映画コラム

REGULAR

2018年07月26日

『未来のミライ』細田監督「ウチの子に絵本を読んであげているような作品に...」

『未来のミライ』細田監督「ウチの子に絵本を読んであげているような作品に...」



©2018 スタジオ地図 



こんにちは、八雲ふみねです。
今回ご紹介するのは、現在大ヒット公開中の『未来のミライ』。
細田守監督最新作、4歳のくんちゃんと妹のミライちゃんが織りなす“きょうだい”の物語です。



 [関連記事]『サマーウォーズ』の素晴らしさ徹底解説!ポイントは“責任”と“肯定” 

[関連記事]『バケモノの子』細田守監督の“狙い”がわかる5つのこと

[関連記事]細田守監督『時をかける少女』もっと奥深く考察できる7つのポイント 

[関連記事]細田守監督の最新作『未来のミライ』は世界中の家族必見の快作 

[関連記事]『未来のミライ』細田監督「ウチの子に絵本を読んであげているような作品に...」

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.166






くんちゃんは、両親の愛情をいっぱい受けて育った、4歳の甘えん坊の男の子。

ところが、くんちゃんに妹が出来ると、その生活は一変。生まれたばかりの妹に両親の愛情を奪われるという初めての経験に、戸惑いを覚えていた。

そんなくんちゃんの目の前に現れたのが、セーラー服姿の女の子。彼のことを“お兄ちゃん”と呼ぶその不思議な少女は、未来からやって来た妹“ミライちゃん”だった…。





“きょうだいが増える”って、子どもにとっては大事件!


新作を発表するごとに、大ヒットを記録。国内のみならず海外でも注目を集める細田守監督が最新作の主人公に選んだのは、なんと4歳の男の子。

子どもの目線からストーリーを展開していくのはこれまでの細田監督作品では例がなく、細田守ヒストリーを語るうえでもチャレンジングな作品として位置付けられるのではないでしょうか。

自由闊達な4歳児に初めて訪れた人生の試練、それは妹の誕生。妹が生まれて嬉しい反面、自らの嫉妬心と直面し、自分はお兄ちゃんだと自覚するまでを描いた本作は、細田監督がご自身のお子さんとの関係性の中からヒントを得て作り上げました。

小さな一軒家と庭を舞台に描かれる“家族”のつながりは、そのミニマムな世界観とは裏腹に実に壮大。そこに普遍性を感じずにはいられないことでしょう。



©2018 スタジオ地図 



細田監督作品を彩る豪華俳優陣たち


主人公のくんちゃんを演じるのは、注目の若手女優・上白石萌歌。当初はミライちゃん役でオーディションを受けていたのですが、細田監督の発案でくんちゃん役にも挑戦し、初主演を掴みました。

一方、妹・ミライちゃんを演じたのは、黒木華。時を超えてやって来た妹を魅力的に演じています。

さらにおとうさん役に星野源、おかあさん役に麻生久美子、ばあば役に宮崎美子、じいじ役に役所広司。そして、くんちゃんの冒険の大きなキーパーソンとなる、ひいじいじ役を福山雅治が熱演しています。

子どもの冒険ストーリーとしても楽しめる本作ですが、もうひとつの見どころが、子育てする両親の姿です。

くんちゃんファミリーは、おかあさんが外に働きに出かけ、フリー建築家のおとうさんが自宅にいて子どもの面倒を見る...という家族スタイル。仕事をこなしながら奮闘するお父さんの子育てぶりは、微笑ましくもハラハラするシーンの連続。

ある日突然“お兄ちゃん”になってしまったくんちゃん同様、ある日、突然“おとうさん”と“おかあさん”になってしまったカップルの心情が、手に取るように伝わってきます。
子育て中のパパママにとっても、共感ポイントが盛り沢山!

まさに大人も子ども楽しめる、夏映画の傑作です。



©2018 スタジオ地図 




上白石萌歌、絵本の読み聞かせでチビッ子と細田監督を魅了。


有隣堂横浜駅西口ジョイナス店では映画の公開を記念して、『未来のミライ』トークショー&絵本の読み聞かせ会を開催。細田守監督、主演の上白石萌歌が登場し、八雲ふみねが司会を務めました。




この日は2歳から小学生までのお子さんと親御さん、約50組が大集合。映画『未来のミライ』について、本作でも重要なアイテムである絵本について、話に花が咲きました。

上白石さんは、くんちゃんが赤ちゃんのミライちゃんに絵本「オニババ対ヒゲ」を読み聞かせるシーンをその場で再現。さらに、絵本「はじめてのおつかい」の読み聞かせが始まると、子どもたちの瞳もキラキラ。上白石さんの優しく温かな語り口に、子どもたちも細田監督も魅了されてましたよ。




最後は、イベントに参加してくれたお友だちも一緒にフォトセッション。本作について「ウチの子に絵本を読んであげるような気持ちで作った」と語る細田監督、終始穏やかな笑顔を浮かべてらっしゃったのが印象的でした。

さて、横浜駅西口ジョイナスでは、映画『未来のミライ』公開記念&角川文庫70周年記念の展示「未来への道〜細田守の世界と絵本の通り道〜」を開催中。最新作『未来のミライ』はもちろん、細田守監督作品の世界観が地下1階通路の壁面に展開されています。




劇中カットや『未来のミライ』から生まれた絵本「ミライちゃん、すきくないの」の巨大絵本の展示。過去作の名場面・名言で構成された壁面装飾など、見応えたっぷり。8月31日まで開催中なので、横浜を訪れた時には是非、細田監督作品の世界を体感してみて。




<作品詳細>


未来のミライ
2018年7月20日から全国東宝系にてロードショー
監督・脚本・原作:細田守
オープニングテーマ・エンディングテーマ:山下達郎
声の出演:上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治 ほか
©2018 スタジオ地図
公式サイト http://mirai-no-mirai.jp/

八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com



[関連記事]『サマーウォーズ』の素晴らしさ徹底解説!ポイントは“責任”と“肯定” 

[関連記事]『バケモノの子』細田守監督の“狙い”がわかる5つのこと

[関連記事]細田守監督『時をかける少女』もっと奥深く考察できる7つのポイント 

[関連記事]細田守監督の最新作『未来のミライ』は世界中の家族必見の快作 

[関連記事]『未来のミライ』細田監督「ウチの子に絵本を読んであげているような作品に...」

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!