加藤:めんどくさいことに挑戦して―加藤シゲアキが母校で行定勲監督と討論会
学生:私たちはこれからの就活で気持ちが疲れてしまうことが増えると思うのですが、加藤さんはどのように自分に自信をつけていますか?
加藤:
僕の場合は、一生懸命にやる、作る、練習する、そして自信につなげることですね。費やした時間は無駄にはならないし、次に活かせれば良いと思います。良くないところは見直して、良いところは残して、試行錯誤してみることですね。
ここで、行定勲監督が登場。
MC:小説「ピンクとグレー」を初めて読んだ時の感想をお聞かせください。
行定勲監督(以下、監督):小説は元々知っていたんですが、映画のお話をいただいて読んだんですね。あっという間に読み終えてしまったし、構成力があって映像向きでうまいと思いましたね。それにストーリーに立体感があって独自性を感じました。
MC:加藤さん、監督がこのようにおっしゃっていますが、いかがですか?
加藤:
同じ事務所の丸山(隆平)くんに紹介されて、初めてお会いした時は、行定監督と丸山くんと僕の3人だったんですね。
実はその時、映画化される話を聞いた驚いたのですが、監督からお話を伺った時「ピンクとグレー」をすごく愛してくださっていることが伝わってきて、是非、お預けしようと思いましたし、監督が行定さんで良かったです!
MC:加藤さん、初めて映画を観たときはいかがでしたか?
加藤:正直、見たくないような複雑な気持ちでしたね。でも出来上がった映像を見た時、ほっとしました。
不思議だなぁ思ったことがあったのですが、りばちゃんとごっちの共同部屋の間取りが僕が想像していたものと同じで、「そうそう、こういう感じ!」となりましたね。それから、僕が書いた小説の中で「ピンクとグレー」が一番自己投影している作品だからかもしれませんが、事務所後輩の中島くん演じる“ごっち”が、自分に見えるシーンが何度かあったんです(笑)
MC:監督は加藤さんとは何か打ち合わせはされましたか?
監督:
特にしていないですね。でもごっちが自殺した時、6通の遺書を残すんですが「何で6通なの?」とは聞きましたね。そうしたら「6通はなんだかミステリアスじゃないですか。」なんて言ってきて(笑)僕自身、あの6通というのは加藤くんの色々な想いが込められているのかなと想像しましたね。そしてごっちからの残されるりばちゃんへの愛情なんじゃないかと思っていて、この設定は気に入っています。
映画『ピンクとグレー』より
学生:「ピンクとグレー」では、芸能界入り、親友の死、などが人生のターニングポイントだと思います。では加藤さん、行定監督の人生におけるターニングポイントはなんでしたか?
加藤:
いくつかあるんですが、映画、本好きの友達と出会ったことですかね。学生の頃からこの仕事をしているので、放課後一緒に遊びに行ったりするのが難しかったんですよね。でも友達の1人に映画、本好きの友達がいて、よく話をしていたんです。正直、映画や本の話をするのが好きじゃなかったんですが、でもある日、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』という映画を強烈に勧めてきたので、観たんですね。「こんな映画もあるんだな」と思って、いろんな映画を観るようになって、彼と映画や本の話をするのが好きになりました。その友達はどんどん難しくて、専門的な本を読むようになって、僕自身も技術的な影響を受けて……だからターニングポイントは、青山学院大学に入ったことですね!!(笑)
監督:
僕は、子供の頃に映画撮影現場に行ったことですね。熊本城で黒澤明監督が、『影武者』という映画を撮っていたんですが、僕は、監督ではなく、甲冑に泥を塗っているスタッフに憧れたんです。もし僕が黒澤監督に憧れていたら、きっと今ここにはいないでしょうね(笑)
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