「ちはやふる」は「下の句」こそが勝負!
これは、バトルムービーだっ!!!


ちはやふる -下の句-

(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社

前後篇2部作の場合、なぜ前篇のほうがヒットするのか?

女の後輩 最近日本映画で、前後篇2部作の映画が多いじゃないですか?

先輩  ああ。昨年は「寄生獣」「ソロモンの偽証」「進撃の巨人」などがあったし、現在上映中の「ちはやふる」もそう。5月から6月にかけては「64〈ロクヨン〉」が同じく前後篇で公開されるねえ。

女の後輩 なんでそういう映画が増えているんですか?

先輩  原作が長い場合、すべてを描くために1本の映画では不足といった事情もあるけれど、まあ単純に考えて、2本一緒に作ったほうが1本あたりの製作が安くなるという事情もあるだろうね。

女の後輩  でも、観客としては前篇を見てつまらなかったり、後篇に期待が持てなかった場合、2本続けてみないでしょう。

先輩  そのあたりは、興行成績にも出ているよ。「寄生獣」「進撃の巨人」にしても「ソロモンの偽証」の場合も、前篇のほうが興収は高いんだ。君が言う通り、前篇の出来が後篇の興行にも影響しているかもしれないね。

女の後輩 こないだ先輩が絶賛していた「ちはやふる」の場合は、どうなんでしょうか?

先輩  後篇というか「下の句」の公開は4月29日からだけど、これはヒットして欲しいね。 なにせ「上の句」の評判が、すこぶる良いし。

女の後輩 あれ、広瀬すずちゃんがキュートなので、それで「上の句」を誉めたんじゃないんですか(笑)?

先輩  ばばばバカなことを言うでない。そりゃ確かに「ちはやふる」の広瀬すずはキュートだけれど、それだけではなくて、映画の出来も良いんだよ。久しぶりに正統派の青春映画を見た感じだ。

女の後輩 机くんに感情移入して泣いたって言ってたでしょ?

先輩  そそそそれだけ出来の良い映画だということだ。泣いてなんかいないやい。

「今度はかるたで戦争だ!!」って、そのコピー、なに?

女の後輩 まあいいでしょう。これ以上突っ込まないようにしてあげます。それよりも、「下の句」の出来はどうなんですか?

先輩  これがねえ、「上の句」以上に面白い映画になっていて、なんたって今度はかるたで戦争だ!!

女の後輩  なんすか?その変な「エイリアン2」もどきのコピーは?

先輩  断言しよう。「ちはやふる・下の句」はバトルムービーである!!

女の後輩 闘うんですか? すずちゃんが??

先輩  おーよ。しかも相手は、若手女優のホープ・松岡茉優だ!!

女の後輩 すずVS茉優!?

先輩  松岡茉優扮する若宮詩暢は、千早がほのかな思いを寄せる新の幼なじみで、しかも現在の競技かるたクイーンという設定。

女の後輩 クイーンって、そんなに強いんですか?

先輩  そりゃもう日本一だから。上の句の最初の一音を発音した途端、畳をバシーン!!と手が叩き、札が飛ぶ!! これは凄いよ。1秒で1000コマ撮影出来るというカメラを使っているからね。

女の後輩 そのクイーンが、千早と壮絶なバトルを繰り広げるわけですね。

クールでストロングな、松岡茉優の女王様キャラ!!

先輩  そう。「上の句」は集団で競技かるたをやることの楽しさを描いていたんだけど、「下の句」ではこの詩暢が「団体戦やってる人たちって、かるたをやりたいんじゃなくて、皆で何かやりたかったって言うだけやん」と、一言で切り捨ててみせる。

女の後輩 けっこうグサッと来ますね。

先輩  さらに「個人戦で戦っている者が、どれだけかるたに純粋であるか、見せたるわ」と、クールかつストロングに言い放つ、この格好良さ!!

女の後輩 でも実際の松岡茉優って、けっこう面白い女優さんらしいけど。

先輩  そういう子が、ここまで強烈な役を演じるあたりがいいんじゃない。しかもこの詩暢って、単なる敵役じゃなくて、ファッションセンスが微妙に変なのに、本人はそれに気づかずクールに決めていたり、千早の着る限定ものの服を欲しがったり。実は子供っぽいキャラでもあるあたりも面白いぞ。

「バットマンVSスーパーマン」を超える、若手女優対決!!

女の後輩 なるほど。敵ながらあっぱれなキャラなわけですね。

先輩  千早とのかるた合戦の、真剣勝負ぶりは凄いぞ。まさしくバトルムービー!! もう「バットマンVSスーパーマン」を超える迫力!!

女の後輩 そこまで言う!?

先輩  「キングコング対ゴジラ」「エイリアンVSプレデター」、そして、すずVS茉優!!

女の後輩 それにしても、今、二十歳前後の若い女優さんたちの活躍ぶりが凄いですよね。広瀬すず、松岡茉優、それと先輩が大好きな二階堂ふみ(笑)。

先輩  いや、僕は二階堂くんの演技を評価しているだけで・・。

女の後輩 どうだか(笑)。土屋太鳳に橋本愛、門脇麦、小松菜奈、ちょっと年上だけど黒木華。

先輩  このあたりの女優さんを一手に集めた、ヤング・アクトレス版「アベンジャーズ」でも作れそうな感じだね。

女の後輩 それ、いいですねえ。面白くなりそう。

先輩  ・・ちょっと気づいたんだけど、今あげた若手女優たちのファーストネームが、みんな二文字なのは何か特別な理由があるんだろうか?

女の後輩 知りませんっ!!!

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(企画・文:斉藤守彦)

    ライタープロフィール

    斉藤守彦

    斉藤守彦

    斉藤守彦(さいとうもりひこ) Morihiko Saitoh 静岡県浜松市出身。映画館、ビデオ会社でのアルバイトを経て、映画業界紙「東京通信」記者 (後に編集長)に。1996年からフリーの映画ジャーナリスト/アナリストとなり、以後多数の劇場用パンフレット、「キネマ旬報」「HiVi」「ザテレビジョン」「日経エンタテインメント!」「宇宙船」「スターログ日本版」「INVITATION」「東京カレンダー」「アニメ!アニメ!」「フィナンシャル・ジャパン」「Pen」などの雑誌・ウェブメディアに寄稿。2007年秋に「日本映画、崩壊 -邦画バブルはこうして終わる-」を、08 年「宮崎アニメは、なぜ当たる -スピルバーグを超えた理由-」、09 年「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」、 10 年に「『踊る大捜査線』は日本映画の何を変えたのか」(共著) を上梓。 他の著書に「図解でわかるコンテンツ・ビジネス」1〜4(共著)、「ソノラマ MOOK/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(構成・執筆) 、電子書籍「日本映画、飛躍と困惑の過去・現在・未来」等があり、ここ数年は「映画宣伝ミラクルワールド」「80年代映画館物語」と、独自の視点による書籍を執筆。2016年3月には新作「映画を知るための教科書 1912−1979」が世に出る。現在、水道橋博士編集長のメールマガジン「メルマ旬報」で「2016年映画館物語」を連載中。また「BOOKSTAND映画部!」で、「映画を待つ間に読んだ、映画の本」と「映画惹句は、言葉のサラダ」の2つの連載を行っている。

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