映画コラム
濃密な濡れ場を披露する“僕の青春ハルベリー”
濃密な濡れ場を披露する“僕の青春ハルベリー”
Photo via VisualHunt
僕の青春ハルベリー。
海外の映画の濡れ場を紹介する今月。
どうもピーマンズスタンダード南川です。
前回はペドゥナを紹介し、なんとなく「海外の濡れ場・・・?」的な空気をコラム全体に醸し出しました。
申し訳なく思ってます。
今回は濡れ場が好きなら必ず観てるでしょう。懐かしの映画。
『チョコレート』です。
マーク・フォースター監督作品。ハル・ベリー主演2001年のアメリカ映画。
黒人女性と白人男性の交流と人種への偏見問題も孕んだ恋愛をシビアに描いたドラマ。
死刑囚の夫、過食症の子供持つ妻役にハルベリー。
夫が死刑にされ、子供もひき逃げされ、貧困、差別、日本人にはそこまでリアルでないアメリカの底辺の黒人女性をリアルに演じる。
もう悲壮感しかなし、顔の疲れも尋常じゃない。
X-MENやキャットウーマンの面影ゼロ。
そしてハルベリーの夫を死刑にする刑務官役にビリー・ボブ・ソーントン
父、自分、息子3代に渡って刑務官の家系。
父親は黒人を差別し、自分もそんな父親に影響を受ける刑務官。
息子はそんな父との関係を悲観し自殺。
これもアメリカならではの白人至上主義の父の抑圧がかかった家庭の暗い雰囲気。
顔の皺深め。バッドサンタの面影ゼロ。
そう。
もう基本ふんだりけったり。
もうずっと重い空気。ハルベリーは悲運でヒステリーで息子に手は上げるし、幸薄いし、
ビリーも基本暗いし、息子死ぬし、この世の負債全部被ったような二人。
そんな負の連鎖の中、急な濡れ場。
いや、負の連鎖だからこそ、急な濡れ場。
だからこそ盛り上がる濡れ場。
お互いの不運を悲運をこれでもかとばかりに相手の肌に埋め合わせを求める。
ハルベリーがアカデミー級のおっぱいを惜しげもなく披露し、「私を女にして!」と上になる。濃密な濡れ場。ビリーも「こんなに良かったのは初めてだ・・」とか言っちゃう。
個人的には外国人の濡れ場って日本人の僕にはそこまでリアリティ無い。
AVはもっぱら邦画の素人ナンパものなんだけども、こんなに臨場感、情念がこもった濡れ場はなかなかない。(AVと一緒にするなよ)
だからこそ事前に「濡れ場」がある事を知っていて良かった。
(原題だと『MONSTERS BALL』というタイトルである)
当時アカデミー賞主演女優賞を獲った作品という硬派な理由とあのハルベリーの巨乳が観れるという邪な理由があって、前者の理由のふりして下半身に後者を隠して映画館に行ったもの。
もし知らずに行ったら、とんでもなかった。
急な濡れ場に自分の感情の行き場がどうなったわからない。それくらいの濡れ場への持って行き方の破壊力凄かった。
そして大人になった今、改めてもう1度「チョコレート」を観たらまた違った視点で観れる。当時より濡れ場を落ち着いて観れた分アメリカの人種差別が絡んだストーリーの奥深さにあっという間の時間だった。(情けない)
何よりもハルベリーの器。
ゴールデンラズベリー賞(キャットウーマンで最低女優賞)でわざわざ出かけ自身のアカデミー賞のセルフパロディのスピーチをする懐の深さとユニークさ。
そんな女優の濡れ場、絶対観るべきである。
■「濡れ話」をもっと読みたい方は、こちら
■同ジャンルの記事をもっと読みたい方は、こちら
(文:南川聡史)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。