絶対距離感に癒やされる映画『しあわせのパン』はパンを準備してご覧ください
絶対距離感に癒やされる映画『しあわせのパン』はパンを準備してご覧ください
普段、何気なく生活しているだけで、良いことも起きれば、悪いことも起きます。好きなことも、嫌いなことも。いつの間にか好きなことよりも嫌いなことの方が多くなったりすることだってあります。そんなとき、お酒を飲んでごまかすのもいいですけど、「しあわせのパン」を観てほっこりするって方法もありますよ。
この作品は、タイトルのとおり「しあわせ」と「パン」のお話です。宇宙人が出てくることも、爆発が起きることも、謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体「ZQN(ゾキュン)」が登場することもありません。まったりとしたストーリーだけど、退屈することなく、ゆっくりと、まるでその場にいるかのように、とても気持ちよく進みます。
ゆうせいの「あっちじゃない方の気持ちいい映画」
近すぎず、遠すぎずの絶対距離感がすばらしい
舞台は北海道の月浦。洞爺湖のほとりにある、水縞夫妻が営むカフェを中心に画かれます。大泉洋さん演じる「水縞くん」のおいしいパンと、原田知世さん演じる「りえさん」のコーヒーに魅了される人々のお話。
そう言ってしまうと、なんだかよくある感じのお話を想像されるかもしれませんが、この作品の素晴らしいところは、絶対的な距離感です。傷ついた人への距離感、背中を押して欲しい人への距離感、悩みを抱えている人への距離感、それらすべての距離がちょうどいい。
絶対音感って言葉がありますが、もはや絶対距離感と言ってよいほど。
映画だし、フィクションだし、実際には存在しないカフェだと分かっていても、なんだか今すぐに月浦へ行って癒やされたくほどに完璧、完の璧です。もはや水縞くんのようになりたい、なろう、むしろなるしかないとすら思えるはず。
そして、みんなの心の隙間を埋めながら、実は水縞夫妻それぞれの心の隙間も少しずつ埋まっていくところも目が離せません。
必ず美味しいパンを準備してください
あ!大事なことを言い忘れていました。作中、何度もパンが登場します。それも、ものすごく美味しそうなパンばかり。そしてそれらを美味しく食べるシーンも満載です。
なので、普段食べているパンより少しランクを上げるか、パン屋さんでしか買えないような硬めのパンを準備されることをおすすめします。
邦画のこと、もっと好きになれるかも
ついつい映画には強い娯楽性を求めてしまい、ラストまでノンストップだとか、絶対に騙されるとか、見たこともない映像が、みたいなものを選んでしまいがちです。
でも、たまにはハラハラもドキドキも忘れて、ふわふわとゆるゆるを楽しんでみてはいかがでしょうか。普段は洋画のアクション超大作ばかりを観ている人や、邦画はテレビドラマの延長みたいでちょっと…なんて言ってる人にこそ観て欲しいですし、もしかしたら映画の好みが変わるかもしれませんよ。
美味しいパンを用意して、ゆっくりとご覧ください。
それではまた。
ご存知、ゆうせいでした。
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(文:ゆうせい)
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