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堺雅人主演の名作“4選”|大事件に巻き込まれる一般人を演じたらピカイチ!?


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ギリギリまで情報が伏せられていた日曜劇場「VIVANT」が2023年7月16日に初回放送を迎えた。阿部寛、二階堂ふみ、役所広司、二宮和也と豪華なキャスト、初回放送が108分スペシャル、モンゴルロケ……とすべてが映画級ななか、主人公・乃木憂助役を務めたのが堺雅人である。

日曜劇場で堺雅人といえば誰しもが「半沢直樹」と脳裏に浮かぶだろう。実際、「VIVANT」の原作は「半沢直樹」で演出を務めた福澤克雄が手がけている。しかし、今作では倍返しはしない。ベールに包まれていた「VIVANT」の魅力から、あらためて堺雅人主演の名作たちに触れたい

1. VIVANT

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「VIVANT」で堺雅人が演じるのは、ほんのちょっとしたミスで1億ドルを誤送金してしまい、差額の9千万ドルを取り戻そうと奔走する丸菱商事の会社員・乃木憂助だ。

莫大な金銭をめぐって倍返しする役柄とはほど遠く、むしろ部下のミスをカバーするため異国で殺されてしまいそうになる、不憫な人物である。(この“部下のミス”の時点から、何やら乃木を陥れようとする裏の動きを感じるが、もちろん初回放送の時点では伏せられている)

ただ誤送金した差額を取り戻そうとしているだけなのに、気づいたらテロ組織が起こした爆発に巻き込まれ死にそうになったり、公安から派遣された野崎守(阿部寛)から「お前は世界中を巻き込む大きな渦の中にいる」と意味深なことを言われ保護対象となったり、忙しない。

初回では、バルカ共和国から日本大使館という安全圏にたどり着くまでのドタバタ共闘劇が描かれた。乃木をめぐるバルカと日本のやりとりが強大すぎて、当の本人の一般人っぷりが浮き彫りになっているのが、なんともミスマッチでおもしろい。堺雅人に「図らずも大事件に巻き込まれる一般人」の役をやらせたら、まさに右に出る者はいない。

▶︎「VIVANT」を観る

2.ひまわりと子犬の7日間

(C)2013「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会

堺雅人演じる保健所の職員・神崎彰司が主人公。野犬となってしまった母犬・ひまわりと、その子犬たちをめぐる、実話を元にした物語だ。彰司は交通事故で妻を亡くしており、小学5年生の娘・里美(近藤里沙)と小学一年生の息子・冬樹(藤本哉汰)がいる。

彰司は誠実で、人情を人の形にしたような父親だ。勤める保健所の規則スレスレで、殺処分予定の犬たちの里親探しをしたり、処分までの日程を延ばしたりしている。

子どもたちに対し、自分が従事する仕事の詳細を口にするときも、変にごまかしたりはしない。「一生懸命説明してみるから、里美も、よく考えながら聞いてみてくれん?」と真摯に向き合う

「図らずも大事件に巻き込まれる一般人」の役をやらせたら、まさに右に出る者はいない……そう前述したが、誠実で真摯で人情的な人物を演じても、堺雅人は完璧にハマる。

母犬・ひまわりのために奔走する保健所職員、そして、子どもたちに実直に接する父親である彰司は、陰ながら、堺雅人のハマり役といっていいだろう。

▶︎『ひまわりと子犬の7日間』を観る

3.ツレがうつになりまして。

(C)2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会

細川貂々による、実話を元にしたコミックエッセイが映画化。心因性うつ病を患ってしまった夫・髙崎幹夫(通称・ツレ/演・堺雅人)と、そのサポートをする妻・髙崎晴子(通称・ハルさん/演・宮崎あおい)のハートフルな奮闘が描かれる。

なぜ、ツレはうつ病になってしまったのか。毎朝、満員電車に乗って出社し、理不尽なクレームを聞き、食欲不振を自覚しながら働く。少しずつ体調が優れない日が増え、満足に眠れない。

そしある朝、いつも問題なく作れていたお昼用のお弁当が作れなくなってしまった。ナイフを手に「死にたい……」とハルさんに訴えるツレの様子は、確かに「誰がうつ病になってもおかしくない」と思える唐突さに満ちている

堺雅人は間違いなく主役級の、まさに日本を誇る名役者だ。しかし、見る側が「これは自分だ」と違和感なく自分ごとにできる、日常と地続きになった“市井の人間”をリアルに表現するのに長けている。

本作で演じるツレが、自分がうつ病であることを自覚し、ハルさんの力を借りながら通院し、調子が良くなったかと思えば感情の起伏に悩まされ、ついには風呂場で首をかけようとする顛末を、ここまで“自然に”演じられる役者は、そうそういないのではないだろうか。

▶︎『ツレがうつになりまして。』を観る

4.鍵泥棒のメソッド

(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会

2012年公開の『鍵泥棒のメソッド』は、香川照之演じる殺し屋(便利屋)コンドウと、堺雅人演じる桜井武史が、ひょんなことからお互いの人生を“交換”することになる物語。銭湯で足を滑らせ、記憶喪失になってしまったコンドウをたまたま見かけた桜井が、彼と銭湯ロッカーの鍵を入れ替えてしまうのである。

35歳の桜井は売れない役者で、所属していた劇団が解散になってしまったことで無職になっており、ボロボロのアパートで暮らしていた。恋人にも愛想を尽かされ、人生に絶望していた彼は自死を図る。しかし失敗し、気が向いて訪れた銭湯でコンドウと出会う。

人生を交換した男が、まさか殺し屋(便利屋)を名乗っており、あれよあれよと面倒なドタバタに巻き込まれることになるなんて、思いもしなかっただろう。桜井の性格こそ、「VIVANT」の乃木のように平身低頭さはないが、想定外の大事件に巻き込まれる一般人っぷりはこの時点で頭角をあらわしている

▶︎『鍵泥棒のメソッド』を観る

「VIVANT」©︎TBS

「半沢直樹」や「VIVANT」のような骨太で硬派な作品にも、『ひまわりと子犬の7日間』や『ツレがうつになりまして。』のようなハートフルな作品にも、今作のようなコメディにも合う。

彼の出演作を見ていると、日本の映画・ドラマ界に堺雅人あり、とあらためて思わせてくれる。

(文:北村有)

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