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『いろとりどりの親子』ほか、映像とあわせて音楽も楽しめるドキュメンタリー映画4選
『いろとりどりの親子』ほか、映像とあわせて音楽も楽しめるドキュメンタリー映画4選
©︎2017 FAR FROM THE TREE, LLC
世界24か国語に翻訳され大ベストセラーとなった、アンドリュー・ソロモン著「FAR FROM THE TREE」を原作にしたドキュメンタリー映画『いろとりどりの親子』が絶賛公開中。今回は、本作を含め、映画とあわせて音楽も楽しめる作品4選を紹介する。
『いろとりどりの親子』公開中
©︎2017 FAR FROM THE TREE, LLC
さまざまな”違い”を持った6組の親子たちの感動のドキュメンタリー
アンドリュー・ソロモンの原作、「FAR FROM THE TREE」をエミー賞受賞監督レイチェル・ドレッツィンが、本書に深い感銘を受け映画化。映画では、自身がゲイであることをカミングアウトした際、自分を受け入れようと苦悩する両親の姿に直面した経験を持つアンドリュー・ソロモンとその父ハワード、ダウン症の人々の可能性を世に示す代弁者として人気を博し「セサミストリート」にも出演していたジェイソンと、母エミリー、タイピングを覚えるまで言葉を発することがなかった自閉症のジャックと、彼のためにあらゆる治療法を試したオルナット夫妻ら、6組の親子が描かれる。ありのままを受け入れ愛する親子の姿を見つめる感動のドキュメンタリー。
音楽を手がけるのは、ビョークやアデルとの仕事でも知られ、原作本のなかでは「Prodigy」(=神童、天才の意味)の章でも登場するニコ・ミューリー。そして、アメリカで最も敬愛されるバンドのひとつで、10月には来日公演を大盛況で果たしたヨ・ラ・テンゴ。2006年「I Am Not Afraid Of You And I Will Beat Your Ass」に収録「Black Flowers」や2013年「Fade」に収録「I'll Be Around」をはじめ、本編が彼らの音楽で一層エモーショナルに彩られている。本作のレイチェル監督は「彼らの仕事はとても繊細で、音楽が作品を故意に盛り上げるのではなく、ストーリーの瞬間をシンプルに強調するようにしていました。」とコメントしている。
『エリック・クラプトン~12小節の人生~』2018年11月23日(金)公開
© BUSHBRANCH FILMS LTD 2017
貴重なアーカイブ映像とともにクラプトン自らが語る、珠玉の音楽ドキュメンタリー
“ギターの神様”と評され、お金や名声よりも音楽性を優先し、愚直なまでにブルースに身を捧げ、天才の名を欲しいままにしていたエリック・クラプトン。私生活では欲望と愛情、快楽と幸せの区別もつかないまま、いつも“何か”を探して彷徨い続けてきた。酒、ドラッグ、女、そして音楽、全てのものに溺れていくー。母親に拒絶された少年時代の孤独、共にギターの腕を競いあった仲間たちの喪失、親友ジョージ・ハリスンの妻への恋をはじめとする病的なまでの女性遍歴、ドラッグとアルコールに溺れた日々、そして最愛の息子コナーの死。天国と地獄を行きつ戻りつするような、過酷で数奇に満ちた人生を経て、初めて自分の居場所を見つけた今だから振り返ることができる、エリック・クラプトン自らが語る、音楽と愛と魂の軌跡。
本編では若かりし頃のザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズ、ボブ・ディランなど豪華アーティストの貴重なアーカイブ映像、デレク・アンド・ザ・ドミノスのライブ映像をはじめ、デュアン・オールマンとの「いとしのレイラ」のレコーディング風景、ザ・ビートルズと共に「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」をレコーディングするフィルム映像などの数々が、音楽的なストーリーに彩りを添えている。
『私は、マリア・カラス』2018年12月21日(金)公開
(c)2017 - Eléphant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinéma
誰も知らないマリア・カラスがここに。 未完の自叙伝、未公開映像・音源、 封印されたラブレター初解禁!
音楽史に永遠に輝く星となったオペラ歌手、マリア・カラス。いちど聴けば忘れられない世界にひとつの歌声と、高度なテクニックを自在に操る歌唱力、役柄とひとつになる女優魂、さらにエキゾティックな美貌と圧倒的なカリスマ性で、観衆を虜にした不世出のディーヴァ。スターの座に上り詰めた彼女の名は、「完璧」を追い求め自分にも他人にも妥協を許さないスタイルや、自尊心が高いゆえの周囲との衝突、そして世間を騒がせた恋愛など、数々のスキャンダルによってさらに広まった。
ところが没後40年にして驚くべき事実が判明する。彼女は未完の自叙伝を遺していたのだ。オペラをテーマにした短編映画を数多く手掛けてきたトム・ヴォルフ監督が、マリア・カラスの歌声に惚れ込み、3年の月日をかけた<真のマリア・カラスを探し求める旅>でこの自叙伝を入手。さらに彼女のたちから信頼を得て、封印されてきたプライベートな手紙や秘蔵映像・音源もふんだんに集めることに成功し、過去の作品群と一線を画す、まさに本物の人間ドラマが詰まったドキュメンタリー映画。
熱狂的なファンが無許可で撮影したパフォーマンスから、「椿姫」より “さようなら、過ぎ去った日々よ”、「カルメン」の“恋は野の鳥(ハバネラ)”、「トスカ」の“歌に生き、恋に生き”、「夢遊病の娘」の“おお花よ、お前がこんなに早く萎んでしまうとは”などをはじめとした、超貴重なマリア・カラス本人歌唱の生歌唱舞台やプライベートでの歌唱など、歌姫の秘蔵映像と音源がたっぷり楽しめる。
『バスキア、10代最後のとき』2018年12月22日(土)公開
(C)2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.
LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED
Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan
アートを凌駕し、ファッション、音楽をも刺激する天才アーティストは、どのように生まれたのか? 没後30年の今、その秘密に迫る!
アンディ・ウォーホルにインスピレーションを与え、一流のアート・コレクターとしても名高いデヴィッド・ボウイのコレクションに名を連ね、近年ではその作品をレオナルド・ディカプリオが購入したことや、日本の実業家が123億円で落札したことが話題となった、ジャン=ミシェル・バスキア。1988年に27歳の若さで亡くなってから30年、ひと時の流行と見なしていた一部の評価は跡形もなく消え去り、今やダ・ヴィンチやピカソと同じように、その存在に触れなければ、美術史を語ったことにはならない重要なアーティストの一人。
ドラマティックな成功から早すぎる死に散ったその生涯は、ジュリアン・シュナーベル監督『バスキア』(96)で、タムラ・デイヴィス監督『バスキアのすべて』(10)で描いてきた。そして2018年、没後30年を記念して、過去の2作とは全く異なるスタンスで、バスキアの真実に迫ったドキュメンタリー映画が完成。1978~81年頃のニューヨークで、友人のアパートを転々としながらストリートに作品を刻みつけていた、〈バスキア、10代最後のとき〉に焦点を当て、天才アーティスト誕生の秘密に迫る作品。
劇中では1970年代初頭にアラン・ヴェガ&マーティン・レヴで結成したバンドで、そのライブパフォーマンスは、後のパンク・ムーブメントに多大な影響を及ぼしたといわれるSuicideの「Dream Baby Dream」ほか、俳優や映画監督、画家としてさまざまな分野で活躍するヴィンセント・ギャロとバスキアが組んでいた、実験的音楽グループのバンドGRAYの楽曲も使用されており、当時のアートシーンを含めたNY発のカルチャーを堪能できる。
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