伝説の女優・夏目雅子没後30年に捧ぐ さまざまな企画


30年経っても消えない人気の秘密


一見はかないお嬢様風ではあれ、一方では「クッキーフェイス」CMでの健康的な初期のイメージや、いざとなったら芯のある強い女性としての存在感を、作品のキャリアが増えていくたびに示し続けてきた夏目雅子の死は、まだ27歳という若さもあって、当時、日本中に衝撃を与えました。

しかし、それから30年経った今もなお語り草になるほどの伝説として彼女の存在は輝き続けています。

それはやはり類まれなる美貌はもとより、女優としての憂いと存在感を見事に銀幕などに焼き付け得た、今の日本の若い俳優たちに欠けているオーラを兼ね備えていたこと、しかもそれを開花させる直前に逝ってしまった悲しみもまた伝説を大きく牽引する要因になっているのでしょう。
また、今こうして振り返ってみると、実に涙が似合う女優であったことにも気づかされますが、彼女の死の前後から涙を拒否した快楽的バブルの時代が到来したことも象徴的な気がしてなりません。

もし生きていれば、今頃は日本どころかアジアを代表する貫録の名優として、国際的にも羽ばたいていたことと思われます。

本当に惜しいとしか言いようのない、そんな夏目雅子の没後30年として、まず9月2日に松竹から『魚影の群れ』『時代屋の女房』ブルーレイ(各3300円+税)が、9日には東映ビデオから『鬼龍院花子の生涯』ブルーレイ(4700円+税)が発売されます。

また東京の名画座・早稲田松竹にて夏目雅子の出演映画を2本立て上映。銀幕で彼女の魅力を再確認する上でまたとない機会です。

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●9月5日~7日
『鬼龍院花子の生涯』『時代屋の女房』
●9月8日~11日
『魚影の群れ』『瀬戸内少年野球団』
※命日の11日にはトークイベントも予定
(料金:一般1300円 学生1100円 シニア・小学生900円/すべて2本立て料金)

9月4日にはキネマ旬報社からムック『女優夏目雅子』が発売(1800円+税)。彼女の出演映画解説や監督や共演者などのインタビューも掲載されています。


女優 夏目雅子 (キネマ旬報ムック)

個人的には『魚影の群れ』『時代屋の女房』のブルーレイ化および上映が嬉しいところですが、これを機会に今回披露されない映画やテレビドラマなどにもスポットが当たるようになればいいなとも思います。

最後に、夏目雅子の遺志を継いで設立された「一般財団法人夏目雅子ひまわり基金」もご紹介しておきます。
これは平成5年に母:小達スエが代表になり設立。
骨髄移植の啓発やドナー登録の呼びかけ、また治療の副作用や脱毛に悩む方へのカツラの無償貸与なども行っています。
これらの活動資金の賛助会員の申し込みやお問い合わせは下記まで。
〒110-0005
東京都台東区上野1-3-7亀甲ビル3F
Tel:03-3836-2550
(10:00~18:00/土日祝は除く)
E-mail: natsume-masako@himawari-kikin.com
HP: www.himawari-kikin.com

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(文:増當竜也)

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