映画コラム
『レゴバットマン』て実は最高の「バットマン」映画!と思う理由
『レゴバットマン』て実は最高の「バットマン」映画!と思う理由
(C)The LEGO Group. ™ & (C)DC Comics. (C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
子供のころレゴブロックで遊んだことがある人は多いかと思います。そのレゴを使った映画『レゴ・バットマン ザ・ムービー』。映画の全てがレゴブロックで構成され、レゴの特性である分離・組合わせとバットマンのキャラ、2つの良さが相乗効果を生んでとてつもなく面白く仕上がっています。バットマンに詳しくなくても、レゴで遊んでなくても間違いなく楽しい作品です。
どんな話?
ゴッサムシティを守るバットマン。今日もヴィラン軍団をやっつけ街を平和にしています。しかしバットマンに認められたいジョーカーは、なんとしても認めてもらうためにある計画を思いつきます。そんな中、ゴッサムの新しい刑事部長の就任式にジョーカー率いるヴィラン軍団が現れ……。
1:華麗なレゴアクション
冒頭のナレーションから笑えるのですが、その後にレゴのゴッサムシティでヴィランたちとバットマンの大激戦が始まります。このシーンがレゴならではの面白さでありつつ、意外といっては怒られるかもしれませんが、レゴなのにかなり迫力があります。
しかもその間バットマンがずっと歌いながら戦っているのですが、これがとても笑えます。だって、あのクソ真面目で根暗でユーモアセンスの欠片もなさそうなバットマンが歌いながらですよ?
さらに、バットマンが使うマシーンもレゴの特性を生かしたアクションになっています。例えば変形機構を備えたマシーンがあるとすると、普通の映画などでは翼が展開したり、腕が生えたり……と各パーツが移動して変形するものが多いですが、レゴブロックで構成されているため、ブロックの組み合わせを変えて変形します。
これがとても細かくて見ていて凄いと思います。他にも建物の部品を勝手に外して、マシーンを即席で作り上げたり。またバットマンが相棒であるロビンに「パーツをくっ付けてスケボーみたいなものを作れ」と命令するシーンも。
ちなみに爆発エフェクトなどもレゴブロックで表現されているんですよ。
(C)The LEGO Group. ™ & (C)DC Comics. (C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2:バットマンを知らなくても楽しめる
バットマンについては、劇中バットマンがどんどん自分について語ってくれるので、名前しか知らない!って人が見ても、映画を見ていくうちに理解できます。悪役たちについても知らなくても大丈夫。
自分は『バットマン』関係の映画は最近のものは見ていますが、古すぎる作品はまったくわかりませんし、原作も読んでいません。だから知らないヴィランも結構いて、映画にもいっぱい知らないヴィランがでてくるのですが。出てくるたびに「あ、こんなのもいるんだ」と思った程度です。
終盤に至ってはバットマンとは無関係な他作品の映画悪役たちも入り乱れて迫力満点の大バトルを繰り広げます、もちろん知っていた方が面白いんでしょうけど、知らなくても気になりません。
また細かいところでは、銃の発射音にも気をつけて聞いてみましょう。
(C)The LEGO Group. ™ & (C)DC Comics. (C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
3:ジョーカーとの関係をフィーチャー
バットマンの宿敵といえばジョーカー……と思っているのは実はジョーカー本人と見てる人だけかもしれません。同作でバットマンが冒頭、ジョーカーに「最強の敵は?」と尋ねられはっきりと「スーパーマン」と答えます。自分との関係同作の事件を引き起こすきっかけにもなるのですが。
もう今回ばかりはジョーカーが可愛すぎて笑えます。ひたすらバットマンに対して構ってちゃんになっていて、めんどくさい交際相手、一歩間違えればバットマンのストーカー?
でも、バットマンに対して切実すぎるジョーカーがなんか可愛く見えてきて、ついつい感情移入しちゃいそうになるんですよ。
(C)The LEGO Group. ™ & (C)DC Comics. (C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
4:バットマンの本質を問いかける
バットマンのアイデンティティは孤高で「誰も必要としない、仲間や宿敵さえ」というところ。今回はそのアイデンティティを揺さぶる事件となっています。だからこそ、今回のこそ過去最高のバットマンだと思うのです。
映画中ではかなりコミカルに表現していますが、それでも敵味方から「必要として」と懇願され、それでも一人で解決しようとして……。という展開。
基本的に不変で思ったことを貫き通すキャラクターであるバットマン。今回は変わってしまうかどうかというのも見どころの一つですね。
(C)The LEGO Group. ™ & (C)DC Comics. (C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
まとめ
バットマンとレゴという素材を使い、子どもにも分かるような単純なストーリーにした上で、子どもも大人も楽しめるギャグやアクションをてんこもり。
よくよく見ると自分とは……みたいなアイデンティティに関わる深いテーマもあって、本当に年齢関係なく楽しめる作りになっています。気になった方はぜひ映画館へ。
(文:波江智)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。