特撮向上委員会
仮面ライダー夏映画はチャレンジの連続!その歴史を振り返る
仮面ライダー夏映画はチャレンジの連続!その歴史を振り返る
現在大ヒット公開中の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(アン・フィルム)』、『劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)』も残すところあとわずか。
この映画のおかげで、今年の夏もアツい夏を過ごさせていただきました。
「Be The One」のすごかったところは色々ありますが、よくニュースになってたのはやはり3000人のエキストラを使って、北九州で大規模なロケを敢行したというところでしょう。
すごい挑戦。
しかし、この挑戦する精神は今に始まったことではありません。
毎年毎年いろんなハードルを設けて、常に挑戦し続けてきているんです。
挑戦の始まりは17年前から。
『仮面ライダーアギト PROJECT G4』(2001)
毎年夏に東映特撮の映画を見ることができているのは、この作品のおかげです。
2000年には映画が作られていないので、これが平成ライダー夏映画の原点です。
これがもしコケていれば、その後の夏は退屈なものになっていたでしょう。
『仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』(2002)
「龍騎」は13人の仮面ライダーを戦わせるなど、とにかく新しいことをやりまくってましたが、この映画もそのひとつ。
なんと先に最終回を見せてしまうという、度肝を抜く手法は大いに話題を呼びました。
実際の最終回とは異なってますが、「龍騎」の世界ではオーディンの能力のおかげでそれを説明できてしまうなど、作品の柔軟性が非常にあった作品でした。
『仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト』(2003)
「Be The One」では3000人のエキストラでしたが、「パラダイス・ロスト」では集めたエキストラはなんと10000人。
エキストラの使い方が全然違うので、数だけでどっちがすごいということは比較できないんですが、10000人入ったアリーナで撮られた最後あたりのシーンは圧巻。
エキストラの人数がトピックスのトップに出てくることが多いんですが、短い時間の中で「ファイズ」とはこんな作品という要素を手軽に、そして濃厚に見ることができるので、この映画から「ファイズ」にのめり込む人も少なくありません。
パラレルワールドのストーリーながら、本編とのシンクロが見事でファンを唸らせました。
この作品を夏映画ナンバーワンに挙げる方も少なくありません。
『仮面ライダー電王 俺、誕生』(2007)
これまでの夏映画はほぼパラレルワールドの話だったんですが、この「俺、誕生」では初めてがっつり本編とリンクさせています。
映画後半で全フォームが横並びする胸熱のシーンがあるんですが、テレビでもしっかりふってあるんで点と点が線になる快感を味わえました。
『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(2009)
今作では歴代のライダーを全員集合させました。
一番話題になったのはディケイドの最終回を映画で見せるという手法で、これについては賛否両論が巻き起こりました。
やったことないことに挑戦してるわけですから、当然そこに拒否反応を示される方も出てきます。
が、それがあったからこそ今年もまだ映画を公開できてるわけです。
その後の『仮面ライダーW AtoZ/運命のガイアメモリ』(2010)では3Dを早々に取り入れたり、『仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』(2011)では、暴れん坊将軍とコラボするなど、さまざまな挑戦が行われてきました。
そして昨年、傑作『仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』が。
時系列を明かさないということで、見る時期によって映画の見方が変わる不思議な体験とその中毒性で何回も劇場に足を運ぶ人が続出。
結局最終回の後の話だったんですが、見てる間は本当にわかりませんでした。
こうして挑戦することで昔からの特撮ファンを喜ばせ、かつ新しいファンをも取り込んできた仮面ライダー夏映画。
来年は『仮面ライダージオウ』の映画を見られるわけですが、「ジオウ」自体がチャレンジしまくってる作品なのでさらに期待は膨らみます。
(文:篠宮暁)
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