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2017年10月24日

『バトルフィーバーJ』戦隊ロボの元祖は戦国武将風!【篠宮暁の特撮辞典・第33回】

『バトルフィーバーJ』戦隊ロボの元祖は戦国武将風!【篠宮暁の特撮辞典・第33回】

バトルフィーバーJ Vol.1 [DVD]



■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典

スーパー戦隊シリーズで初登場の巨大ロボ


スーパー戦隊のイメージは何ですか、と特撮を全然知らない人に聞いた場合、1番目に出てくるのは5色の5人組といったところでしょう。

そして2番目に出てくるのは巨大ロボになるかと思うのですが、この巨大ロボがシリーズで初めて登場したのが『バトルフィーバーJ』です。

戦隊の元祖が『秘密戦隊ゴレンジャー』だということは、今や日本人の常識となったわけですが、その「ゴレンジャー」には巨大ロボは出てきません。

この『バトルフィーバーJ』からなのです。もっというと、僕が子どもの頃はスーパー戦隊の定義がまだ不確かだったのか、石ノ森先生原作の「ゴレンジャー」や『ジャッカー電撃隊』は戦隊シリーズの中には入っておらず、『バトルフィーバーJ』がスーパー戦隊シリーズの第1作目とされていました。

チームヒーローと巨大ロボは、この作品でマストのワンセットとなり、『バトルフィーバーJ』が切り開いた王道のフォーマットは、40年近く経った現在でもしっかりと継承されています。

まるで戦国武将!? 迫力ある存在感に圧倒


ロボット大空中戦



『バトルフィーバーJ』のロボ・バトルフィーバーロボは、バトルシャークという戦闘母艦に収容されています。それも、折り曲げていたり、上半身下半身を分離していたりではなく、ただただ直立不動のバトルフィーバーロボが収容されているのです。

以後のシリーズで、ロボが変形したり合体したりと発展していくのですが、バトルフィーバーロボにはそんな要素は一切なく、ストレートにロボの魅力を味わえます。

バトルシャークからの登場シーンは、CGでは絶対に表現できない独特の感じがあってとても好きです。ロボのデザインも秀逸。その姿はまるで戦国武将のような出で立ちで、赤と黒でまとめられたボディカラーもとても美しく、変形や合体をせずとも迫力ある存在感で圧倒されてしまいます。

戦闘母艦バトルシャークが、海底基地から発進する特撮も見どころです。最近はあまり見なくなりましたが、この戦闘母艦も初期のスーパー戦隊シリーズには欠かせない要素。その1発目の船出を、しかと目に焼き付けていただきたいです。

金の卵と目玉焼き



あと、もしよければ合わせて知っておいていただきたいのですが、バトルフィーバーロボは確かに戦隊ロボの元祖なのですが、ロボ戦の下敷きを作ったのは『バトルフィーバーJ』ではないのです。

そのヒーローは「スパイダーマン」。

そうです、あのスパイダーマンなのです。

が、アメリカ版ではなく、実は東映制作の『スパイダーマン』というのが、『バトルフィーバーJ』が始まる1年前くらいにありまして、このスパイダーマンはなんと巨大ロボ・レオパルドンに乗るのです。これがスーパー戦隊のロボ戦の下敷き、ひいてはスーパー戦隊作品全体の下敷きを作ったと言われています。

この話はまたいずれさせてください。

今のスーパー戦隊では考えられない名シーンも!


コサック愛に死す



ストーリーも、ロボに負けない仕上がりになっています。いまだに語り継がれるシリーズ屈指の名シーン、バトルコサックこと白石謙作が死んでしまうシーンは必見です。

今のスーパー戦隊では考えられないシーンですが、『バトルフィーバーJ』では全然浮いていない。決してツッコまないでください。ツッコむのは野暮です。見たらわかります。

スーパー戦隊シリーズの、華麗なるも険しいフィバらの道はこの作品から! 

是非見てください。

ペット誘拐大事件



バトルケニアの曙四郎を、ギャバンの大葉健二さんが演じられているんですが、『宇宙刑事ギャバン』より前の作品ということもあってか、少し初々しく見えるところも好きです。そして2代目コサックには『人造人間キカイダー』の伴さんが!

『バトルフィーバーJ』って豪華やな。

(文:オジンオズボーン・篠宮暁)

※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです

以前の記事はこちらから

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!

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