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東映特撮をサブタイトルから読み解く。4年連続で使われた衝撃のワードとは?
東映特撮をサブタイトルから読み解く。4年連続で使われた衝撃のワードとは?
■オジンオズボーンオジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会
特撮に限らずドラマを見るとき、みなさんはどこに注目して見ていますか?
最も多いのはストーリーの面白さかと思われます。ほかには好きな出演者だったり、綺麗なロケ地だったり、盛り上がる劇中曲といったところでしょうか。
僕が特撮を見るときに注目しているのは、ずばりサブタイトルです。
その回の肝となる部分を、短いテキストにギュッと込めているところに感動することも多いですし、脚本家さんの熱を感じ取ることができる材料のひとつだと思っています。
子供の頃は特に気にしていなかったサブタイトルなんですが、1年を通してサブタイトルの書き方が統一されている作品が2000年以降増えてきまして、それが作品の空気感や色合いを演出するのに一役買っています。
作品のカラーを象徴するサブタイトルをピックアップ
僕がサブタイトルを強烈に意識させられたのは、やはり『仮面ライダークウガ』の漢字2文字で統一したサブタイトルです。
EPISODE1の「復活」から始まり、最終話手前ではクウガを漢字にした「空我」、そして最終話には主人公・五代雄介から取って「雄介」。
しびれる。
この漢字二文字タイトルは今までの仮面ライダーと明らかに違うと感じましたし、えらく大人な感じがしたのを覚えています。
漢字と言えば『侍戦隊シンケンジャー』もそうです。
「伊達姿五侍」や「極付粋合体」など、漢字を使ったサブタイトルが和風の世界観を演出する役割を担っています。
ちなみに現在放送中の『仮面ライダービルド』は、「ベストマッチな奴ら」や「無実のランナウェイ」など、必ずカタカナを入れるかたちで統一。
まだ興奮が冷めない、先日まで放送していた『仮面ライダーエグゼイド』は、「I'm a 仮面ライダー!」や「暴かれしtruth!」など、必ず英語を入れるというかたちで統一されております。
余談ですが僕が「エグゼイド」のサブタイトルでいちばん好きなのは、第7話「Some lieの極意!」です。
仮面ライダーレーザーターボ/九条貴利矢(演・小野塚勇人)の活躍回なんですが、当初のいくつもの嘘のつき合いとレーザーが“ギリギリチャンバラ”というガシャットでレベル3になるということで、“侍”もかかっている秀逸なサブタイトルです。
次は昭和もみてみましょう。
まずは戦隊の元祖『秘密戦隊ゴレンジャー』ですが、「ゴレンジャー」のサブタイトルも、なんと統一されています。
「真赤な太陽!無敵ゴレンジャー」や「黒の鉄人死す!さらばバリブルーン」、「桃色のKOパンチ!エンドボール勝負」など、ひと目でわかる通り、色で統一されています。
そのなかでも、重要な回やストーリーの展開がググッと動く時には、サブタイトルに「真赤」というフレーズが使われることが多いです。
そして『仮面ライダー』。
基本的に怪人の名前がサブタイトルに入ってるんですが、とにかく怖さをあおるタイトルが多いです。
「恐怖蜘蛛男」をはじめ、「恐怖コブラ男」「恐怖のあり地獄」など、『仮面ライダー』には、“恐怖”というワードがつくサブタイトルが10話、昭和シリーズ全体を見てみるとRXまでで30話もありました。
恐怖の次に多いのが、“怪奇”というワード。
あとは、敵の作戦がそのままサブタイトルになるパターンも結構あります。
『仮面ライダーX』第6話「日本列島ズタズタ作戦!」
『仮面ライダーアマゾン』第17話「富士山大爆発?東京フライパン作戦!」
『仮面ライダースーパー1』第36話「ハサミ怪人のチョキンチョキン作戦!!」
などなど。
そのあたりもぜひ一度注目して見てみてください。
子供の頃はサブタイトルをなんとなくで見てましたが、それでも
『地球戦隊ファイブマン』第32話の「学、死す!」
『鳥人戦隊ジェットマン』第18話「凱、死す!」
『恐竜戦隊ジュウレンジャー』第42話「ブライ死す…」
を予告で見た衝撃は、大人になった今も覚えています。
ってか3年連続で、サブタイトルに“死す”ってワード使ってたんやな。
いや、『五星戦隊ダイレンジャー』で「道士死す」ってのあったから、4年連続やないかい!
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
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