ベビレ・渡邊璃生、山口百恵主演『古都』で感じた「人生」
アイドル「ベイビーレイズJAPAN」と映画情報サイト「シネマズ by 松竹」が強力タッグ!映画とアイドルがコラボした“名作”を振り返る企画「ベイビーレイズJAPANのニワカ自己見」
この企画は、ベイビーレイズJAPANのメンバーから1人、先生役を担い、彼女たちが触れることが無かった、アイドル×映画の名作を鑑賞。“にわか仕込み”な先生=にわか先生になり、メンバーの1人を生徒役として、その作品の魅力ついて語るもの。
10回目となる今回は、ベイビーレイズJAPANのメンバーから“にわか先生”になるのは、“りおトン”こと渡邊璃生。そして、“なおすけ”こと高見奈央が生徒役になります。果たして、今回のにわか先生の授業はどうなるのか?
※本記事は、ネタバレを多く含みます。ご注意ください。
山口百恵が1人2役を演じた不朽の名作
渡邊:今回、私が紹介するのは山口百恵さん主演の『古都』です。
高見:りおトン、百恵さんのこと元々知っていたの?
渡邊:実は、テレビの特集とかでも頻繁に出てくる方で、知っていたんです。だから、今回選ばせてもらいました。
高見:あんまりテレビ観ないって言っていたのに(笑)
渡邊:実は結構観ているんですよ(笑)この映画は、川端康成の小説が原作で、市川崑監督のメガホンで映画化したものです。
高見:ビッグネームだらけだね!
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渡邊:お話としては京都の呉服店が舞台です。山口百恵さん演じる千重子ちゃんはそこの娘で、実は元々は捨て子なの。そして、彼女には双子の妹・苗子ちゃんがいたんです。
高見:一緒じゃないってこと?
渡邊:そうなの。赤ん坊の頃に離れ離れになったから、お互いのことを知らずに生活してきたんだけど、ある時に偶然出会ってしまってお互いの存在に気づくの。
高見:あら!でも、なんで分かるの?
渡邊:顔が全く一緒だから。
高見:え?じゃあ、百恵さんの顔ってこと?
渡邊:そう、この映画では山口百恵さんが、1人2役を演じているんです。
高見:すごい!じゃあ、CG使っているんだ。
渡邊:1980年の映画だから、今みたいなCGの技術はなくて、昔ながらのフィルム合成という技術で2人が一緒にいるシーンとかも作られたそうです。
高見:へー!!!
細部に宿る日本の美しさ
渡邊:映画で描かれている時代は、明確になっていなくて、戦前なのか戦後なのか……?でも、原作の小説は1961年に書かれているんです。日本が近代化していくあたりの頃で、着物もいれば、スーツの人もいて、電話も今みたいな携帯電話は当然なくて、受話器のある古いタイプのものなんです。
高見:黒電話とか、そういう感じだ。
渡邊:私たちからしたら、すごく昔のもののように思っていたことだけど、こうして映像で見ると、実はそんなに昔のことでもないんだなって思いました。
高見:そうなのかもしれないね。
渡邊:あとは、京都が舞台で、時代も昔だから、言葉遣いもとても綺麗なの。
高見:「おいでやす」みたいな?
渡邊:そういった言葉が、丁寧で綺麗だなと印象に残りました。それに、映画に登場する“森林”もとっても美しかったんです。これは映像を観てもらわないと、説明しづらいかも。
高見:見どころ的なものが多いってことね。
渡邊:日本ってこんなに美しいんだなっていうのを、再度感じる作品だなと思いました。
人生なんて上手くいかないことばかり
渡邊:この作品は、山口百恵さんが引退することを受けて、最後の主演映画として撮られたもの。百恵さんは、初主演作品が『伊豆の踊子』だったので、最後も川端康成の小説を映画にしようということで『古都』が選ばれたんだそうです。
高見:よく調べたね!
渡邊:さっき教えてもらいました(笑)
高見:なんだー!(笑)
渡邊:『古都』をベースにした映画は、これまで3回制作されていて、最近だと松雪泰子さん主演で設定を現代にして、原作のその後を描いたものや、山口百恵さんが演じる前は、岩下志麻さん主演で映画化されて、アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたんですよ。
高見:それもさっき聞いたの?
渡邊:はい(笑)
高見:やっぱりー(笑)
渡邊:映画は正直詳しくなくて、知識もあまり無いんだけど、この作品を観て思ったことは、ただ、ひとつの物語ではなく、人生を描いた作品なんだなって思いました。
高見:ほうほう。
渡邊:双子であったことが分かって、姉の千恵子ちゃんは妹の苗子ちゃんに一緒に住もうと持ちかけるのね。
高見:本当の姉妹だしね。
渡邊:だけど苗子ちゃんは、身分が違いすぎて、迷惑をかけたくないといって断るの。物語としては、一緒に住むほうが綺麗に終わるんだけど、決してそうはならない。でもそれでいんだなって、人生なんて上手くいかないことばかりだし。
高見:17歳にして、それを言うのか(笑)
渡邊:終わり方に少しモヤッとするかもしれないけど、人の生き様を描いている作品として、とても良い作品だなと思いました。以上、今回の授業はこれまで!
高見:ありがとうございました!
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『古都』ちょびっと補足
市川崑監督作品『古都』は1980年12月6日に公開されました。そのおよそ半月前の11月19日に山口百恵は三浦友和と結婚し、芸能界を引退。その後は原則的にメディアに露出することを拒否し続け、それもまた彼女を永遠のアイドルとして伝説化させることにもなっています。
実はこの企画で本作が渡邊先生からチョイスされたと聞いたときは、「え、これって文芸映画では?」と思ったのですが、よくよく考えると山口百恵の映画初主演作は同じ川端康成・原作の『伊豆の踊子』(1974)なわけですから、あちらはアイドル映画でこちらは文芸映画という括りもおかしいというか、どちらも同じ永遠のアイドルが主演した映画。そもそもそういった分け方そのものが不毛なのだなと、ベビレのみなさんに改めて教えられた感もあります。
映画そのものは、ちょうど市川監督が『犬神家の一族』(1976)をはじめとする横溝正史シリーズ全5作を撮り終えた後だったこともあり、シリーズのスタッフを再結集してノスタルジックな日本情緒を醸し出しながら、生き別れになった双子の姉妹の再会と別れを切なく描き得ています。
ちなみに1970年代のアイドル映画は全般的に文芸小説のリメイクものや漫画原作ものといったイメージが強いのですが、70年代最大のアイドルであり歌姫であり映画スターでもあった山口百恵は圧倒的に文芸小説路線を邁進し(主演映画13作の中でオリジナルは2本)、正月と夏休み映画の顔となっていきましたが、その過程で相手役の三浦友和と交際するようになっていったのでした。
(by増當竜也)
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出演:ベイビーレイズJAPAN 渡邊璃生&高見奈央
企画・構成 黒宮丈治/写真・HIRO SATO/監修・増當竜也
※ベイビーレイズJAPANAのニワカ自己見は、今回で最終回となります。連載を応援してくださった皆様、ありがとうございました!
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