映画ビジネスコラム
『レゴバットマン ザ・ムービー』が2週連続で首位!全米興収ランキング速報
『レゴバットマン ザ・ムービー』が2週連続で首位!全米興収ランキング速報
全米興収ランキング(2/17〜2/19)
1位(→)『レゴバットマン ザ・ムービー』
2位(→)『フィフティ・シェイズ・ダーカー』
3位 (NEW)『グレートウォール』
4位(↓)『John Wick: Chapter Two』
5位(NEW)『Fist Fight』
6位(↓)『Hidden Figures』
7位 (↓)『スプリット』
8位(↓)『A Dog’s Purpose』
9位(↓)『ラ・ラ・ランド』
10位(NEW)『A Cure for Wellness』
(速報値/Box Office Mojo参照)
昨年は『デッドプール』、一昨年は『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』と、ここ2年続けて冬興行の新記録を塗り替えてきたこのプレジデント・デイの週末。大きな期待が寄せられた新作勢を、『レゴバットマン ザ・ムービー』が見事に封じ込め、2週連続1位を獲得した。
(C)The LEGO Group. ™ & (C)DC Comics. (C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
先週接戦を演じた『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(無事にこの夏日本での公開も決定したようだ)と、ウィークデイも接戦を繰り広げた『レゴバットマン』。やはり平日の成績では大人向けの『フィフティ・シェイズ・ダーカー』が好調となり、火曜日にはトータルの興業成績で先手を許すも、再びこの週末で巻き返し再逆転。現時点での興収は9800万ドルで、祝日となる月曜日で1億ドルを超えることは100%確実である。
(C)2017 UNIVERSAL STUDIOS
2週続けて2位に敗れた『フィフティ・シェイズ・ダーカー』も、すでに8900万ドルに到達しており、本作も火曜日ごろを目処に1億ドル突破が見えてきた。それでも、両作を先週末からの落差で比べてみると、『レゴバットマン』は35%減、『フィフティ・シェイズ〜』は55%減と、その維持力は一目瞭然。前者は本家の一作『バットマン・ビギンズ』とほぼ同じ推移を見せており、2億ドル到達の可能性も非常に高い。一方で後者は前作のようなブームを巻き起こす可能性がほぼほぼ消滅したとみて間違い無い。
初登場作品で最上位となったのは、中国映画界の巨匠チャン・イーモウのハリウッド進出作『グレートウォール』。
(C) Universal Pictures
IMAX3Dで公開される、製作費1億5000万ドルの超大作がこの出足というのは少々期待はずれといったところか。それでも、本作の興行の中心となるのは、やはり急成長中の中国市場。中国では昨年12月に封切られ、すでに製作費を上回る1億7000万ドルを回収しているのだ。2ヶ月近く経ち、昨年記録的大ヒットとなった『ウォークラフト』を超えることは少々厳しそうではあるが、同作同様に世界興収に占める全米興収の割合がかなり面白くなりそうだ。
5位にランクインしたアイス・キューブとチャーリー・デイ共演のコメディ『Fist Day』で、速報では1200万ドル。相変わらず日本での人気はいまひとつだが、アメリカではかなりの信頼を得ているのは間違いなく、2002年の『グッドボーイズ』以降の彼の出演作は、小規模公開作と『トルク』、そして予想外の感動作として発表された『奇跡のロングショット』を除きすべてがオープニング1000万ドルを超えてきているのだ。(しかも『トルク』はごくわずかの差で1000万ドルに届かなかったのである)
それでも、本作はかろうじて1000万ドルのラインを超えた感は否めない。まして、彼の作品では久しぶりとなる批評家からの酷評の嵐を受けている点も踏まえれば、最終的にはそれほど大きなヒットに結びつくことはなさそうだ。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで知られるゴア・ヴァーヴィンスキーが、大赤字作となった『ローン・レンジャー』以来のメガフォンを執ったミステリーホラー『A Cure for Wellness』はかろうじてベストテンに食い込むも、確定版では次点の『LION/ライオン 25年目のただいま』に追い抜かされる可能性も充分。また、メキシコ産ロマコメ映画『Everybody Loves Somebody』も、まずまずの成績で善戦を見せている。
来週は俳優ジョーダン・キールの初監督作となるホラー『Get Out』、ニコラス・ホルトとフェリシティ・ジョーンズ共演のアクションスリラー『Collide』、個性派キャストが声優を務める米中合作のアニメ映画『Rock Dog』が公開。『レゴバットマン ザ・ムービー』のV3の可能性は非常に高い。
(文:久保田和馬)
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