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2020-03-30

コラム

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』悪カワヒロインが男をブチのめす!



© 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics



2016年に日本公開された『スーサイド・スクワッド』で、多くの観客に強烈な印象を残して人気キャラクターとなった、ハーレイ・クイン。

彼女を主役に迎えて制作された新作映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が、3月20日から日本でも劇場公開された。

ハロウィンのコスプレでは、町に彼女の仮装をした女性が目立つなど、日本でも大人気のキャラクターだけに、主役となった彼女がどんな活躍を見せてくれるのか? 個人的にも非常に興味があった本作。

気になるその内容と出来は、果たしてどのようなものだったのか?

ストーリー


悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から自由になったハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)。
モラルの無い天真爛漫な暴れっぷりが、町中の悪党たちの恨みを買うなか、重大な謎が隠されたダイヤを盗んだ少女を守るため、悪を牛耳る残忍でサイコな敵・ブラックマスク(ユアン・ マクレガー)との全面対決に突入!
悪vs悪のカオスな戦いを前に、ハーレイ・クインはクセ者だらけの最凶女性チームを結成する。


予告編




悪カワヒロインの覚醒を見逃すな!



世間のモラルや常識に囚われることなく、自分の欲望のまま、やりたい放題の悪事を働いてきた、ハーレイ・クイン。

ところが、ジョーカーとの突然の破局が彼女を待っていた!

これによって、"ジョーカーの彼女"という絶対的な地位を失ったハーレイ・クインは、今度は町中の悪人から命を狙われることになってしまうのだが…。

同じコミックスの実写ドラマとして過去に制作された『ゴッサム・シティ・エンジェル』の設定を踏まえつつ、原作コミックスに登場するキャラクターを巻き込んで大バトルロイヤルが展開する、この『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』。

TVドラマ版では、『バットマン』に登場するキャラクターの次の世代を担うヒロインたちが、ゴッサムの町を守るためにチームを組んで悪と対決する姿が描かれ、ジョーカーの愛人としてクインゼル(ハーレイ・クイン)も登場していた。

これに対して今回の劇場版では、ジョーカーの存在以外のバットマン要素を極力排除することにより、過去のアメコミ映画に見られた"アメコミ知識の有無による鑑賞へのハードルの高さ"を無くし、これ1本だけ観ても充分に楽しめる、ポップな大エンタメ作品に仕上げているのは見事!

この点を踏まえて考えると、エンドクレジット後のお楽しみ部分のセリフが何故登場するか? その意味が分かってくると思う。



© 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics



ただ、多くの方がSNS上で指摘されているように、アクションが始まってこれから盛り上がるという時に、過去の回想に戻るという展開が繰り返されるため、その度に観客が混乱したり、ストーリーの流れが止まる点は、正直マイナスに感じられた。

加えて、ロージー・ペレス演じる女刑事レニーのセクシャリティや、悪役であるブラックマスクのパワハラ・セクハラ描写には、現代の社会問題がちゃんと盛り込まれているのだが、その反面、派手なアクションに観客の目が向いてしまい、男たちに押さえつけられていた女性たちが反逆する! という重要な部分の印象が薄まった気がするのも事実。

とはいえ、今まで暗い印象の多かったDC映画の中にあって、アメコミに馴染みの無い観客も楽しめる、明るいエンタメ作品として仕上げてくれた点は、大いに評価すべき!

中でも印象に残ったのが、映画ファンならきっと反応せずにはいられない、過去の映画からの引用やオマージュが散りばめられていた点だった。

例えば、ジョーカーと別れて自由になった途端、町中の悪党がハーレイ・クインに復讐しようと襲い掛かってくる設定は、まさに『ジョン・ウィック』!

更に、ハーレイ・クインが警察署に殴りこむシーンは、『ターミネーター2』へのオマージュになっているなど、観客の映画愛が試されるような、数々の名作映画ネタが隠されている本作。

もちろんこれ以外にも、ジャッキー・チェン作品やマリリン・モンローの主演作など、多くの映画からの引用が含まれているので、時間に余裕のある方はぜひ鑑賞後にご確認頂ければと思う。

最後に



アメコミに対する予備知識の有無に関わらず、多くの観客が楽しめる内容に仕上がっている、この『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』。



© 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics



ただ、事件のきっかけを作るスリの女の子として登場するカサンドラ・ケインが、原作コミックでは後にバットガールを名乗ったりするなど、知っていれば更に楽しめる要素が盛り込まれているのも事実。

また、注意して観ていると、『スーサイド・スクワッド』のメンバーだったキャプテン・ブーメランの手配書が警察署の壁に貼ってあるなど、やはり『スーサイド・スクワッド』を事前に観ておいた方が、より本作を深く楽しむことができるだろう。




もしも時間と余裕があれば、鑑賞後に原作コミックのウィキペディアをチェックしてみると、より細かい人間関係や設定が理解できるはずだ。

とはいえ、ハーレイ・クインの元カレはバットマンの名悪役・ジョーカーである。少なくともこの基本点を押さえておけば、最後まで充分に楽しめる内容なので、ご安心を!

それぞれ理由は違うが、共通の敵を倒すために集結した女性チームを率いて戦う、覚醒したハーレイ・クインの魅力が満載な、この『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』。

ウイルス対策として世の中が自粛傾向にある中、本作に溢れるパワーや突き抜けた開放感は、絶好のストレス解消になるので、全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)