもしれませんが、「意外と純愛」です! 2人のピュアな恋愛模様に、こういうのもアリだなと、楽しんで観ていただけると思います。

── 最後に、忠臣役の山田裕貴さんにメッセージをお願いします。

青木:また、「闇金ドッグス」で会いましょう!

青木玄徳さんの近況は? 「喜」「怒」「哀」「楽」トーク

気になる青木玄徳さんの近況について、喜怒哀楽のエピソードを教えてもらいました!

青木玄徳さんの【喜】

掃除機の「ルンバ」を激安の価格で買いました! ずっと使ってみたかったので、手に入って嬉しいです。今も部屋で動いてますよ。

青木玄徳さんの【怒】

「ルンバ」のセンサー機能で、物や壁に当たる寸前に後退するって聞いたんですけど、全然後退しないんですよ!! 置いてあるものをずっと押して動き続けてるから、なんてこった!と思ってます(笑)。

青木玄徳さんの【哀】

壁にガンガン当たっていくから、「この『ルンバ』、もうすぐ壊れるんじゃないかな」って。保証期間中に修理の可能性あるな、って思うと悲しいですね。買ったばっかりなのに…。

青木玄徳さんの【楽】

でも、やっぱり、「ルンバ」が掃除してくれるのは楽ですね(笑)! スイッチ入れて出かけて、帰ると、部屋が綺麗になってるんですよ。それは本当に楽だし、楽しく過ごせます!

青木玄徳(あおき・つねのり)
1987年10月19日生まれ。埼玉県出身。2011年、ミュージカル「テニスの王子様 2ndシーズン」の氷帝学園・跡部景吾役でデビュー。「仮面ライダー鎧武/ガイム」の戦極凌馬役で大ブレイク。「牙狼<GARO>~闇を照らす者~」(13/TX)、映画『Mr.マックスマン』(15)、ミュージカル「リボンの騎士」(15)など多方面で活躍。主演を努めた「鎧武/ガイム外伝 仮面ライダーデューク/仮面ライダーナックル ロックシード版」(15)DVDはシリーズ初のオリコンDVDランキング首位を獲得。舞台「海峡の光」、「瞑るおおかみ黒き鴨」(主演)、「パタリロ」、映画『闇金ドックス3』(主演)『闇金ドックス5』(主演)、『コープスパーティー Book of Shadows』、『インターン!』、『Bros.マックスマン』『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。』『くわらんか!』(主演)などに出演。待機作に「牙狼<GARO>」シリーズ劇場版最新作『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA-』(2018年公開)がある。

(写真:結城さやか、文:大谷和美)

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    ライタープロフィール

    大谷和美

    大谷和美

    高校2年の時に観た「バトルロワイアルⅡ」に衝撃を受け、映画の道を志すも、縁あって雑誌編集者に。特撮誌、若手俳優グラビア誌等の編集・ライター、WEB編集者を経て、現在はフリーランスで活動中。人間の感情や社会の闇を描いた邦画が好きで、気づけばR指定のDVDばかり借りていることも。一方、元々好きだったライダー・戦隊などの特撮作品やコメディ映画も好んで観ます。他、元上司のバカタール加藤が主催するニコ生番組「崖の上の生放送」に準レギュラーで出演中。

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