乃木坂46 能條愛未 映画『アメリカン・ビューティー』の人物たちを語る2
乃木坂週刊映画、今回も引き続き能條愛未さんにアカデミー賞受賞作品『アメリカン・ビューティー』について語って頂きました。登場人物たちにフォーカスして語って頂く第2弾です。
前回までの記事
・乃木坂46 能條愛未 映画『アメリカン・ビューティー』の人物たちを語る1
・乃木坂46 能條愛未『アメリカン・ビューティー』を語る
・乃木坂46 能條愛未 16thシングルへの”思い”、「サヨナラの意味」発売記念特別編
・乃木坂46 能條愛未が語る『桐島、部活やめるってよ』の魅力 後編
・乃木坂46 能條愛未が語る『桐島、部活やめるってよ』の魅力 前編
→それ以前の記事はこちら
人物その4:チアリーディング部の美女アンジェラ
「人物その3」までのコラムはこちら
主人公レスターが恋をした美女アンジェラ。レスターの娘が所属するチアリーディングの彼女はとても華々しく、人気も抜群のチアリーディング部のエース。
同級生との恋愛など眼中にあらずで、歳上が好きであることを公言しています。そして主人公レスターを魅力的だと言い、色目を使います。
レスターは彼女に本気で恋をしてしまい、筋トレしてイケてる親父になっていきました。そして二人の距離は本当に縮まっていきます。
しかし、その先には衝撃の展開が待ち受けていました。
アンジェラはもしかしたら平凡と思われることが怖かったのかもしれません。ルックスも良くて、モテて、誰からも注目される存在でありながらも心のどこかに闇を抱えていたのかもしれません。もしかしたら、逆にそう注目される自分を望んでいなくて、そうなってしまったからこそ、必死に人気な自分を演じていたのかもしれません。
ちなみに、彼女の演技でとても素晴らしいなと思うところがありました。クライマックスでレスターと二人きりになった時、その時はまだ触れ合ってもいないのに今までの彼女と明らかに雰囲気が違うのです。
「あれ?」と少し違和感を感じたのですが、その後の展開をみれば「なるほど!」となりました。
その時感じた違和感は、アンジェラがこの映画で初めて本当の自分を少し見せたからだったのです。とても素晴らしい演技だなと思いました。
人物その5:隣に住む青年リッキー
主人公のレスター一家の隣に住む青年リッキー。常にビデオカメラを片手に生活をしており、何でも記録する風変わりな青年。
そんな彼が「この世で最も美しい」と思ったものは何と宙を舞う白いビニール袋。彼が撮影したその映像を見て「わあ、綺麗!」とは絶対に思いません。ただただ枯れ葉と一緒にビニール袋が風に煽られ舞っているだけなのです。
それを彼が美しいと思うのは彼自身の悲しい境遇や、浮かんでしまっている心を投影させてるのかなと思いました。
この映画の登場人物たちは誰もが風変わりですが、それぞれどこかしら共感できる部分や同情できる部分がありました。
しかし、このリッキーだけはどうも共感できませんでした。嫌悪感を頂くわけではないですが、何も掴みどころがない不思議な青年だなと最後の最後まで思いました。
人物その6:リッキーの父親フランク
そんな掴みどころのない青年リッキーの父親であるフランク。最初はただの脇役かと思いきや、映画の後半では主役級の存在感でした。
最後に彼が取った行動はどうも明確に理解ができません。ある誤解をしている前提での、息子への復讐なのか。それとも自分がある人物に拒絶されたが故の恨みなのか。どちらが正解かは私には読み取れませんでした。
息子のリッキーに暴力を奮うシーンがあったりするので、言葉でうまく自分の感情を表現できないのかなとも思いました。妻(リッキーの母親)が不気味な静けさであるのも、もしかしたら暴力が原因なのではと勘ぐりたくもなります。
また、フランクがある行動を起こした結果、主人公レスターの妻キャロラインはその行動を遂行することができず崩れ落ちます。最後の最後まで予想できない行動を取ったフランク。一体何を思ってあのような行動を取ったのか、今でもそのことを考えてしまいます。
以上、二週に渡って『アメリカン・ビューティー』に登場する人物たちについての考えを語って頂きました。
次週で『アメリカン・ビューティー』の考察はおしまい。最後は、レスターについての本音と俳優陣の演技について語って頂きます。
来週土曜日もどうぞお楽しみに!
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(取材・構成:シネマズ編集部/撮影:HIRO SATO)
能條愛未 プロフィール(Ami Noujo Profile)
能條愛未
1994年10月18日 神奈川県生まれ 血液型 A型
乃木坂46 一期生メンバー
月に10本は必ず見るというほどの映画好き。
映画、舞台と女優としての活動の場をひろげるほか、バラエティーでも持ち前のセンスで活躍中。
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