仮面ライダー&ウルトラマン俳優が監督した映画がとんでもない!特撮ファンがニヤリとする『HE-LOW』

■オジンオズボーンオジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

とんでもない映画を見てしまいました。

表と裏を行ったりきたり、どっちが上でどっちが下か、わからない。

とにかく豪華でめちゃくちゃでおもちゃ箱をひっくり返したようなお祭り映画で、特撮ファンなら絶対笑うシーンの連続でした。

お笑いの劇場ではない普通の映画館で、上映中にあんな爆笑と拍手を聞いたのは初めてでした。




その常識破りの映画は『HE-LOW』。

今まで誰もやらなかったこと、いやできなかったことをこの映画は見せてくれます。

なぜそんなことが可能だったかというと、まずこの映画は特撮作品ですが、東映でも円谷でも東宝でもありません。

なんとクラウドファンディングで制作費を募り、作られた作品なんです。

なので、監督の見せたいことやりたいことを純度100パーセントで見ることができます。

その監督というのが『仮面ライダー龍騎』では仮面ライダーライアを、『仮面ライダーTHE FIRST』、『仮面ライダーTHE NEXT』では一文字隼人を、『ウルトラマンガイア』ではウルトラマンアグルを演じられた高野八誠さん。

特撮作品の出演者だった人が特撮作品を監督するというのも、かなりの常識破りです。

そして、この作品のキャストも相当豪華。

宇宙刑事ギャバン』の大葉健二さん、『人造人間キカイダー』の伴大介さんというレジェンドも参加されてますし、今、特撮作品イチの名バイプレーヤーと言っても過言ではない島津健太郎さんも出演。

主演は『ウルトラマンオーブ』のジャグラスジャグラー役での活躍が記憶に新しい、青柳尊哉さん。

ジャグラーとは違って、正統派ヒーローを演じる青柳さんは新鮮でこの作品をグイグイ引っ張っていってました。

『ウルトラマンガイア』に出演していた吉岡毅志さんは、作中でその世界の秘密を明かすシーンがあるんですが、それがまぁバカバカしい。

出てくるのは「ウルトラマン」出身の俳優さんだけではありません。

さすが高野八誠さん。「仮面ライダー」と「ウルトラマン」両方に出演された数少ない俳優さんとあって、人脈が広い。

我らが『仮面ライダー龍騎』の須賀貴匡さんも出演されてて、役どころも龍騎の城戸真司っぽい感じの元々ヒーローだった設定の人物なんですが、その名前が“スライダー仮面龍騎士”。

こういったニヤリとさせられる小ネタが山ほど詰め込まれていて、全く飽きません。

そして小ネタだけでなく、大ネタもところどころに仕込まれているんですが、龍騎を演じた須賀貴匡さんとウルトラマンガイアを演じた吉岡毅志さん、東映と円谷という垣根を無理矢理引きはがし、同時変身しようとするんです!!

こんなの見たことない!!

著作権とか許可とかどうなってるのと思われるでしょうが、そこは高野八誠監督の斬新な演出で見事にクリアされてます。

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DVDも出てるので、是非確認してほしい!!

そこで会場が前述の大爆笑に包まれるんですが、この笑いはどういった笑いなのか考えてみたところ、まずうれし笑いが含まれてます。

「まさか往年のポーズをそんなところでとってくれるとは!」となりました。

次に、安心笑いです。

「うれしいけど、二人同時にそんなのやって怒られてしまうんじゃない?」とヒヤッとした後に、これなら大丈夫だという演出が入ります。

そこでホッとして笑いがくるのではないかと思います。

そして最後は、称賛笑いです。

この変身シーン、当然変身アイテムも出てきますが、監督の手によって加工されてます。

「変身アイテムにこの加工見たことないわ、でもうれしい」という感情からの笑いがこみあげるという感じ。

一見するとスーパー戦隊ネタを詰め込んだ『非公認戦隊アキバレンジャー』みたい、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いい意味で「アキバレンジャー」ほどまとまってないです(笑)。

しかし、まとまってないからこそ、今までに見たことのない演出が見られるんです。

また、脚本には特撮作品も数多く手がけてらっしゃる名ライター、小林雄次さん。スーパーバイザーには、「エグゼイドトリロジー」で特撮ファンからの称賛がすごかった鈴村展弘さん。

スタッフさんも最強布陣。

面白くないわけありません。

続編も作られるかもということなんで、その前に、何度も言いますが是非ご鑑賞を。

(写真・文:オジンオズボーン・篠宮暁)

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