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応援したくなる! 親近感のわく戦隊ヒーロー『救急戦隊ゴーゴーファイブ』【篠宮暁の特撮辞典・第56回】
応援したくなる! 親近感のわく戦隊ヒーロー『救急戦隊ゴーゴーファイブ』【篠宮暁の特撮辞典・第56回】
■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典
近所のお兄ちゃんのような親近感
レスキューヒーローというテーマで、『特警ウインスペクター』、『特救指令ソルブレイン』、『特捜エクシードラフト』と、メタルヒーローを紹介してきましたが、スーパー戦隊にも、もちろんレスキューヒーローはいます。
その名も『救急戦隊ゴーゴーファイブ』。先ほど述べたレスキューポリスシリーズで見せた救出劇を、さらにスーパー戦隊風に昇華したものを見ることができます。
レスキューポリスシリーズでは、ひとりの超人が人命を救助して、その他のメンバーはそれをサポートするといったケースが多かったのですが、「ゴーゴーファイブ」ではみんなが一丸となって助けます。
これにより、スーパーマンが助けてくれているのではなく、近所の普通のお兄ちゃんが頑張ってくれているという親近感がわきます。
ピンチに葛藤、ヒーローらしくない姿が魅力
親近感のわく演出は、他にも見られます。
ゴーゴーファイブがスーツを着た際、マスクの中に素顔が見える演出があるので、超人感が薄まり、ゴーゴーファイブを身近な存在に感じることができます。
さらに目が見えることから、スーツを着ていても感情の起伏が伝わりやすく、救助シーンの緊迫感や臨場感をより感じることができます。
また、兄弟戦隊なので、絆も深く、互いに励まし合いながら困難を乗り越えていくところも本作の見どころなのですが、僕がオススメしたいのは、励ましあっているという部分ではありません。
ゴーゴーファイブは他のスーパー戦隊では類をみないくらい、ピンチに陥ります。そんじょそこらのピンチじゃありません。戦闘不能、お先真っ暗のピンチが幾度となく訪れます。
そのときに「地球のために立ち上がろう!」ではなく、しっかり本人達がビビっている描写があります。逃げ出そうとするシーンや、地球を救うという大きすぎる目標に潰されそうになるシーンもあります。
いい意味で、たびたびヒーロー感がなくなるゴーゴーファイブ。この部分でもまた親近感がわき、いつの間にか自然にゴーゴーファイブを応援している自分がいることに気づきます。ここが「ゴーゴーファイブ」の最大の魅力ではないかと思います。
特撮卒業の危機が訪れるも…
今、冷静に「ゴーゴーファイブ」について書いていますが、実は放映中は冷静ではありませんでした。
1999年放映開始のこの作品。当時僕は高校2年生。感情赴くままに芸人を始めた年でもあるのですが、そんな多感な時期に何度目かの特撮卒業危機が訪れました。
それはゴーピンクの巽マツリに恋愛感情を持ってしまったこと。今ならば、かわいいヒロインが出てきても「頑張れー」と普通に応援できるのですが、当時はマツリちゃんが気になって、ストーリーが今ひとつ頭に入って来ないのです。
いろいろ対策を練りました。いったんMAXまで好きになってから飽きるようにもっていくか、妄想の中でフッてもらうか、もしくはもう作品を見ないか。
結局、広末涼子さんの力をお借りして、もっと好きな人を作ることでマツリちゃんへの恋愛感情を吹き飛ばすことに成功し、特撮卒業の危機を乗り越えました。ヒロスエさんは恩人でございます。
そんなゴーゴーファイブを見ればバイブス…いや、ファイブスが上がること間違いなし!
ゴーゴーファイブの親父役のマイク真木さんのバイクシーンや、エヴァンゲリオンのアスカ役の宮村優子さんの名演など、他にも見どころ満載です。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
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