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2016年07月06日

「渥美清―没後20年―」展開催。貴重な出演舞台に関する資料展示も

「渥美清―没後20年―」展開催。貴重な出演舞台に関する資料展示も

渥美清―没後20年―  松竹大谷図書館



東京都中央区築地にある演劇や映画の専門図書館・公益財団法人松竹大谷図書館の閲覧室にて、「渥美清―没後20年―」と題した所蔵資料展が現在開催中だ。

国民的人気俳優・渥美清に関する貴重な資料展示
「渥美清―没後20年―」展


1928年3月10日、東京下谷区車坂町に生まれた渥美清は、中学を卒業した後、芝居の世界に身を投じ、様々な劇場を渡り歩いた。1953年には浅草フランス座に入座するが、1954年に肺結核にかかり闘病生活を送る。

治癒後の1956年には、コメディアンとして頭角をあらわし、テレビにも進出。お茶の間の人気者になり、1963年に映画『拝啓天皇陛下様』で主演し好評を得た後、1969年に国民的人気シリーズ映画『男はつらいよ』の第1作で主演をつとめる。その後の国民的人気は誰もが知るところ。

今年2016年は、1996年8月4日に68歳で亡くなった渥美清の没後20年にあたる年。このたび、松竹大谷図書館の閲覧室では、「渥美清―没後20年―」と題した所蔵資料展示を7月1日から開催中だ。作品のスチール写真をはじめ、シナリオやプログラムなど貴重な資料が展示されている。

渥美清―没後20年― 松竹大谷図書館



『男はつらいよ』シリーズでの、“寅さん“で知られる渥美清だが、“寅さん“以外にも、喜劇のみならず、ミステリーや社会派ドラマ、時代劇など様々な作品に出演し、その魅力をスクリーンに残してきた。今回の所蔵資料展示では、『男はつらいよ』シリーズ以外の映画作品の資料を展示。そして、渥美清が出演した貴重な舞台に関する資料も展示されている。展示は、2016年8月15日まで。




第59回所蔵資料展示「渥美清-没後20年-」展


展示期間:2016年7月1日~8月15日
場所:公益財団法人松竹大谷図書館・閲覧室内

展示資料 作品一覧


『漫画横丁 アトミックのおぼん 女親分対決の巻』1961年/東京映画
監督:佐伯幸三/脚本:柳沢類寿/原作:杉浦幸雄/共演:水谷良重(水谷八重子‐2世),有島一郎,中島そのみ
東京・神田を根城にするアトミック組の女親分・おぼんが主役の喜劇映画の2作目。渥美はおぼんの子分役。

『伴淳・森繁のおったまげ村物語』1961年/松竹大船
監督・脚本:堀内真直/脚本:馬場当/原作:須藤東起/共演:伴淳三郎,森繁久彌,高千穂ひづる
ペテン師の女に振り回される二人の男の喜劇。渥美は伴淳のライバル役を演じている。

『無宿人別帳』1963年/松竹京都
監督:井上和男/脚色:小国英雄/原作:松本清張/共演:佐田啓二,岡田茉莉子,田村高廣
佐渡金山に流された無宿人達と役人の闘いを描いた時代劇。渥美は金鉱内に生埋めにされる無宿人を演じた。

『つむじ風』1963年/松竹大船
監督:中村登/脚本:清水俊男,宮崎守/原作:梅崎春生/共演:加賀まりこ,川津祐介,伴淳三郎
主演第2作。徳川の末孫を騙って金を騙し取ろうとする抜け目ない男に扮したコメディ。

『拝啓天皇陛下様』1963年/松竹大船
監督・脚本:野村芳太郎/脚本:多賀祥介/原作:棟田博/共演:長門裕之,藤山寛美,中村メイコ
渥美清の代表作であり出世作。軍隊を天国だと思っている男が繰り広げる、哀感溢れる人情喜劇。

『風来忍法帖』1965年/宝塚映画
監督:川崎徹広/脚本:関沢新一/原作:山田風太郎/共演:佐藤允,佐々十郎,中川ゆき
戦国時代の香具師三人組の大活躍を描く。渥美は槍と女に自信のある香具師の一人を演じた。1968年には続編も作られた。

『ブワナ・トシの歌』1965年/東京映画+昭和映画
監督+脚色:羽仁進/脚本:清水邦夫/原作:片寄俊彦/共演:下元勉,ハミシ・サレヘ,ビビ・アグネス
アフリカで半年間の長期ロケを敢行した作品。住居施設を作るために単身アフリカに渡って奮闘する男の物語。

『運が良けりゃ』1966年/松竹大船
監督+脚本:山田洋次/脚本:山内久/共演:ハナ肇,犬塚弘,倍賞千恵子
ハナ肇主演作。江戸の長屋を舞台にした人情喜劇。渥美は火葬場の男を怪演し、強烈な印象を残した。

『かあちゃんと11人の子ども』1966年/松竹大船
監督:五所平之助/脚本:堀江英雄/原作:吉田とら/共演:左幸子,倍賞千恵子,竹脇無我
戦中戦後、西伊豆で11人の子どもを育てた主婦・とらの自伝を、左幸子主演で映画化。渥美はとらの夫を演じた。

『白昼堂々』1968年/松竹大船
監督+脚本:野村芳太郎/脚本:吉田剛/原作:結城昌治/共演:倍賞千恵子,藤岡琢也,有島一郎
デパートに狙いを定め、全国規模で暗躍するスリ集団のボスに渥美が扮したコメディ。

『祇園祭』1968年/日本映画復興協会
監督:山内鉄也/脚本:鈴木尚之+清水邦夫/原作:西口克己/共演:中村錦之助‐1世,三船敏郎,岩下志麻
京都府制百年記念事業映画。室町末期を舞台に“祇園祭”を復興させようと奮闘する青年の姿を描いた大作。
渥美は町衆の伊平役で出演。

『スクラップ集団』1968年/松竹大船
監督:田坂具隆/脚本:鈴木尚之/原作:野坂昭如/共演:露口茂,小沢昭一,三木のり平
社会から取り残された4人組がスクラップ屋を始め成功するが、やがて転落していく悲喜劇。

『喜劇 女は度胸』1969年/松竹大船
監督・脚本:森﨑東/脚本:大西信行/原案:山田洋次/共演:倍賞美津子,沖山秀子,花澤徳衛
森﨑東監督デビュー作のラブコメディ。渥美は主人公の純朴な青年の破天荒な兄を演じた。

『幸福の黄色いハンカチ』1977年/松竹大船
監督・脚本:山田洋次/脚本:朝間義隆/原作:ピート・ハミル/共演:高倉健,倍賞千恵子,武田鉄矢
“寅さん“以後、渥美はゲスト的に出演して印象を残す役が多くなっていく。この映画では、警察の係長役で出演。

『キネマの天地』1986年/松竹大船
監督・脚本:山田洋次/脚本:井上ひさし,山田太一,朝間義隆/共演:中井貴一,有森也実,倍賞千恵子
昭和8,9年の蒲田撮影所を舞台にした、松竹大船撮影所50周年記念作品。渥美は、売り子から女優へと成長していく主人公の父を演じた。

舞台『大村崑 佐々十郎 喜劇祭 特別参加 渥美清』昭和40[1965]年12月明治座上演
上演された4作品のうち、渥美清は昼の部『恋や恋物語』と夜の部『海猫とペテン師』で主演している。

『あいつばかりが何故もてる』1962年/松竹大船
監督:酒井欣也/脚本:松木ひろし,山根優一郎/共演:倍賞千恵子,田中春男,松原緑郎
初主演作品。渥美が歌った同タイトルの歌から企画された。銀座を舞台に、渥美扮するスリが倍賞千恵子演じる女子大生の危機を助けるために活躍する明朗喜劇。

『あゝ声なき友』1972年/渥美プロ+松竹
監督:今井正/脚本:鈴木尚之/原作:有馬頼義/共演:森次浩司,倍賞千恵子,北村和夫
渥美清が自主製作プロを設立し映画化した社会派ドラマ。戦友12名の遺書を渡すため全国を旅する男の物語。

『友情』1975年/松竹大船
監督・脚本:宮崎晃/共演:中村勘九郎‐5世(中村勘三郎‐18世),松坂慶子,米倉斉加年
松竹創立80周年記念作品。中村勘九郎演じる苦学生が、バイト先で出会った中年の男との友情を深めていく、人情ドラマ。

『八つ墓村』1977年/松竹
監督:野村芳太郎/脚本:橋本忍/原作:横溝正史/共演:萩原健一,小川真由美,山崎努
落武者の怨念に祟られた村で発生した連続殺人事件を描いたミステリー大作。渥美清が金田一耕助を演じ、
独自の金田一像を作り上げている。

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