“忠臣蔵”の世界をワールドワイドな視点で 見事に蘇らせた紀里谷和明監督の『ラスト・ナイツ』
“忠臣蔵”は決して古臭い題材ではない!
現在、なかなか日本では”忠臣蔵”の映画化は企画が通りません。かつては映画会社各社がその力を誇示するために毎年のように競い合って作られていたものですが、映画が斜陽になった1960年代後半から一気に作られなくなり、結局一番最後の映画化が『四十七人の刺客』(94)ですから、もう20年以上作られていない計算になります。
映画業界のお偉方に言わせると、もう古臭い題材なのだそうです。しかし、それは製作サイドの怠慢ではないかと腹が立つことがあるのも事実で、現に紀里谷監督がこうして新たな形で“忠臣蔵”を世界に向けて見事に発信させているわけですから、要はやり方次第であろうと。
まあ、そういった日本の映画界などとうの昔に見切りをつけて、絶えず世界に目を向けながらのスケールの大きい映画制作を続ける紀里谷監督のような映画人の姿勢こそ、今もっとも求められているものであることは間違いありません。彼の次回作も、また楽しみにしたいものです。
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(文:増當竜也)
映画『ラスト・ナイツ』は2015年11月14日(土)全国ロードショー!
公式サイト http://lastknights.jp/
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