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コナンも『ちはやふる』?『から紅の恋歌』も絶好調!

■「キネマニア共和国」

名探偵コナン から紅の恋歌 メイン

(C)2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会



昨年公開された第20作『純黒の悪夢』がシリーズ興収最高63億3000万円を計上し、今や国民的人気を誇る『名探偵コナン』劇場版シリーズですが、今回の最新第21作『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の出来はといえば……。

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.225》

これまた前回とは打って変わって、飄々とした快作たりえていました!

百人一首をモチーフに展開される絢爛豪華な「和」の世界観


『から紅の恋歌』は、昨年実写映画が大ヒットした『ちはやふる』でおなじみ競技かるた「百人一首」の世界をモチーフにミステリとサスペンスとアクションが展開されていきます。

今回のメインとなる舞台は関西。まず京都・嵐山で百人一首会を牽引する皐月会の優勝者が殺害され、まもなくして今年度の皐月会開催を告げる会見を行う予定でいた大阪の日売テレビにて爆破事件が発生。

ひょんなことから双方の事件に巻き込まれていく我らが名探偵コナンは、関西の友人である高校生探偵・服部平次とともに皐月会を捜査し、やがてその奥に潜む不可解な謎に挑戦していきます……。

今回のお楽しみは、やはり『ちはやふる』などで話題の百人一首の世界に即し、「和」の文化を意識した巧みに世界観が構築されていることで、特に京都とカルタのコラボレーションは、雅(みやび)で絢爛豪華な映像美を具現化させています。



(C)2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会




ドラマとしてのお楽しみは、東の名探偵・工藤新一(=江戸川コナン)と並ぶ西の名探偵・服部平次とその彼女・遠山和葉のカップルに、百人一首の高校生チャンピオン・大岡紅葉が横恋慕してくることでのラブラブ&キラキラ&ドタバタ騒動でしょう。

これによって今回のコナンはメインの座からちょっと引いたところにスタンスが置かれている感はありますが、そのバランスが巧みで、熱く展開された前作の大ヒットを過剰に意識することなく、むしろ肩の力を抜いてスタッフが本作の制作に臨んでいるかのような、そんな心地よさも感じられます。



(C)2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会




いつかミステリ要素だけで攻めるコナン映画を見てみたい!


今回の監督は第15作『沈黙の15分』(11)から連続登板を続けている静野孔文。毎回安定したクオリティを誇る劇場版コナン・シリーズではありますが、私自身は彼が監督するようになってから俄然面白くなっていった感があり、今回もその期待を裏切らない達者な仕上がりに大いに満足。

そういえば今秋公開される話題のアニメ映画大作『GODZILLA 怪獣惑星』も、静野監督作品(瀬下寛之と共同)です。

また「名探偵コナン」はTVシリーズは毎回ミステリに重点が置かれていますが、劇場版はそこにスペクタクル・アクション描写を盛り込んで、あたかもコナンを007のように見立てている感があり、今回もテレビ局爆破シーンでのコナンの大活躍などが見られますが、個人的には劇場版だからこその、たとえば上質のミステリを見せてもらいたいという本音もあり、その伝でいえば今回はミステリ描写にも力が入っていたのは嬉しい限りでした。



(C)2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会




願わくば、『オリエント急行殺人事件』(74)のような、ミステリ要素だけで勝負しつつ、映画ならではの醍醐味を堪能できる劇場版『名探偵コナン』もお目にかかりたいものです。

シリーズ第1作『時計仕掛けの摩天楼』(97)から早20年の時が過ぎて、当時子どもだったファンも大人になり、そんな彼らによってここ数年の大躍進も保たれているとも思えるだけに、そろそろちょっとアダルトでシリアスなコナン映画に挑戦してみるのも面白いのではないでしょうか? この人気シリーズ、それだけの素地は既に十分整ってきているはずです。

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(文:増當竜也)
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