映画コラム

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2016年10月01日

『アングリーバード』はストレスを溜めている方は必見!『マッドマックス』並にイカれた(褒め言葉)映画だ!

『アングリーバード』はストレスを溜めている方は必見!『マッドマックス』並にイカれた(褒め言葉)映画だ!






10月1日より、映画『アングリーバード』が公開されます。一見して子ども向けのアニメーション映画にも思えますが、いやいや、これがとんでもない内容だったのです!

以下にその魅力を一気にお届けします。大きなネタバレはありません!

1.ストレスを溜め込む現代人にこそ観てほしい!


主人公が“怒りん坊のレッド”と紹介されているので、“怒ってばかりいる主人公が成長する話”なのかな?と思っていると……それだけではないことに驚きました。むしろ、「こんなことをされてよく我慢できるな!」と思うくらいに、周りの鳥たちが心無い、ひどいことを主人公にしまくるのです!

これは明らかに、ストレスを溜めがちな現代社会への皮肉です。

仕事に対して理不尽なことを言うクレーマー、悪意がなくても誰かを傷つけてしまう偏見、強制的に参加させられたグループセラピーのウザさ(笑)などなど!!“あるある”描写が目白押し。「わかるわかる」と思いながら観るオトナはきっと多いことでしょう。

しかも、物語の中盤からは、ぶん殴りたいほどムカつく(褒めています)“みどり色のブタたち”が鳥たちのコミュニティに来襲、そいつらの価値観のおかげで、さらに主人公は周りから浮いてしまうのです。

それでも主人公は怒りを押し殺し、自分を蔑んでいたはずの仲間(鳥)たちのため、問題解決の糸口を見つけようとする……なんとも志の高い物語ではありませんか!

2.後半のマッドすぎるアクションに驚け!3Dで観ろ!


『アングリーバード』はもともとスマートフォン用のゲームアプリです。その遊び方は“大きなパチンコでさまざまな能力を持っている鳥を飛ばして、みどり色のブタや建物にアタックする”というだけ。このシンプルさこそが、全世界で30億ダウンロードを誇るほどの人気を得た理由の1つでしょう。

そして今回の映画版では、その“パチンコで鳥を飛ばして建物を破壊”というゲームの要素が、大迫力の映像で再現されています!
そのスカッとする破壊の描写、“こんなの見たことねえ!”なイカれた(褒めています)アクションが続く様は、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の興奮と同等のレベルでした!

この感覚は、最近で言えば、子ども向けとは思えないぶっ飛んだアクションが連発していた『ペット』にも似ています。こちらが好きだった方も必見でしょう。

また、このパチンコアクションは“奥行き感”が凄まじいため、是非3D版を選択することをオススメします。“空を飛ぶ感覚”を、十二分に味わうことができますよ。



3.驚愕のうまさの日本語吹き替え!


本作の主人公のレッドの吹き替えを務めるのは坂上忍さん。これが「もう本業声優でもいいじゃん!」というほどのうまさであり、ストレスを溜め込みまくっている役とのマッチぶりも素晴らしいのです!

なお、インスタグラムで大人気を博しているキュートな双子の女の子“りんか&あんな”も声優として参加しています。こちらはめっちゃかわいいですよ。

4.子どもにわかるわけがない映画パロディを見逃すな!


本作は終盤に、とある超有名な映画のパロディが2つ登場します。もちろんネタバレになるのでタイトルは書けませんが、どちらも大好きな自分は大爆笑してしまいました。

1つは最近の映画なのですが、もう1つはかなり古い作品(でも名作!)なので「子どもにわかるわけないじゃん!」とツッコんでしまいました。わかる方はゲラゲラ笑いましょう!




5.コンプレックスを抱えた人にも観てほしい


本作は、怒りん坊のレッド、超ハイテンションのチャック、ビビると爆発するボムのほか、“過去には栄光があっても今では何もできなくなっている” マイティーイーグルと、それぞれの個性である反面、“コンプレックス”と呼べる特徴を持ったキャラたちが登場しています。

特に、レッドは子どもの頃から、太い眉毛という“見た目”の原因によって虐められていました。そのような経験を経た彼がオトナになって、人里離れた浜辺に家を建てて、ひとりぼっちで暮らし、他人と関わらないようになっていく、という過程は身につまされるところがありました。

そうして他人との関わりを断絶しようとした結果、レッドは周りからさらに嫌われてしまう、という悪循環に陥ってしまいます。序盤のとある裁判で、レッドは裁判長から心無い言葉を告げられてしまうのですが……それが本当に苦しくて、切なくなりました。

しかし、物語はレッドたちがとても強い精神性を持っていること、そして彼らのコンプレックス(特徴)を肯定し、その人間(鳥)関係が変化していく様を、とても丁寧に描いています。ド迫力のアクションに注目してしまいがちですが、そうしたドラマの奥深さもあるのです。

そんなわけで、イカれたアクションを期待する人はもちろん、“怒れた”者たちの物語としても、存分におすすめいたします。

ゲーム版を遊んでいなくてもまったく問題ありません。世知辛い経験を経た、コンプレックスを抱えたオトナこそ、ぜひ劇場へ足を運んでください!

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(文:ヒナタカ)

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