『アベンジャーズ/エンドゲーム』への絶賛が止まらない!実は次の展開へのヒントが!



© 2019 Marvel



マーベル映画11年の歴史を締めくくる『アベンジャーズ/エンドゲーム』が、いよいよ4月26日から日本でも全国公開された。3時間という上映時間にも関わらず、既に観た人々の間でも絶賛の声が後を絶たない本作。

今まで積み重ねてきた数々の伏線や疑問への答えが遂に明らかになるのか? そして、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』での衝撃のラストから、彼らがいかに反撃するのか?

もはや観る前から期待するしかない本作だが、果たしてその内容と出来はどうだったのか?

ストーリー


前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、宇宙最強の敵サノスに敗北し、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまったアベンジャーズ。それぞれの想いを胸に再結集した、生き残りのメンバーたちの捨て身の反撃は、果たしてサノスを倒して世界や仲間を救うことが出来るのか?


予告編


遂に全ての疑問・伏線への答えが明かされる!



実に11年の歳月をかけて辿り着いた今回の完結編だけに、できれば全く事前の情報無しで観て頂きたい本作。

今回の完結編に対して、我々観客が期待している点を、ざっと挙げてみると、

1:消滅した人々は元に戻るのか?
2:サノスをどうやって倒すのか?
3:アントマンは、どうやってこの世界に戻って来たのか?
4:アベンジャーズのメンバーが予告編で着ているスーツは何のため?
5:アイアンマンはどうやって地球に帰還したのか?
6:新しいヒーローは登場するのか?
7:ホークアイはどこで何をやっていた?


など、ちょっと考えただけでも、これだけの疑問がすぐに挙がることになる。

確かに、これを全部描くとなると上映時間3時間は長くないどころか、むしろ足りないのでは? そんな不安を抱いた方も多かったのではないだろうか。一方で、3時間はやっぱり長すぎる…と感じる人も多かったはずだ。

でも、心配は全く無用!

実際に鑑賞した結果、3時間の上映時間は全く長くない、いや、むしろもっと観ていたい! そう感じずにはいられなかった本作。

既にネット上でも多くの方が感想やレビューで言っている様に、これだけの内容なら3時間は当然! そんな意見が多かったのも、本作のクオリティの高さと内容の素晴らしさの証明だと言える。

何故なら、前述した観客の疑問点がすべて明らかになる上に、「ああ、11年間彼らを追いかけてきてよかった!」、観客誰もがそう思わずにはいられない、感動の展開とラストが待っているからだ。

地球上の人類の半数がランダムに消滅する! という、あまりに大きすぎる被害と悲しみの中、それでも残された人々は生き続けなければならないという過酷な現実が描かれる上に、ヒーローには平穏な生活や、戦うことから解放される自由は許されないのか? そんな究極の問いにも見事な答えが提示される本作。

文字通り、言葉や文化の違いを超えて観客が感動できる最高の人間ドラマに仕上がっているので、全力でオススメします!

見事な完結編でありながら、既に今後の展開へのヒントが?



本作の大きな話題は、何といっても前作『インフィニティ・ウォー』で姿を見せなかった人気ヒーロー、ホークアイが参戦する点。



© 2019 Marvel



ちなみに原作コミックスにおいても、アベンジャーズのメンバーは非常に流動的であり、中心人物のアイアンマンやキャプテン・アメリカも脱退・再加入を繰り返している。それだけに、今後の展開として新たなメンバー加入による、新アベンジャーズ結成は十分に考えられるところだ。

実際原作では、X-メンのビーストもメンバーだったことがあり、今年から参戦したキャプテン・マーベルや、『アントマン』に登場したワスプもアベンジャーズのリーダーを努めていた時期がある上に、近年のTVアニメ版『アベンジャーズ』では、既にキャプテン・マーベルやMs.マーベルが中心となったシリーズが放送されていたりする。

脱退や再加入を繰り返し、更には新たなメンバー募集がメディアで話題になるなど、原作コミックスの中では次第にメンバーが増加していった、地上最強のヒーローチーム"アベンジャーズ"。

原作コミックスではその結果、遂にアメリカ西海岸に第二のチームである"ウエストコースト・アベンジャーズ"が結成され、ホークアイがそのリーダーとなる。

90年代に入り"ウエストコースト・アベンジャーズ"は解散するが、そのメンバーは新たに"フォース・ワークス"を結成することになる。更に90年代末には、アベンジャーズもメンバーを7人に縮小してしまうのだが、2000年代に入ると、政府からの干渉や圧力を受けることも多くなり、先ごろ日本でも翻訳版が出たコミックス「Avengers Disassembled」(「アベンジャーズ:ディスアセンブルド」)において、ついにチームは解散へと向かうことに。

アベンジャーズ:ディスアセンブルド (MARVEL)



続く2005年には、キャプテン・アメリカ、スパイダーマン、ルーク・ケイジ(パワーマン)、スパイダーウーマン、アイアンマンが新たに"ニュー・アベンジャーズ"を結成。その直後に例の"超人登録法"を巡ってあのシビル・ウォーが勃発。チームはキャプテン・アメリカを中心とする"ニュー・アベンジャーズ"と、アイアンマンが超人登録法に登録済みのヒーローで結成した"マイティ・アベンジャーズ"とに分裂し、激しい対立へと発展することになる。

2009年には、スパイダーマンの悪役グリーン・ゴブリンの正体であるノーマン・オズボーンが、アメリカの防衛組織"S.H.I.E.L.D."を解散して、新たに"ダーク・アベンジャーズ"を結成。

更にその後、復活した"S.H.I.E.L.D."の長官に任命されたキャプテン・アメリカによって、また新たなアベンジャーズが結成されるなど、もはやこれをまともに映画化したら何年かかるか分からないほどの、複雑な経緯と激動の歴史を持つアベンジャーズという存在。

こうした複雑な背景を知らなくても観客が十分楽しめる様な、最終章として見事な幕引きを見せる『エンドゲーム』だが、実は本編中には既に今後の展開へと繋がる描写がいくつか散見できる。

一つは、スカーレット・ウィッチの心の傷にまつわる問題であり、もう一つはソーのハンマーにまつわる描写で、これは原作コミックスの大クロスオーバー「フィアー・イットセルフ」への展開を予感させるものとなっているので、要注意!

フィアー・イットセルフ (MARVEL)



更に原作コミックスでは、既にある女性がソーの力を引き継いでいることを知っておくと、この『エンドゲーム』の展開が更に楽しめることになるだろう。

とはいえ、鑑賞中はアベンジャーズのメンバーたちの熱すぎる戦いに夢中で、細かいことを気にしている余裕は無い本作。

二回目以降の鑑賞をお考えの方は、是非これらの点にも注目して頂ければと思う。

最後に



数多くのヒーローが登場する内容ながら、見事に各人のキャラクターが立っていてストーリーの交通整理が出来ているため、それぞれの想いや人生の選択、そして何を背負い何のために戦っているのか? その姿に観客が感情移入して涙するしかない本作。

死の商人としての自身の過去を悔いて、その贖罪を求めて戦ってきたアイアンマンと、第二次大戦の産物として現代に取り残され、自身の人生の多くを奪われながらも、アメリカの自由と正義の象徴として戦い続けてきたキャプテン・アメリカ。

アベンジャーズを代表するこの二大ヒーローが、自身の人生と心の平穏をどうやって取り戻し、またその姿によって後に続くヒーローたちに何を伝えたのか?



© 2019 Marvel



ともすれば暗く現実的な内容となり、どこか乾いた人間関係やハードな展開に陥りがちだった、近年のアメコミとその映画化作品。

だが、この『エンドゲーム』で描かれるのは、ヒーローたちの恐れや悲しみ、そして自己犠牲や自身の過去と向き合い悩む姿であり、ヒーローたちが迷い恐れ、それでも消滅した人々と残された人々の人生を取り戻すために、全てをかけて最終決戦に向かう姿は、意外にもかなり"ウエット"なものとなっていた。

そう、ONE PIECEやキン肉マン、そして『劇場版 仮面ライダー』の展開を思い起こさせるこの熱量と感動こそ、正に日本人が大好物の“浪花節”的要素なのだ!

確かに完結編だけに、今までの過去作を観ていなかったり、アメコミに馴染みが無い、あるいは登場人物が多すぎてついていけないなど、今回ハードルの高さを感じて劇場での鑑賞を迷っている方が多いのもよく分かる。

だが、まずはこの"泣ける感動作"を観て頂いて、それから彼らの人生を遡って一から見届けるのも、MCUをより効率的に楽しむ方法だとも言えるだろう。

出来るだけネットやSNSの情報からは離れて、ネタバレが増える前に劇場に駆けつけるのが、オススメです!

(文:滝口アキラ)

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