「おむすび」久々活躍、結のアイデアで商店街活性化なるか【82回】

続・朝ドライフ

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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第82回を紐解いていく。

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孝雄と歩の関係性がこのドラマの味わい

孝雄(緒形直人)が老朽化した自宅の階段の床が抜けて負傷、入院しました。階段が壊れるってこわいですね。孝雄の家は全貌がよくわからないのですが、古い木造住宅なのでしょう。歩(仲里依紗)が訪ねていかなかったら、どうなっていたか……。

歩は孝雄が聖人(北村有起哉)に、震災から17年、だんだんと娘のまきのことを忘れかけていると不安を語っているのを立ち聞きし、心配します。彼女もまた、まきの記憶が年々薄れていくような気がして罪悪感を覚えているのです。

よく言うのは、人は2回死ぬ。一度は肉体の死。2度目は忘れられること。ということで、残った人が覚えていてくれる限りは生きているのだという考え方です。だから、写真や仏壇にお参りし、お墓参りをします。1周忌、3周忌、7周忌、13周忌、17周忌……と年忌法要を行い、長いこと思い続けます。7周忌以降は規模を縮小して、33周忌が弔い上げと言われています。

まきちゃんに関しては、震災から17年、つまり17周忌が済んだ頃でしょう。そこで月命日を忘れてしまったのは孝雄にとって不覚かもしれませんが、まきの命日を忘れたというよりは、仕事が忙しくなって、今日が何日か気づかないくらい仕事に没頭して、気づいたら命日が過ぎていた、という感じなのかなと想像します。

まきの死を引きずって何もしないでいた頃は、まきに関することしか頭にないから、彼女のお参りだけが大事なことだったけれど、いまや、ギャルに人気の靴職人ですから。

他人から見れば、孝雄を責める人なんていない。でも、本人は罪悪感を覚えてしまう。仕方のないことです。だからこそ、年忌法要の年数や弔い上げということを昔の人は考えたのだと思います。

歩の悩みを聞いた愛子(麻生久美子)は「忘れるってそんなに悪いことじゃないと思うけど。そのぶん前に進めてるってことでしょう」「思い出せるときに思い出せばいいとお母さんは思う」と励まします。

さすが、愛子。十代で家を捨てているだけあります。名古屋、神戸、糸島と転々としているだけあいます。麻生さんのサバサバした言い方がリアル。このひとは、おそらくいろんなことを自ら捨てて、その都度けろりと新しいものを取り入れることのできる人だから、そう言えるのだと思います。

一方、歩は、大事な人から突如、引き離されたので、引きずってしまうのでしょう。歩は、まきの声の入ったカセットテープを部屋から発掘し、孝雄に届けます。

歩と孝雄は、共通の大事な人・まきを亡くした者同士で、喪失感と気持ちが切り替えられない苦しみを共有しています。感情のアップダウンの激しさも似ています。だからなのか、すごくわかりあえてる感じがします。歩が孝雄を心配すると、孝雄は、チャンミカの店が閉店したら、歩にとって死活問題だろうと、ひじょうにまっとうな心配をしてくれます。

そう、歩はバイヤーなのです。チャンミカの店の商品をもう1回買い取って、売るということもできるのではないかと思うのですが、閉店セールでチャンミカにお金がたくさん入るようようにしてあげているのではないでしょうか。といいふうに解釈してみます。いや、閉店セールだって激安投げ売りだものなあ。

さて。結(橋本環奈)は、さくら通り商店街の活性化のため、新商品を開発するにあたり、聖人に頼まれてオーロラ餃子を考案します。野菜を使ったカラフルな色の、栄養パンパンの餃子です。

出た「栄養パンパン」。根本ノンジさんは「栄養パンパン」を定着させたいようですが、あまり馴染んでないようです。なぜ栄養満点じゃないのか、満点じゃなくてもいい、という意味なのでしょうか。

太極軒にはオーロラ餃子、美佐江のベーカリーは、メロンそのものに近づけた「ほぼメロンのパン」が試作され、商店街の面々が試食します。聖人たちが食レポふうコメントを語る場面が、単純におもしろく見られました。

今朝は「あさイチ」にキムラ緑子さんが出演していました。キムラさんは、82回で、娘の菜摘(田畑志真)と話すとき、テキパキ動いて、場面を活性化させ、かつ、その動きがちゃんと菜摘に目がいくようにしているのです。中心に立てる俳優でもあるのに、ちゃんと引くときは引く。さすが、名優です。商店街の人たちはチームプレーに長けた人たちの集まりなのです。

(文:木俣冬)

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–{「おむすび」第17週あらすじ}–

「おむすび」第17週あらすじ

第17週「 Re start 」 1/27-1 /31


店の高額品を根こそぎ盗まれたうえに容疑者が彼氏だったことでチャンミカは茫然
自失になったが、昔のギャル仲
間の励ましで気力を取り戻す。ただ店を閉店する意思は変わらず、歩はそれなら最後に出血大サービスの閉店セー
ルをやろうと言う。一方さくら商店街では、菜摘(田畑志真)の提案で飲食店が名物メニューを考案することになり、
それを聞いた結も、栄養士ならではのアイデアを出していく。

–{「おむすび」作品情報}–

「おむすび」作品情報

放送予定
2024年9月30日(月)より放送開始

出演
米田結(よねだ・ゆい)/ 橋本環奈
『おむすび』の主人公。平成元年生まれ。 自然豊かな福岡県・糸島で、農業を営む家族と暮らしている。 あることがきっかけで、人々の健康を支える栄養士を志すようになる。

【結の家族・米田家の人々】

米田歩(よねだ・あゆみ)/ 仲里依紗
主人公・結の8つ年上の姉。
福岡で“伝説のギャル”として知られる。 奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすが、ギャルになった裏にはある秘密が…。
主人公・結の父。 娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田聖人(よねだ・まさと)/ 北村有起哉
主人公・結の父。
娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田愛子(よねだ・あいこ)/ 麻生久美子
主人公・結の母。
結の祖母・佳代と家事をしながら、聖人の営む農業を支えている。 絵を描くのが得意。

米田永吉(よねだ・えいきち)/ 松平健
主人公・結の祖父。
野球のホークスファンで、自由奔放な“のぼせもん”。 困っている人がいたら放っておけない、情に厚い性格。

米田佳代(よねだ・かよ)/ 宮崎美子
主人公・結の祖母。
古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。

【福岡・糸島の人々】

四ツ木翔也(よつぎ・しょうや)/ 佐野勇斗
福岡西高校に野球留学中の高校球児。
四ツ木という姓と眼鏡姿から「福西のヨン様」と呼ばれている。 糸島に練習場があり、結と時々出くわす。栃木県出身。

古賀陽太(こが・ようた)/ 菅生新樹
結の幼なじみで高校のクラスメイト。野球部員。
父は糸島の漁師だが家業を継ぐ気はなく、IT業界を目指している。 ある約束により、結のことを何かと気にかけている。

風見亮介(かざみ・りょうすけ)/ 松本怜生
書道部の先輩。
結にとって憧れの存在。 書道のイメージを一新するような書家を志している。

宮崎恵美(みやざき・えみ)/ 中村守里
結のクラスメイトであり、高校での最初の友達。
結を熱心に書道部へと誘う。 派手なギャルが苦手。

真島瑠梨(ましま・るり)<ルーリー>/ みりちゃむ
結の姉・歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)の、現在の総代表。
ハギャレンの復興を目指している。

佐藤珠子(さとう・たまこ)<タマッチ>/ 谷藤海咲
ハギャレンのメンバー。
子どものころからダンス好きで、ハギャレンではパラパラの振付を担当。 筋が通らないことを良しとしない、一本気タイプ。

田中鈴音(たなか・すずね)<スズリン>/ 岡本夏美
ハギャレンのメンバー。
結と同い年で、いつもスナック菓子を食べている。 手先が器用で、ネイルチップ作りが趣味。

柚木理沙(ゆずき・りさ)<リサポン>/ 田村芽実
結のクラスメイト。
学校では校則を守るおとなしい女子高生だが、実は隠れギャル&ハギャレンメンバーでもある。ギャルの歴史を本にすることが夢。

ひみこ / 池畑慎之介
糸島の「スナックひみこ」の店主。
年齢、性別、経歴、すべてが不詳の謎の人物。 糸島の住人一人一人の事情をなぜか把握している。

草野誠也(くさの・せいや)/ 原口あきまさ
糸島の商店街で陶器店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

古賀武志(こが・たけし)/ ゴリけん
結の幼なじみ・陽太(ようた)の父親。
糸島で漁師をしている。

大村伸介(おおむら・しんすけ)/ 斉藤優(パラシュート部隊)
糸島の商店街で薬店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

井出康平(いで・こうへい)/ 須田邦裕
結の父・聖人(まさと)の幼なじみ。
糸島の農業を何とかしたいと日々奮闘している。

佐々木佑馬(ささき・ゆうま)/ 一ノ瀬ワタル
結の姉・歩と行動を共にする“自称・米田歩のマネージャー”。

大河内明日香(おおこうち・あすか)/ 寺本莉緒
結の姉・歩と対立していた、元天神乙女会のギャル。

飯塚恭介(いいづか・きょうすけ)/ BUTCH
福岡県博多のカフェバー「HeavenGod」の店長。


根本ノンジ

音楽
堤博明

主題歌
B’z「イルミネーション」

ロゴデザイン
大島慶一郎

語り
リリー・フランキー

制作統括

宇佐川隆史、真鍋 斎

プロデューサー
管原 浩

公式サイト

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