映画コラム

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2016年08月23日

『ズートピア』じっくり観てほしい、あまりにも細かすぎる「5つ」の盲点

『ズートピア』じっくり観てほしい、あまりにも細かすぎる「5つ」の盲点



5.数々の原語での表現に注目しよう!


字幕版の上映が少なかった本作ですので、是非ご家庭ではこちらでもご覧いただきたいです。その理由は違った声が楽しめるということだけではありません。 “原語”でしかわからない表現も満載なのですから。

例えば、肉食動物への偏見を植え付けることになったあの発表の後、ニックはジュディへの別れの言葉として“Adieu”と告げています。

これはフランス語の別れの言葉なのですが、au revoirが英語のbyeに当たる軽い別れの言葉であるのに対し、adieuは“永遠の別れ”を意味しています。この時点では、ニックはジュディに「二度と会いたくない」という意思表明をしていたんですね。

吹き替え版でもうまく訳されていたと感じたのは、ジュディが「“赤杉”と言ってアイスの棒を売ったわ!」と非難するも、「赤過ぎる木だから、“赤過ぎ”と言ったんだ」とニックが返すシーンですね。

英語で樹木の種類を示すRedwoodと、単に“赤い木”を示すRed woodという、スペースが入るだけで違う言葉になるという遊びを、うまく日本語に落とし込めています。

その他、ジュディがニックに謝るときの表現や、最後にジュディがナレーションで語っている内容も、原語と吹き替え版で少し異なっていたりもします。

そして、ラストのジュディとニックの会話が、原語ではさらに彼らが“愛し合っていること”がわかるんですよね。

ニック『You know you love me.(俺のこと好きなんだろ?)』

ジュディ『Do I know that?Yes, yes I do!(どうかしら……ええ!大好きよ!)』


そう、ニックが言っている“好き”はLikeではなく“Love”なのです!日本語ではこの違いが表現できませんものね。

ちなみに、その後にあのナマケモノのフラッシュの“笑”撃のオチが待ち受けているわけですが、そのナンバープレートには"FST NML"と書かれています。これは おそらく“Fast Animal(速い動物)”の略で、彼なりに「俺は速いぜ!」というアピールをしていたんでしょう。

ちなみに、アメリカでは料金を払えば、ナンバープレートの数字だけでなく文字も自由に選ぶことができるそうですよ。

まとめ


ここに挙げた以外にも、ご家庭で『ズートピア』を観れば、さらにたくさんの発見があるでしょう。端々に表れる愛おしいキャラクターの性格、奥深い設定、名言の数々……その全てが宝物のような作品でした。

個人的に、どうしてもソフト版で確認しておきたいのは、ニックが警察の申込書に書いていた内容。ここはどうしても劇場では読めなかったので、さらなるニックの“秘密”が隠されているのではないか、とワクワクしてしょうがないのです!

是非是非、皆さんも『ズートピア』の隅々まで、楽しんでください!

(文:ヒナタカ)

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