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『となりのトトロ』が深い5つの理由!


4.子どものように、抱きついてもいいんだ!



本作で何よりも感動してしまうのは、“サツキがトトロに抱きつく瞬間”でした。

まず、序盤にサツキとメイとお父さんが、お母さんのお見舞いに来ていたときのことを振り返ってみます。

病室に入ってきたとき、サツキは周りの患者さんに「こんにちは」と挨拶をしていましたが、メイは「あーっ、お母さーん!」と言いながらすぐに抱きついています。ここでも、サツキは大人のいるところではしっかり者で、メイはわがままで思ったことをすぐ行動に移してしまうことがわかりますね。



暗い森のバス停でお父さんを待つとき、メイは不安そうにサツキの手を握りしめていましたが、やはりサツキは平気なふりをしているように見えます(もちろん、サツキだって怖いに決まっていますが)。

この後にトトロの姿を初めて見たサツキは、バスから降りたお父さんに、メイと同時にうれしそうに抱きついていました。トトロは、サツキの“しっかり者”でなくてもいい、子どもらしくしてもいい、という気持ちを後押ししてくれたのかもしれませんね。



そして、庭でトトロと空を飛ぼうとするシーンでは……メイは大喜びでジャンプしてトトロに抱きつきますが、“しっかり者”でいなければならないサツキは、やはり無邪気にそうすることができません。
しかし「抱きついてもいいんだよ」と促すように見つめ返すトトロの顔を見て、サツキはやっと「しっかり者でなくていい、子どもでいていいんだ!」と気づいたのでしょう。サツキもメイと同じように笑顔になり、トトロに抱きつくのです。なんと繊細な描写なのでしょうか!

等身大の子どもに戻ったサツキは「メイ、私たち、風になってる!」と叫ぶほど、トトロとの空の旅を心から楽しみます。メイとサツキが子どもとして、夢のように空を飛ぶシーンは、これ以上のない開放感に溢れていました。

5.サツキとメイは、なぜ最後にお母さんに会わなかったのか?



物語の最後、メイとサツキは、お母さんのベッドのそばの窓にトウモロコシを置いて去っていました。なぜ2人がお母さんに会わなかったのか……といえば、2人が「お母さんにすぐに会わなくても大丈夫」だと気付いたからなのでしょう。

メイは前述した通り「(お母さんが帰ってくるのは)すぐって明日?」と聞くほどに長い時間が待てなかったのですが、ここではお母さんの元気そうな顔を見て、“退院を待ってもいい”と思えたのでしょう。

サツキもまた、お母さんの無事を確認できたことで、“死んでしまうかもしれない”という不安がなくなったのでしょう。



メイとサツキは今まで会えなかったお母さんに甘えようとしていた……それでも、ここではあえて会わずに帰るのです。つまり、この“トウモロコシを置いて帰る”というのは、幼かった姉妹が成長して、少し大人になったことを示しているのでしょう。

お母さんはそんな2人のことを、こう話します。

「あの子たち、見かけよりずっと、ムリしてきたと思うの。サツキなんか聞き分けがいいから、なおのこと、かわいそう。退院したら、今度はあの子たちに、うんとわがままをさせてあげるつもりよ」

お母さんは、サツキが“しっかり者”でいようとしていたことに気づいていたんですね(序盤にお母さんは、サツキに「あなたは母さん似だから」とも言っていました)。

サツキとメイは少し大人になりましたが、お母さんはちゃんと“子ども”の2人のわがままを聞いてあげると話す……。本作のラストが心地よいのは、そんな“幸せへの予感”があるからなのでしょう。

なお「サツキとメイの影が終盤でなくなっている、これは2人が死んだことを示している」という都市伝説が有名になったこともありましたが、これは公式の広報部に否定されています。影がないのも、日が落ちて影を描く必要が無くなっただけという作画上の理由であることが明言されているので、心配する必要はありません。

おまけ.スタッフロールのメイにも注目!



金曜ロードショーでは放送されないかもしれないですが、DVDやBlu-rayなどでスタッフロールの絵にも注目してみてほしいです。

そのスタッフロールでは、お母さんが退院した後のことが描かれていました。子どものグループで遊んでいるという絵では、メイだけが赤ちゃんくらいの子どもをじっと見ていたりもするのです。

おそらく、メイもまた、子どもの面倒をみられるような“お姉ちゃん”になろうとしていたのでしょう。その後では、メイは子どもたちを率いて“電車ごっこ”をしていたりもするのですから!

このほかにも、『となりのトトロ』には、まだまだ気づいていない“盲点”がきっとあるはず。皆さんも、ぜひ見つけてみてください!

(文:ヒナタカ)

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