異次元のオラオラ俺様系ヒーロー『仮面ライダーカブト』【篠宮暁の特撮辞典・第4回】
仮面ライダー35周年作品『仮面ライダーカブト』
2016年に生誕45周年を迎えた「仮面ライダー」ですが、35周年の時に生まれたのが『仮面ライダーカブト』です。
久々の昆虫モチーフで、“王道ここに在り”のフォルムは、特撮ファンを喜ばせました。
「キャストオフ」という、最初ゴツくて、いわば脱皮してスマートになるシステムも沸かせてくれました。カブトはとにかく強いです。全然やられません。
カブトのライダーキックも独特で、普通はジャンプしてキック、というのがセオリーなんですが、カブトのライダーキックは、敵を背にしてギリギリまで近づいてきたところを回し蹴り一発。そのベルトさばきもかっこよくて、僕もやってみようと、当時おもちゃで何回も真似しすぎて、ベルトを壊すほどでした。
史上最もカッコイイ主役・天道総司
そんな『仮面ライダーカブト』の戦闘シーンで、是非見てもらいたいのが「クロックアップ」のシーン。
カブトは超高速で動く敵に対し、「クロックアップ」することで、自らも超高速で動き、闘うんですが、その描写がとても綺麗で、降ってる雨や動いてる車がスーパースローになったりするんです。その映像は、本当に見応えがあります。
戦闘シーンも素晴らしいんですが、カブトの魅力はなんといっても、水嶋ヒロさんを思う存分堪能できるところでしょう。
水嶋ヒロさんの代表作と言えば、女性ならドラマ『メイちゃんの執事』や『花ざかりの君たちへ~イケメンパラダイス~』、男性なら映画『BECK』や『ドロップ』をあげる方が多いかと思いますが、僕は断然『仮面ライダーカブト』です。
水嶋ヒロさんの魅力が一番出てる作品だと、個人的には思ってます。
とにかくカッコイイ。
水嶋ヒロさん演じる天道総司は、仮面ライダー史上、最もカッコイイ主役と言っても過言ではないでしょう。では、どのあたりがカッコイイのか。
オラオラ俺様系の水嶋ヒロ
主人公・天道総司の決まり台詞は「天の道を往き全てを司る男」。そんなことを自分で言ってしまう、オラオラ俺様系。
かなりの頻度で出てくる「天道語録」というものがあり、毎回「おばあちゃんが言っていた」というセリフから始まるんですが、いくつかご紹介すると…
「食べるという字は人が良くなると書く」
「食事は一期一会、毎回毎回を大事にしろ」
といった、本当におばあちゃんの小言のようなものはいいんですが、物語の後半では…
「俺の進化は光より速い。全宇宙の何者も俺の進化にはついてこれない」
「俺は世界の中心。ならば世界は俺が救ってやる」
と、本当におばあちゃん言うとんのかい!と、つっこみたくなるほど、俺様要素がどんどん濃くなり、最終的に…
「正義とは俺自身。俺が正義だ」
カ、カ、カッコイイ!!
思い切りがイイ!!
文字で見ると、かなりクサい台詞なのに、水嶋ヒロさんが言うとクサみがなんとゼロ。いくらでも聞いてられるんです。
他にも語録は山ほど出てきますんで、そこも楽しみにして見ていただきたいと思います。見終わった時には、水嶋ヒロさんではなく水嶋HEROになってること間違いなし!
ちなみに、渋谷に隕石が落ちて始まるSF的ストーリーで、特撮に興味がなくても、1話目からハマる人多し!
あと、プロレスラーの棚橋弘至さんのポーズは、カブトからきてるとのこと。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。