乃木坂46 能條愛未 映画『悪人』を語る
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今週の乃木坂週刊映画は、既にソフト化されている映画をご紹介。妻夫木聡さん、深津絵里さんらが出演した『悪人』について語って頂きました。
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映画『悪人』作品概要
芥川賞作家・吉田修一の最高傑作を、李相日監督が渾身の映画化。主演の深津絵里がモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞、作品も2010年度キネマ旬報ベストテン第1位に選ばれた傑作。
ひとつの殺人事件。殺した男と愛した女。引き裂かれた家族。さまざまな視点から事件の真相が明らかになるにつれ、観る者に「いったい誰が本当の“悪人”なのか」を問う。悪意にまみれたこの現代で、ひとは何にすがって生きれば良いのか。人間の善悪を深くえぐる演出と豪華キャストによる究極のヒューマンドラマ。(C)2010 「悪人」製作委員会
妻夫木さんがどんな“悪人”なのか気になっていた
映画『悪人』を見るに当って、原作を読んだり、ストーリーの詳細を調べたりはしませんでした。
予告編は以前見た記憶があって、妻夫木さん演じる清水祐一が人を殺してしまったということは知っていました。そして深津絵里さんが演じる馬込光代と愛し合う関係になって、そこから苦しい恋愛が進んでいくのかなと何となく想像をしていました。
清水祐一は人を殺しているので、“いったい妻夫木さんはどれだけの悪人を演じていらっしゃるのだろう”という期待も合わせて持っていました。妻夫木さん自身から悪人ぽさを感じないので演技の面でどういう雰囲気なのかということもあってです。
結果として良い意味であらゆる予想が裏切られ、心にいつまでも残る、物語を考え続ける作品でした。
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清水は本当に“悪人”なのだろうか?
清水は人を殺しています。つまり犯罪者です。
しかし、私はなぜか清水が悪人とは全く思わないのです。
どんな理由があれど人を殺せば犯罪者であり悪人なわけです。なのにそうは思わない。これは完全に矛盾しているのですが、そう思ってしまうのです。
おそらく清水の境遇に同情心が沸いたことや、周囲の人間の方が余程悪人に見えたからなのでしょう。
清水や馬込以外の登場人物たちの方が悪人気質なんです。特に岡田将生さん演じる増尾圭吾は本当に最低な人物だと思いました。爽やかな役を演じることも多い岡田さんで、この映画でもビジュアルは変わらないのですが、その役に憎悪を感じるほど悪どい役になりきっていました。
みなさんも映画を見た後で「清水は本当に悪人なのか?」「本当の悪人は誰なのだろう?」と考えながら見ていただきたいです。
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満島ひかりさん演じる石橋の凄まじさ
最も印象に残った役は満島ひかりさんが演じた石橋佳乃です。
石橋佳乃は、自分が空気の読めない発言をしていることに気づかない自信過剰な女性。
思わず苦笑いしながら「こういう人いるなあ…」なんて思ってしまいました。
一方的に喋り続けたり、的外れなことを言ったり。言い換えるなら“ウザい”人なんです。
私は満島ひかりさんの演技が大好きで憧れる女優さんの一人です。『愛のむき出し』をはじめとして様々な表情を今まで拝見させて頂いています。その中でも今回の演技は群を抜いて“ウザい”人だったなと思います。
「役によってこうも変わるのか!」と思わせる演技にとても憧れるので、演技をする身としてとても勉強にもなりました。
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樹木希林さんへの憧れ
憧れという意味ではもっと上に樹木希林さんがいます。(『悪人』では清水房江を演じられています)
様々な作品で名演技をされておられるので、作品をどれか上げて語るなんておこがましくてできないほどです。
樹木希林さんの演技はどれも本当に凄い演技なのですが、どれも“演技をしている”と思わせないんです。これは演じるを通り越してその人物になりきっていて、映画に完全に溶け込んでいるからこそ感じるものなのだと思います。
唯一無二の役どころを演じられることの多い樹木希林さん。私自身も王道の女優さんというより、個性派と呼ばれる唯一無二の女優さんになりたく、本当に目指すことすらおこがましいですが、いつか樹木希林さんみたいになれるように頑張らなきゃなと改めて思いました。
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終わりに
映画『悪人』は私たちの様々な価値観を揺さぶる凄まじい力のある作品でした。
決して軽い作品ではなく、“おもしろい”という作品でもありません。“重い作品”という言葉が相応しいとすら思います。
それでも人の善悪を描いているので、全ての人に見てほしいなと思える映画です。
既にDVDなどが発売されている作品なので、是非みなさんチェックをしてみてくださいね。
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(取材・構成:シネマズ編集部/撮影:HITOMI KAMATA)
能條愛未 プロフィール(Ami Noujo Profile)
能條愛未
1994年10月18日 神奈川県生まれ 血液型 A型
乃木坂46 一期生メンバー
月に10本は必ず見るというほどの映画好き。
映画、舞台と女優としての活動の場をひろげるほか、バラエティーでも持ち前のセンスで活躍中。
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