映画コラム
号泣!『サウスポー』で王道ストーリーの偉大さを痛感!
号泣!『サウスポー』で王道ストーリーの偉大さを痛感!
ボクシング映画の王道『サウスポー』
(C)2015 The Weinstein Company LLC. All Rights Reserved.
男というのはヤクザ映画観た後はヤクザに憧れるし、超能力の映画観たら「自分にも、もしかしたら・・」そんな勝手な感情移入するもの…。
何よりも顕著なのが、やはりボクシング映画。
劇場から出てくる男がシャドーしちゃうなんて、よくある話。
そう。今回紹介する、心震えた映画は
『サウスポー』
『トレーニング デイ』などを手がけたアントワン・フークア監督作品。主演はジェイク・ギレンホールで、ボクシング元世界チャンピオンの再起と家族の絆を描いている。
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怒りをエネルギーに相手を倒すというスタイルで、ボクシング世界チャンピオンにまで上り詰めたビリー・ホープ。しかし、自身が起こした乱闘騒ぎの結果、妻を死なせてしまい、さらにはボクサーライセンスまで剥奪されてしまう。
失意のどん底にあったビリーだったが、育ての親であるトレーナー・ディックの元を訪れ、過去の自分と向き合いながら、再びリングへ上がる道を模索していく。
主人公を演じるギレンホールは、本作出演のために6カ月におよぶトレーニングによりボクサー体型を作り上げたという。さらに、フォレスト・ウィテカー、レイチェル・マクアダムスらが脇を固めている。
先日、ボクシングの世紀の一戦でメイウェザーと戦ったUFCのスター選手のマクレガーが、今回の主人公に似てる気がする。
デビュー前は生活保護を受けるような生活だったが、今や長者でインスタではめちゃくちゃバブリーな生活を世界に配信してたり、試合前は相手を挑発したり、見た目だったり、結構共通点ある。
『サウスポー』はベタの凄みを教えてくれた作品
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肝心の内容についてはめちゃめちゃざっくり言えば、いわゆるボクシング映画によくある「強い→負ける→奮起→勝つ」みたいな流れ。
なんだよ。単純じゃないか?
そう思う方いらっしゃると思います。
そうなんです。超王道なんです。
嫌な言い方すれば「超絶ベタ」。
しかし、僕が感動したのはぶっちゃけそこ。
だってジェイク・ギレンホールが主役ですよ。(真偽はわからんが当初エミネムだったという話も・・・)
監督ならば斜に構えた、構造に一手加えた、批評家がうなるような作りの映画を撮りたい。
そう思っちゃうと思うんです。(勝手なイメージやけど・・・)
しかし違う。ボクシング映画のど真ん中をひた走るストーリー。そして、そこには親子愛や超どん底感や人間的な成長が、濃く濃く乗っかってくる。
最初はすぐ怒りに満ちたり、成金のようなジェイク演じる主人公に「なんでやねん。」と思いながらも、どんどん自分を重ね合わせるくらい映画に入り込んでしまう。
「怒り」が、いかに自分を破滅させるか教えてくれる。
そしてオチだってわかってる。そりゃ「勝つ」の一択。
こんな事言いたくない。こんなコラム書いてて、こんな野暮な事言いたくないんですが言わせてください。
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そりゃ「勝つ」のわかってた。いや全員わかってる。
オチも娘との行方も分かってながらも、ここまで心を打つ作品になるという事に心揺れた。
ベタの威力。王道の凄み。横道無しの一直線で心に来た。
恥じました。
「好きな映画は?」と聞かれて、難解な映画を答えようとしていた自分を恥じた。
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あと奥様役の女優、レイチェル・マクアダムスが綺麗。
「濡れ場あるかな?」なんて思ってしまった自分も恥じました。
当時、新宿の映画館でひとりで観て、ひとりで号泣して、泣き疲れてトイレでおしっこをしていた。
ふと横を観ると、たまたま同じ回を観ていた芸人、ラブレターズ塚本君が目を赤くしてこっちを見てる。
目が合う。何も話さない。おしっこは出たまま。
お互い、うなづきながら
「良い映画だったね~」
「そうですね・・めっちゃよかったです・・・」
と心で会話し、そのまま各々帰る。
感動。充実。爽快感。シンプルで、かつ王道なストーリーの偉大さを改めて痛感させられた作品。
観てない方は是非。
(文:南川聡史)
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