「おむすび」結(橋本環奈)、昨日の今日でもう出産 でも赤ちゃんはかわいい【72回】

続・朝ドライフ

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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第72回を紐解いていく。

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なまえは花ちゃん

個室だった結(橋本環奈)ですが、回復したので一般病棟に移りました。

さすがにずっと個室とい贅沢はできなかったようです。

絶食したことで、やっと食べる準備が整ったと管理栄養士・西条(藤原紀香)。倒れる前の結は、栄養を採らないとと無理やり食べては吐いてしまっていてカラダが疲労していたと言うのです。やっぱり断食の考えと同じですね。毎日食べると意外と内臓が処理が追いつかなくて疲れてしまうのかも。

栄養士だから、栄養栄養と、栄養をとることばかり考えていた結ですが、あえて食べない選択もあることを知りました。こういう状況を見ると、知識量の差が人間の格差を広げていくことを感じます。知識がないと、いろいろ間違えてしまう。世の中には結のような人がたくさんいるのでしょう。そういう人が栄養士として存在していることもやや怖いですが……。たぶん、このドラマは、最初は知識がなくても徐々に学んでいくことを描いているのだと思います。最初からなんでもわかっている人なんて、ドラマのなかにしか存在しないですから。

そして、書いていて、気づきました。結は、昔から、摂取することばかり考えて失敗を繰り返しているのです。翔也のときも食べ過ぎ問題でした。でも、翔也の食べ過ぎ問題は2回、自身で1回と、なんで食べ過ぎ問題ばかり描くのでしょう。食べ過ぎ問題が最もポピュラーだと判断したのでしょうか。できれば主人公の失敗もバラエティーに富ませてほしい。

絶食のあとのはじめての食事は、凍ったぶどう。何が食べたいか、聞かれて、ソーダ味のアイス(あれを思い出した視聴者は多かったことでしょう)と結は言うのですが、アイスはカラダによくないようで、西条はフルーツを凍らせてアイスにしました。工夫ですね。お腹を冷やしそうな気もしますが、管理栄養士さんが決めたメニューですからきっと大丈夫なのでしょう。

一口食べて、ぶどうをこんなに美味しいと思ったことははじめてかもと感動する結。さくらんぼとかも凍らせると美味しいですよね。ここだけ切り取るといい話だし、内蔵を休めたことで食べ物を素直に吸収できて全身が喜んでいるという意味であることはわかります。喉が乾ききったときの水の美味しさみたいなことですよね。ビールが「キンキンに冷えてやがる」的な喜びです。

が、しかし。結は糸島の新鮮な野菜を食べて育った人なのです。ぶどうをこんなに美味しいと思ったことははじめてというセリフがふさわしいでしょうか。アイスはまだ無理でも、果物を凍らせることで、いまの自分のカラダにフィットしたものになっているという喜びだとか、自身のカラダの変化の実感や、食べ物というもののありがたみをセリフにしたほうがいいのではないかという試行錯誤はなかったのか。そう思うのは、文学的な凝ったものを求める層であり、世の中、そういうのが堅苦しいと思う人もいるでしょう。「おむすび」における根本ノンジさんの良さは、日常ではそんなに気の利いたセリフを言わないよ(思いつかない)というリアルを描くことなのです。極めて大衆的な言葉のチョイスをしているのです。凝った料理ではなく、長く愛される大衆食堂の定食みたいなどストレートな脚本なのです。これって実はすごく大事なことです。

そんなことを考えているうちに、あっという間に、結は元気になり、出産。花ちゃんと名付けられた赤ちゃんは商店街の面々にもかわいがられ……。そんなとき、2011年3月11日がやってきます。

昨日、今日と、栄養、詰め込み過ぎです。

(文:木俣冬)

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–{「おむすび」第15週あらすじ}–

「おむすび」第15週あらすじ

第15週「これがうちの生き方」1/13-1/17

2010年春、結は翔也と共働きをしながら、幸せな結婚生活を送り始める。しかしある日、結は体調を崩したことを自覚。その後もそのことを周りに隠して働き続けるが、翔也が結に熱があることに気づき病院で診断を受ける。結果、腎炎であったが、同時に妊娠していることも判明する。しばらく入院することになった結は、そこで管理栄養士の西条小百合に出会い、その指導に大きな刺激を受ける。

–{「おむすび」作品情報}–

「おむすび」作品情報

放送予定
2024年9月30日(月)より放送開始

出演
米田結(よねだ・ゆい)/ 橋本環奈
『おむすび』の主人公。平成元年生まれ。 自然豊かな福岡県・糸島で、農業を営む家族と暮らしている。 あることがきっかけで、人々の健康を支える栄養士を志すようになる。

【結の家族・米田家の人々】

米田歩(よねだ・あゆみ)/ 仲里依紗
主人公・結の8つ年上の姉。
福岡で“伝説のギャル”として知られる。 奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすが、ギャルになった裏にはある秘密が…。
主人公・結の父。 娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田聖人(よねだ・まさと)/ 北村有起哉
主人公・結の父。
娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田愛子(よねだ・あいこ)/ 麻生久美子
主人公・結の母。
結の祖母・佳代と家事をしながら、聖人の営む農業を支えている。 絵を描くのが得意。

米田永吉(よねだ・えいきち)/ 松平健
主人公・結の祖父。
野球のホークスファンで、自由奔放な“のぼせもん”。 困っている人がいたら放っておけない、情に厚い性格。

米田佳代(よねだ・かよ)/ 宮崎美子
主人公・結の祖母。
古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。

【福岡・糸島の人々】

四ツ木翔也(よつぎ・しょうや)/ 佐野勇斗
福岡西高校に野球留学中の高校球児。
四ツ木という姓と眼鏡姿から「福西のヨン様」と呼ばれている。 糸島に練習場があり、結と時々出くわす。栃木県出身。

古賀陽太(こが・ようた)/ 菅生新樹
結の幼なじみで高校のクラスメイト。野球部員。
父は糸島の漁師だが家業を継ぐ気はなく、IT業界を目指している。 ある約束により、結のことを何かと気にかけている。

風見亮介(かざみ・りょうすけ)/ 松本怜生
書道部の先輩。
結にとって憧れの存在。 書道のイメージを一新するような書家を志している。

宮崎恵美(みやざき・えみ)/ 中村守里
結のクラスメイトであり、高校での最初の友達。
結を熱心に書道部へと誘う。 派手なギャルが苦手。

真島瑠梨(ましま・るり)<ルーリー>/ みりちゃむ
結の姉・歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)の、現在の総代表。
ハギャレンの復興を目指している。

佐藤珠子(さとう・たまこ)<タマッチ>/ 谷藤海咲
ハギャレンのメンバー。
子どものころからダンス好きで、ハギャレンではパラパラの振付を担当。 筋が通らないことを良しとしない、一本気タイプ。

田中鈴音(たなか・すずね)<スズリン>/ 岡本夏美
ハギャレンのメンバー。
結と同い年で、いつもスナック菓子を食べている。 手先が器用で、ネイルチップ作りが趣味。

柚木理沙(ゆずき・りさ)<リサポン>/ 田村芽実
結のクラスメイト。
学校では校則を守るおとなしい女子高生だが、実は隠れギャル&ハギャレンメンバーでもある。ギャルの歴史を本にすることが夢。

ひみこ / 池畑慎之介
糸島の「スナックひみこ」の店主。
年齢、性別、経歴、すべてが不詳の謎の人物。 糸島の住人一人一人の事情をなぜか把握している。

草野誠也(くさの・せいや)/ 原口あきまさ
糸島の商店街で陶器店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

古賀武志(こが・たけし)/ ゴリけん
結の幼なじみ・陽太(ようた)の父親。
糸島で漁師をしている。

大村伸介(おおむら・しんすけ)/ 斉藤優(パラシュート部隊)
糸島の商店街で薬店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

井出康平(いで・こうへい)/ 須田邦裕
結の父・聖人(まさと)の幼なじみ。
糸島の農業を何とかしたいと日々奮闘している。

佐々木佑馬(ささき・ゆうま)/ 一ノ瀬ワタル
結の姉・歩と行動を共にする“自称・米田歩のマネージャー”。

大河内明日香(おおこうち・あすか)/ 寺本莉緒
結の姉・歩と対立していた、元天神乙女会のギャル。

飯塚恭介(いいづか・きょうすけ)/ BUTCH
福岡県博多のカフェバー「HeavenGod」の店長。


根本ノンジ

音楽
堤博明

主題歌
B’z「イルミネーション」

ロゴデザイン
大島慶一郎

語り
リリー・フランキー

制作統括

宇佐川隆史、真鍋 斎

プロデューサー
管原 浩

公式サイト

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