名優たちの演技が光る!実話を映画化した映画たち3選




ザ・ウォーク




05



2016年1月23日から全国ロードショー
監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、クレマン・シボニー、セザール・ドムボイ ほか


 

ハラハラドキドキすることを「手に汗握る」と表現しますが、

この映画を見た時は、最初から最後まで両手が汗でビッショリ!

 

手汗ってこんなにかくものなのね…。
…と、これまた驚愕の一作でした。

 

1974年8月7日、当時世界一の高さを誇ったワールド・トレード・センター(WTC)。
摩天楼の荘厳なツインタワーの間をワイヤーロープ1本でつなぎ、命綱なしで闊歩する男がいた。
その男の名は、フィリップ・プティ。
フランス出身の大道芸人である彼は、これまでにもパリのノートルダム大聖堂の2つの小塔の間の綱渡りやシドニーのハーバーブリッジの横断に成功。
誰よりも高みを目指したWTCでの偉業は、当時「史上最も美しい芸術犯罪」と、さまざまなクリエイターから絶賛を受けました。
そんな命がけの綱渡りを敢行した男の物語を映画化したのが、本作『ザ・ウォーク』。

 

この不可能とも思える挑戦は紛れもない実話であり、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画『マン・オン・ワイヤー』でも描かれています。
しかしプティ氏自身が実際にWTCを渡る姿は映像としては残されていないので、彼の驚くべき挑戦を映像として観ることが出来るのは、この『ザ・ウォーク』が初めて。
“VFXの魔術師” とも呼ばれるロバート・ゼメキス監督がスリルと美しさを同時に体感出来る<新鋭像>を実現しています。

 

主演は、若手実力派の呼び声が高いジョセフ・ゴードン=レビット。
本作での綱渡りシーンはすべて、ノーワイヤーかつ吹き替えなしで挑んだというジョセフ。
現在もニューヨークに在住するプティ氏から本格的なトレーニングを受け、見事なワイヤー・ウォーキングを体得。
技を伝授されただけでなく、その精神性まで受け継いだ彼の演技には引き込まれますよ。

 

さて、映像としての完成度や技術力の高さに終始されがちな本作ですが、私がこの映画を観ていちばん感動したのは「夢を追う人」の生きざま。
1本の細いワイヤーの上を歩き、地上の喧噪から離れ空と一体となっていくプティの姿は、美しくもあり崇高でもあり。
映画史上に残る名シーンと呼んでも過言ではないでしょう。
純粋に夢を追いかけ、それを実現する人の希望と情熱。
是非、ドラマの部分にもしっかり注目していただきたいですね。

 

 




 

 

それではまた次回、お会いしましょう。

お相手は、八雲ふみねでした。

 

 


八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。

八雲ふみね公式サイト yakumox.com

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!