映画コラム

REGULAR

2019年12月27日

『男はつらいよ お帰り寅さん』を見る前に、この2作で復習を!

『男はつらいよ お帰り寅さん』を見る前に、この2作で復習を!



特別仕様から第49作へ
『寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』




 (C)1997 松竹株式会社




リリーが初めてシリーズに登場したのは第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(73)で、これが好評につき、彼女は第15作『寅次郎相合い傘』(75)『寅次郎ハイビスカスの花』(80)そして『寅次郎紅の花』(95)と計4回出演し、寅さんと結ばれそうで(『寅次郎紅の花』では一時ながらも同棲しています)結局は上手くいかない恋の駆け引きを繰り返していきました。

最初は売れない歌手として地方をドサ周りしていたリリーは、同じく日本中を旅して回る寅さんと、その身の上も含めてどこかしら似た者同士的なものがあったのです。

渥美清が亡くなった翌1997年、セールスマンとして地方を回る満男が、ふと寅さんとリリーの恋を回想するという形式による特別編『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』が製作されました。

これは『寅次郎ハイビスカスの花』をメインにしつつ『寅次郎忘れな草』と『寅次郎相合い傘』のシーンも盛り込まれているので、二人の恋を手っ取り早くおさらいするのに持って来いの作品です。

満男のシーンは新撮され、その中に寅さんがCG合成で登場するショットも……。

またここでは主題歌を八代亜紀が歌っていることで特別篇としての色を強めていますが、今回の『お帰り寅さん』では桑田佳祐が主題歌を歌っているのも、この作品の流れから来ているのかもしれません。

2019年12月27日現在、下記のサービスでご覧いただけます。
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本作は当初あくまでもシリーズ特別篇という扱いでしたが、『お帰り寅さん』を製作に伴って正式な第49作としてカウントされることになりました。そもそも『寅次郎紅の花』の後の満男も描かれているという点で、それはあながち間違いではないと思えますし、これによって『お帰り寅さん』がシリーズ第50作という、切り良くも気持ちの良いものとして屹立してくれた感があります。

本来なら満男編&リリー編の諸作品を全て見ておければばっちりではあるのですが、とりあえずこの2作をおさらいした上で『男はつらいよ お帰り寅さん』に臨んでみられてはいかがでしょうか?

(文:増當竜也)

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