映画コラム

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2017年10月28日

満足度99%!低予算映画『ゲット・アウト』がアメリカでNo.1大ヒットになった4つのワケ

満足度99%!低予算映画『ゲット・アウト』がアメリカでNo.1大ヒットになった4つのワケ

ついに日本公開となった『ゲット・アウト』ですが、ハリウッド大作でも有名なアカデミー俳優が出ているわけでもないのに、米映画評価サイトでは満足度99%という評価を受けている映画なんです。




(C) 2017 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved


『オズの魔法使い』、『E.T.』、『ゴッドファーザー』など、ハリウッドの名作が名を連ねる99%評価作品群に入り込んできた、低予算映画。しかも、監督デビュー映画でもある『ゲット・アウト』。

一体どんな映画か気になりますよね。ネタバレなしでご紹介したいと思います。



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アフリカ系アメリカ人のクリスが、恋人・ローズの実家へ行くことになるところから、この映画は始まります。ローズは白人で、彼女の家族もみんな白人。クリスは「家族は僕が黒人って知ってる?」と大緊張。

そんな心配をよそに、ローズの家族はクリスを暖かく迎えてくれます。でもクリスには気になることが。ローズの実家では黒人の使用人を2人雇っているのです。しかもなんだかこの2人の様子が変。ここからこの映画のすごみがじわじわスタートします。

どうして『ゲット・アウト』がアメリカで観客の心を掴んだのか、まとめてみようと思います。

1.ホラーなの? コメディなの?




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予告編では怖さ満載のホラー映画のように見えますが、実際は「ここ、笑っていいんだよね?」というコメディ要素が最初から最後まで散りばめられているんです。

「彼氏を家族に紹介…でも問題勃発!」というアメリカ映画でありがちな設定でスタートしながらも、ちらちら出てくる怖さによって、観客はどういう心の準備をしていいんだかわからない状態になります。

ホラーなの? はたまたコメディなの? と、怖がる準備をすべきなのか、笑う準備をすべきなのか、心が惑わされまくります。

2.とにかくメイドのおばさんが激コワ




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前途したように、ローズの家では使用人のおばさんとおじさんがいます。2人とも黒人です。明るく始まったクリスとローズの家族との挨拶から一転、メイドのおばさんが出てきた途端「こ、これはやっぱりホラー映画だ」とハッとさせられます。このおばさんの所作がすべて激コワなんです。

ついでに言うと、おじさんのほうも違った種類の怖さで震わせてきます。おじさんは真夜中の庭で、バスケ部の練習かと思うような猛ダッシュをしています。この不気味すぎる2人が、ものすごい勢いで観客をホラー側の世界に連れて行きます。

3.全く予想のつかない奇想天外な展開




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ホラー映画なのか、コメディ映画なのか心を決められないままでいると、この映画、さらに攻めてきます。

SFなの? サスペンスなの? サイコなの? と、ぐるんぐるん回るジャンルにジェットコースターに乗っているかのような、変なアドレナリンが出てきます。

ジャンルがわからない、話筋も見えないストーリー展開と、さらに「あるどんでん返しの秘密」が明かされたあとの豪雨が降り注ぐかのようなサイコな展開が見ものです。

4.黒人問題についても考えさせられる




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予告編などを全く見ないで『ゲット・アウト』を見始めると、なんとなく黒人差別の問題提起なのかなと思ってしまうんですが、ホラーやサイコ、コメディが入り乱れ、見えないストーリー展開で観客は頭がいっぱいになってしまいます。でもやっぱり黒人差別問題というのは核にあるので、シリアスに考えさせられる部分もある映画です。

まとめ




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有名なハリウッド俳優も出ていないのに、アメリカで大ヒットした『ゲット・アウト』。

予想しない行動をする人から目が離せないのと同じで、本作もとにかく観客の気持ちを安定させてくれない、何が起こるのかわからなすぎる展開と、一言では縛れないジャンルにアメリカのみなさんは魅了されたんではないでしょうか。

そして自分の口からネタバレを言っても全然伝わらないので、「おもしろいから、とにかく見てみて」と口コミで広がったんでしょうね。さて日本ではどんな評価を受けるか楽しみです。

(文:岩田リョウコ)

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