特撮“総集編”の神回5選『年末年始の恒例 総集編』【篠宮暁の特撮辞典・第48回】



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■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典

年末年始ならではの特別感


特撮作品は年末年始の放送で、いつからか総集編的なものをやるようになっていました。

もちろん、全ての作品でやるわけではないのですが、スーパー戦隊シリーズではかなりの確率で総集編エピソードが作られます。その総集編も見せかたはさまざまで、ストーリーに差し支えない感じの切り貼り的なものから、ストーリーと総集編を見事に絡ませたもの、総集編なのに、次の展開への伏線をしっかり張っているものなどがあります。

僕にとっての総集編は正直、「早く次の展開を見せてくれよ」といった感じで、あまりいい印象はありませんでしたが、改めて見直してみると「よくここまでまとめているなぁ」と唸るものもたくさんありました。

作品を見たことない人でも、空気感がしっかりと詰められていて、ざっくりとどんな作品かがわかったり、数年経ってから総集編を見返した人も「そうそう、このテイストだったね」「もう一回最初から見てみよう」となったり、実はいいことづくめなのです。

そんな数ある総集編のなかから、傑作を紹介させていただきます。

傑作総集編 3選


第44話「お気楽! 健太の年越し騒動」


まずは、『電磁戦隊メガレンジャー』の第44話「お気楽! 健太の年越し騒動」。僕の記憶が正しければ、シリーズ中で、総集編を放送した最初の作品だったと思います。

メガレッドの健太が年賀状を作ろうと、メガレンジャーの装備で写真を撮っている際に、変身ブレスレット、デジタイザーを失くしてしまう話です。
デジタイザーで初めてメガレンジャーになった時の回想や、デジタイザーがないと戦えない、ロボに乗れないとなった流れで、今までのロボの活躍を振り返ったりと、総集編らしい総集編となっています。健太のおなじみのお馬鹿さが堪能できるからか、飽きることなく見ることができます。

慌てん坊忍者



次は『海賊戦隊ゴーカイジャー』の第45話の「慌てん坊忍者」。

これはスーパー戦隊の総集編回のなかで、ナンバーワンの出来だと僕は思っています。

「ゴーカイジャー」といえば、過去のレジェンド戦隊に変身できることが特徴の戦士なのですが、この総集編回では変身した全てのスーパー戦隊を一気に見ることができます。

さらに巨大ロボ、ゴーカイオーをレジェンド戦隊の大いなる力で、パワーアップさせた姿も一気にみせ、さらにさらに「ゴーカイジャー」にゲスト出演したキャストも一気に見せてくれるという超豪華回、箱パンパンのお歳暮をもらったような回でした。

しかも、『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャマンが17年ぶりに登場し、ストーリーもしっかりしているわ、次の回への布石にもちゃんとなっているわで、特撮ファンを唸らせました。

これだけでも充分なのにレンジャーキーをニンジャマンに説明するシーンで、『百獣戦隊ガオレンジャー』のガオレッド、『炎神戦隊ゴーオンジャー』のゴーオンブルー、『超獣戦隊ライブマン』のイエローライオン、『五星戦隊ダイレンジャー』のシシレンジャー、『星獣戦隊ギンガマン』のギンガレッド、『天装戦隊ゴセイジャー』のゴセイナイトという、ライオンヒーローくくりでゴーカイチェンジ(変身)した時には感激しすぎて涙が出るほどでした。

仮面ライダークウガ 新春スペシャル [DVD]



ライダーでは意外と総集編は少ないのですが、『仮面ライダークウガ』新春スペシャルの「初夢」は、「クウガ」をしっかりと振り返ることができる傑作回です。

しかし、ライダーで最も傑作だと思う総集編的回は『仮面ライダー龍騎』の28話「タイムベント」です。

仮面ライダーオーディンというライダーと戦う回なのですが、このオーディンは時間を巻き戻すことができる最強のライダーで、こんな敵とどうやって戦うのかというピンチに、映画『メメント』ばりの演出で、オーディンに一発くらわせるシーンはかなり熱いシーンでした。

このオーディンが時間を巻き戻す際に、龍騎の活躍を振り返ることができます。

初心者OK! スーパー戦隊自体の総集編


スーパー戦隊大集合


特撮初心者の人には、『高速戦隊ターボレンジャー』の第1話「10大戦隊集合 頼むぞ! ターボレンジャー」と『未来戦隊タイムレンジャー』の51話「スーパー戦隊大集合」をオススメします。この総集編は、スーパー戦隊ヒーロー自体の総集編で、それまでに活躍したヒーローをしっかりまとめてくれています。

全く知らない人も楽しめるし、お子さんがいる人は「パパが小さい頃は、これとこれを見ていたんだよ」と教えてあげるのに最適なものとなっています。

10大戦隊大集合 頼むぞ!ターボレンジャー



僕は6歳のときに「ターボレンジャー」の1話を見ているのですが、この回をビデオで擦り切れるほど見て、過去のスーパー戦隊を勉強したことが、いまだに特撮を好きでいさせてくれる要因のひとつになっている気がします。

早春に総集編を家族でどうぞ。

(文:オジンオズボーン・篠宮暁)

※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです

以前の記事はこちらから

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!

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