『天気の子』の深すぎる「10」の盲点
7:陽菜のチョーカーと、誕生日プレゼントの指輪が意味していたものとは?
陽菜は“雨の雫”がついたチョーカーをいつも身につけています(ラブホテルのお風呂に入る時でさえも)。実はこのチョーカーは、病床に臥せっていた陽菜の母親が腕につけていたものでした。
このチョーカーは、彼女の巫女としての力を示しているのでしょう。陽菜がラブホテルから雲の上に行ってしまった時、帆高からもらった誕生日プレゼントの指輪は彼女の体をすり抜けて地上に落ちたのにも関わらず、チョーカーはそのまま身に着けていました(バスローブ姿だったはずの陽菜がいつの間にかいつもの服を着ているのは気にしないでおきましょう)。そして、帆高が陽菜を救い、代々木会館屋上の小さな鳥居の前に戻った時、そのチョーカーは割れていました。
『君の名は。』の三葉がそうだったように、『天気の子』の陽菜は“巫女の血”を母親から引き継いだのかもしれません。そして、陽菜は巫女として人柱に捧げられなければならないという重責から、帆高の行動のおかげで逃れることができたのでしょう。事実、陽菜はラストシーンではチョーカーをつけていないのですから。
また、帆高が誕生日プレゼントに指輪をあげたことは、須賀が薬指につけていた結婚指輪をクセのように何度も触っていたことと“対”になっています。前述したように、須賀もまた帆高と同様に“どうしても会いたい大切な人がいる”と願っていたということが、この指輪というアイテムで示されているのでしょう。その帆高が買った指輪は3時間もかけて選び抜いたもので、店員である三葉は「きっと“大丈夫”、喜んでくれますよ」と帆高を激励していました。言うまでもなく“大切な人への想いが込められている”ことも、この指輪は示していたのでしょうね。
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