ゴジラだけの夏ではもったいない!!仮面ライダー&スーパー戦隊劇場版を忘れるな!

■「キネマニア共和国」

今年の夏の映画界は、久々の国産ゴジラ映画『シン・ゴジラ』の大ヒットで盛り上がっていますが、実は毎年の夏の風物詩と化して久しい東映特撮ヒーロー路線もお忘れなく……

キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.149

仮面ライダーとスーパー戦隊の劇場版2本立ては今年も絶好調!

悪い宇宙サーカス団長を
倒せぼくらのジュウオウジャー!


劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキ サーカス パニック!

(C)2016劇場版「ゴースト・ジュウオウジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)2016テレビ朝日・東映AG・東映


 まず『劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック』は、スーパー戦隊シリーズ第40作の劇場版。人間とジューマン(異世界から来た動物人間みたいなものです)の混合チームによるジュウオウジャーが、今回はジューマンで編成されるサーカスを楽しんでいた子どもたちをさらった悪しき宇宙サーカス団長ドミドルに立ち向かうというストーリー。

今回は、子どもたちのエキストラを大挙起用し、彼らの応援がジュウオウジャーに力を与えてくれるなど、スーパー戦隊シリーズの基本が子どもたちのものであることを気持よく納得させてくれるものがあります。

ドミドルに扮しているのは平成ノブシコブシの吉村崇で、いかにもワルそうなコスチュームとメイクが実によく似合っていますが、すぐに変身してしまうのは正直もったいないくらいで、もう少し人間形態での彼を堪能したかったというのも本音。
(その伝では、テレビ版のレギュラー寺島進も、もう少し出番があればなあ、と昔からのファンとしては残念)

個人的に夏のスーパー戦隊映画は総じて時間が短いのが不満なのですが、今回に関してはちょうど程良い長さに感じられたのは、やはり子どもたちにすっきりかっこよく見せようという快活な演出が効いているからでしょう。

それにしても毎度思うことですが、特撮研究所のロボット対決は、やはりテレビのモニターよりも銀幕の大画面で見たほうが純粋に「特撮映画を見ている!」感があって楽しいですね。

100人の英雄とともに戦え!
仮面ライダーゴースト


劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂(アイコン)とゴースト運命の瞬間(とき)


(C)2016劇場版「ゴースト・ジュウオウジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)2016テレビ朝日・東映AG・東映


つづく『劇場版仮面ライダーゴースト 100の眼魂(アイコン)とゴースト運命の瞬間(とき)』は、仮面ライダー生誕45周年記念『仮面ライダーゴースト』の劇場版。

眼魔(ガンマ)に倒されて死んでしまった18歳の青年タケルが、謎の仙人の力で仮面ライダーゴーストとなって、歴史上の偉人たちの“英雄の眼魂”を揃えて生き返ろうという基本ストーリー。テレビ版がいよいよクライマックスに突入していく中で、今回の劇場版は、100人の英雄たちの魂が実体化し、人間の姿で生活する世界に放り込まれたタケルたちと、100の眼魂を集めて究極の眼魂を作ろうとする仮面ライダーダークゴーストたちとの闘いが描かれていきます。

今回のお楽しみは、宮本武蔵やロビンフッド、石川五右衛門、卑弥呼などなど100人の英雄たちが一挙勢揃いしているところで、どことなくみんな貫録不足なのはご愛敬。個人的にはかつて日本人キャストだけで西部劇の数々のヒーローを演じさせた山川直人監督の室内劇『ビリー・ザ・キッドの新しい夜明け』(86)を思い出させるものがあってニンマリしてしまいました。また彼らが一斉に戦い始めるあたりも微笑ましく見ていられます。

平成ライダー・シリーズは総じて設定などが複雑で、テレビ版のほうは数回見逃したら、もう人間関係などがわからなくなるほどなのですが、そういうときに割かし話がシンプルに進む夏の劇場版は気持ちをリフレッシュさせ、またテレビ版に臨もうという気持ちにさせてくれます。今回もゴーストの世界観の基本である生と死のモチーフを改めて見せつけ、ラストは思わずホロリとさせられるほどの感動が待ち受けています。

仙人のおっちゃん(テレビ版はようやく彼の正体が明かされたばかり⁉)に扮する竹中直人の毎度おなじみの怪演も楽しく、こちらもまた上映時間に過不足のないすっきりした仕上がりになっていました。
(平成ライダーの劇場版は後からデイレクターズカットのソフトが出るのが通例ではありますが、それも良し悪しで、タイトに引き締めた編集の劇場公開版のほうが出来が良いことも実は多いのです。さて今回はどちらが面白くなるかな?)

それにつけても、今年の夏休みはゴジラもライダーも戦隊も、そしてまもなくゴーストバスターズにカメ忍者まで見られるという、ヒーロー・ファンにはたまらないものになりそうですね。

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(文:増當竜也)

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