特撮向上委員会
放送から31年。『超獣戦隊ライブマン』の3人が揃った神イベント「超獣魂」をレポート
放送から31年。『超獣戦隊ライブマン』の3人が揃った神イベント「超獣魂」をレポート
その日はとてもワクワクしていました。 近年ではあまり感じられなくなった、この高揚感を思う存分噛み締めていました。
会場は新宿ロフトプラスワン。
中に入り、周りを見回してみると、僕と同じくらいの年代の方から、上は50歳くらいまでのお客さんがギュウギュウに。 腕にはツインブレス、そして勇介や丈、めぐみのコスプレをしてる人もちらほら。 そして、ついにその時は来ました。
会場に主題歌が流れ、奇跡の数時間が始まりました。
1988年の昭和最後の年、『超獣戦隊ライブマン』の放送が開始。 そこから31年経って、再びライブマン3人が揃った神イベントが先日行われました。
その名も「超獣魂」。
昨今、なんでもかんでも神をつけてしまいがちですが、これは紛れもなく神イベント。
ライブマンファンはとにかく耐えに耐えてきたのです。 当時スーパー戦隊10周年記念作品として、既にスターだった嶋大輔さん、森恵さんを起用。サンバルカン以来の3人組、初の男性2女性1編成、初の女性ブルー、動物モチーフを初めてロボに取り入れ、2号ロボとの初合体などなど、トピックスてんこ盛りの内容でその後のスーパー戦隊に多大な影響を与えたこの作品。
それをリアルタイムで見ていた5歳の僕も、もれなく虜になりました。 しかし、他作品に比べて映像化されるのがとにかく遅かったのです。 本当かどうかわかりませんが、西村和彦さんも売れて皆さんがスターになられたため、権利問題がややこしいなんて噂もたつほど。
VHS化はスルーされ、やっとソフトとして販売されたのが2011年の暮れ。ついこないだです。
なので飢えが半端ではありません。 ガラケーの粗い画面で月額制の東映サイトからポイントを消費して、ライブロボとライブボクサーの合体システム、スーパーライブディメンションを繰り返し見たり、東映ヒーローの主題歌集のDVDを見たりして、なんとかしのいでいました。
そんなこんなを経てのイベント、盛り上がらないわけがありません。
鈴木美潮さんの軽快なMCにより呼び込まれる嶋大輔さん、森恵さん、西村和彦さん。 3人が揃うと一段と大きな拍手が。 僕が楽しみにしていたのは西村和彦さん。
西村さんがロフトプラスワンで「ライブマン」を語ってくれる日が来るなんて、夢にも思ってませんでした。 トークコーナーが始まるや否や、出るわ出るわの珠玉のエピソードの数々。勝手なイメージで、西村和彦さんって「ライブマン」に対してそこまで熱が高くないと思ってたんですが、蓋を開けてみれば誰よりも「ライブマン」愛が強く頭脳獣の名前もスラスラ出てきて、喋ってるエピソードが第何話のものかもすべて把握。
そして何よりファンの気持ちを汲んだトークが上手い。 会場を、これでもかと沸かす沸かす。 話を聞いてると、当時は無名の新人だったためか、嶋さん、森さんとの距離よりスーツアクターさんやスタッフさんとの距離感が近く、その目線から当時のことを聞けるというのがとても新鮮でした。
詳しくはここでは書きませんが、とりあえず37話は絶対に見ておいた方がいいです。理由は街中で僕に会ったら聞いてください。
ジーンときたのは中盤、サプライズでスーツアクターさんが来た後のことでした。
そこまで軽快に笑いを取っていた西村和彦さんが急に真剣な表情になり、イエローライオンのスーツアクター、赤田昌人さんについて触れました。 赤田さんは事故により体の自由が利かなくなり、今も闘われています。
その赤田さんが来ることができないのに、30周年のイベントに参加してもいいものか悩まれたそうです。
ゴーカイジャーにゲスト出演された時も同じことを思われたそうで、やはり赤田さん無しではイエローライオンも成立しないと、かなり葛藤されたそうです。
そんなお話の後に、イベントを収録した映像を赤田さんに送ることが分かると、西村さんはカメラに向かって赤田コールを連呼し、それに便乗するお客さん達。これは泣いちゃいますよ。
赤田祭を開催したいと西村さんがおっしゃられていて、実現したら足を運びたいと思ったお客さんは少なくないはず。 いや全員、もう行くと決めたんではないでしょうか。
森さんも素敵でした。 特に22話のギターラズノーの能力で眠くなってしまうのを再現した後の「スパーク!海へ」の熱唱。 歌声が当時と変わらぬ声で驚きましたが、一番驚いたのはあの赤の肩がけのキーボードを持っての登場でした。
今回のイベントの主催のひとり、『高速戦隊ターボレンジャー』でレッドターボこと炎力を演じていた佐藤健太さんが、なんとわざわざこのキーボードをご用意されたとのこと。
このイベントへの佐藤健太さんの熱量はかなり高く、どうやったら当時のファンが喜んでくれるかを細部まで考えてくださってるのがひしひしと伝わってきました。
合間に当時の現場が撮影された貴重なVTRが流れたんですが、その映像の編集も担当されたとのこと。会場は爆笑と歓喜の声に包まれ、このVTRを上映するだけでもお金を取ってもいいほどのクオリティでした。
2部のサプライズゲストには、大教授ビアスを演じられた中田譲治さんとマゼンダを演じられた朱花伽寧さんが登場。
中田譲治さんが登場すると、終盤のギガブレインウェーブを浴びた人達みたいに「ビアス様、ビアス様」と崇める人が続出。武装頭脳軍ボルトのメンバーが加わって、さらに熱くなる会場。そこからの生変身ポーズとスーツアクターさんによる生名乗り、しかもイエローライオンはそのまま西村さんが担当され、盛り上がりはこの日一番のピークに。
そして最後は「ライブマン」のオープニングとエンディングの「あしたに生きるぜ」で締めくくり。
幸せを噛み締めながらクールダウンしようと思ってたら、「あしたに生きるぜ」の冒頭の3人の立ち回りをなんと再現。再び熱狂の渦の中へ。
こんな幸せは当分味わえないだろうなと思ってるところで発表されたのは 今年の冬、ターボレンジャーが集まるとの告知。
たまらんぜ2019。この余韻と冬への楽しみで、今年は余裕で幸せに過ごせそうです。
(文:篠宮暁)
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