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2017年12月27日

黒澤明を尊敬!次回作は日本で撮影!?「バーフバリ」ラージャマウリ監督インタビュー

黒澤明を尊敬!次回作は日本で撮影!?「バーフバリ」ラージャマウリ監督インタビュー

12月29日(金)より公開の映画『バーフバリ 王の凱旋』のS.S.ラージャマウリ監督のインタビューとメイキング写真が到着。シネマズでは先行解禁でご紹介する。





このニュースのポイント

・『バーフバリ 王の凱旋』初出しのメイキング写真と監督インタビューが到着

・監督は日本での撮影にも意欲的

・『バーフバリ 王の凱旋』は12月29日(金)より公開

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『バーフバリ 王の凱旋』S.S.ラージャマウリ監督インタビュー





──『バーフバリ』2部作というインド映画の歴史に残る巨大な企画の発端と、製作プロセスについてお聞かせください。

S.S.ラージャマウリ(以下、SSR):私は幼い頃からアマール・チートラ・カータ社が出している子供向けのインド神話のコミックに夢中でした。そうした影響からか、映画監督になって以来、私は常にインド神話的な英雄物語を作りたいと思っていました。

10年ほど前、私の父(本作の原案者V.ヴィジャエーンドラ・プラサード)が最初にシヴァガミのキャラクターに関するアイデアを話してくれました。私はその話にとても興奮しました。父が話してくれたのは映画のファーストシーンにある、シヴァガミが自らの命と引き換えに幼な子を救う感動的な場面でした。

それから、私たちはまず、『バーフバリ』2部作に登場する様々な登場人物を創り出していったんです。そして、その登場人物たちが織り成す壮大な物語を組み立てていきました。製作準備が開始されたのは2012年の年末で、撮影開始は2013年に入ってからでした。




──最初から2部作にする予定だったのでしょうか?

SSR:いいえ、まったくそのつもりはありませんでした。最初は1本の映画にする予定だったのですが、一旦撮影を始めてみると、様々な感情や見せ場が交錯する3代にわたる物語を1本の映画で語りきるのは不可能だと感じ、急遽2部構成に変更しました。

──インド叙事詩「マハーバーラタ」の影響についてお聞かせください。

SSR:先ほども話しましたが、私はいつもインド神話の数々に魅かれてきましたし、私自身も私の作品も当然、その影響を大きく受けています。『バーフバリ』2部作の登場人物の多くは、「マハーバーラタ」の何人かの登場人物の性格や特徴を受け継いでいます。私のすべての作品だけでなく、実際問題、インド人のほとんどが神話の影響を受けていますよ。




──あなたの最近の作品では、デジタルVFXがとても重要となっていますが、今回の企画の実現にVFX技術の進歩は影響していますか?

SSR:デジタル技術の革新は間違いなく今回の企画をより巨大なものにしてくれました。また、インドをはじめ世界各国から最高のVFXのアーティストが参加してくれたことで、『バーフバリ』2部作の完成度は飛躍的に向上しました。

──主人公バーフバリにプラバースをキャスティングした理由を教えてください。

SSR:このキャラクターを演じてもらう俳優とは丸4年間を共に過ごさなければなりませんでした。そのため、よほど気心が知れた俳優でなければうまくいきません。

私とプラバースは11年前の“CHATRAPATHI”で組んで以来、とても友好的な関係を築いてきました。父がバーフバリというキャラクターを話してくれたとき、真っ先に浮かんだのが彼、プラバースだったんです。彼以外には考えられませんでしたし、実際完璧に演じてくれました。




──ヒロインのデーヴァセーナにアヌシュカ・シェッティをキャスティングした理由を教えてください。

SSR:私はアヌシュカの素晴らしいプロフェッショナリズムを常に賞賛しています。彼女はとても責任感があり、全身全霊を込めて映画に取り組みます。『バーフバリ』2部作でも彼女は様々なことにチャンレンジしましたが、それには大変な訓練が必要でした。

でも、彼女は不平も言わず、質問一つもしないでそれをやり遂げました。彼女の適応力と吸収力にはほんとうに驚きました。彼女も私の第一候補にして唯一の存在でした。私にとってデーヴァセーナは彼女以外に考えられませんでした。

──製作過程で最も難しかったことは何だったでしょうか?

SSR:これだけ大規模なプロジェクトですから、これまでの作品に比べて関わっているスタッフの数が格段に違います。特に戦闘シーンや宮殿の群集シーンでは数多くの人が関わってきます。そうした中でベストのショットを撮ることは常にチャレンジングな作業です。




──特に撮影が難しかったシーンを挙げるとどこになるでしょうか?
SSR:すべてが大変だっといっても過言ではないので、ひとつには決められません。しかし、『バーフバリ 伝説誕生』での戦闘シーンは1000人以上のスタッフ、キャストが参加していましたので撮影が本当に大変で、予定のスケジュールをかなりオーバーしてしまいました。

──2部作の中で最も成功したと思えるシーンはどこですか?

SSR:これも、すべてのシーンに全力を注ぎましたのでどれかひとつという訳にはいかないのですが、『バーフバリ 伝説誕生』の後半、カッタッパがシヴドゥがマヘンドラ・バーフバリであることを知り、さらに彼がアマレンドラ・バーフバリを殺害したことを告白する場面での感動的な盛り上がりは、意図した以上の効果をあげることができ、『バーフバリ 王の凱旋』への期待をとても高めてくれました。

──『バーフバリ』2部作を見ると、『十戒』、『ベン・ハー』、『クレオパトラ』、『グラディエーター』、『ローッド・オブ・ザ・リング』、『300』といったハリウッドの歴史超大作の数々が次々とを思い浮かびます。あなたはそれらの映画を意識し、それを超えようと意図しましたか?

SSR:『バーフバリ』は古代の王族と彼らの闘いの物語です。そしてそれらのハリウッド映画もそうです。そのため、キャラクター設定や衣装、そしてそこで繰り広げられる感情などは、まったく違う国の違う物語にもかかわらず、どうしても似てしまいがちです。それは、こうした物語が普遍的で万国共通のテーマを持っていることに他ならないと思います。

私が『バーフバリ』を製作した理由のひとつは、この物語がそうした世界規準の物語だったからです。




──『バーフバリ 王の凱旋』では特に、強い女性キャラクターたちがとても印象的です。

SSR:インド映画には伝統的に強い女性が登場してきましたが、その多くは脇役でした。近年確かに、強い主演級の女性キャラクターが増えてきています。それは観客が求めていることの反映でもあるのです。

──『バーフバリ』2部作は全世界でこれ以上ないというほどの大成功を収めましたが、あなたはそれに満足していますか? それとも何かやリ残したと思うことはありますか?

SSR:確かに、『バーフバリ』2部作は全世界でとても大きな興行的成功と同時に、私たちが期待した以上の観客の皆さんはじめ、批評家からの絶賛をいただきました。多くの皆さんに本当に感謝しています。

しかし、自分の仕事に完全な満足を感じられる映画監督はいないと思います。私は常に、私の映画を通して、私が語る物語をひとりでも多くの人々に伝えられればと考えています。




──あなたは映画製作において、ほとんどの場合ほぼ同じスタッフと仕事をしていますが、あなたが考えるチームワークについてお聞かせください。

SSR:確かに、私は初期の作品からほぼ同じメンバーのチームで仕事をし、成功を収めてきました。彼らとは長い付き合いですから、私が持っているビジョンを的確に伝えやすく、彼らはそれを確実に、そしてスピーディに具現化してくれます。もし、別のスタッフと仕事をするとなると、ひとつひとつにとても時間がかかってしまうと思います。

──あなたの好きな映画監督、または影響を受けた映画監督を教えてください。

SSR:インドでいうとシャンカル監督(『ロボット』)とラージクマール・ヒラニ監督(『きっと、うまくいく』『PK』)、外国ならクリストファー・ノーラン監督(『ダークナイト』『ダンケルク』)ですね。

──あなたの最も好きな映画をいくつかあげてください。

SSR:インド映画だと“MAYABAZAAR”(57年製作のテルグ語神話映画の古典的名作、主演:N.T.ラーマ・ラオ)と『炎』(75年製作のヒンディー語映画、主演:アミターブ・バッチャン、8年間ロングランを続けた伝説の大ヒット作)。外国映画だと『ベン・ハー』と『ライオン・キング』です。

──日本の監督や作品で好きな作品や監督があれば教えてください。

SSR:黒澤明監督をとても尊敬しています。特に『隠し砦の三悪人』、『七人の侍』、『羅生門』が大好きです。

──日本で撮影することに興味はありますか?

SSR:ぜひ撮影してみたいです。とても美しいシーンが撮れると思います。今後の作品でぜひ検討したいと思います。




──最後に、日本の観客の皆さんにメッセージをお願いします。

SSR:『あなたがいてこそ』、『マッキー』、そして『バーフバリ 伝説誕生』をご覧いただき誠にありがとうございます。『バーフバリ 王の凱旋』』はさらに面白く、皆様を間違いなく驚かせることになると思います。ぜひ、劇場に足をお運びください。よろしくお願いいたします。

(インタビュー:江戸木純)

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