自粛疲れの心の癒やしに『南極料理人』を。



いかにしてラーメンの麺を
南極で作るのか?


およそ1年間の氷に閉ざされた世界の中、職にまつわるエピソードもあれこれ出てきます。

伊勢海老が入手できたことを知った隊員たちが、もったいないことにひとりが「エビフライを食べたい」と言い出してみんなが同調してしまい(いや、普通は刺身とかでしょ)、仕方なく西村くんがどでかいエビフライを作ってみたところ、「やっぱ刺身だったな……」「うん、刺身だよ」などと皆々が言い出したときの、西村くんの表情がなかなか切ないです。

そしてもっとも印象的なのが、夜ごとこっそりインスタントラーメンを食べていたためにストックがなくなってしまい、仕事が出来なくなってしまうタイチョーのため、西村くんがありあわせの材料で麺とスープをこしらえてお手製ラーメンを提供するくだりでしょう。

現在の自粛生活の中、主食がインスタント関連になっている人は結構多いかと思われますが(私のことですが)、とかくインスタントってなぜだか中毒性があるもので、それにはまってしまっている人(私のことですが……)には涙なくしては見られないエピソードなのでした。

日頃「メシなんて何でもいい」などと口にしてても、いざ出てきたものに対して何か一言(良いことも悪いことも)言わずに入れられない隊員たちと、そのストレスを一身に受け止め続ける西村くんのストレス。

堺雅人独自の笑っているような泣いているような表情も、ここでは見事に効果を醸し出しているように思えてなりません。

そんな西村くんも、ついにストレスを爆発させてしまうときがやってきますが、それは見てのお楽しみ。

でも、彼らもついに日本に帰る日がやってきます。

閉ざされた生活もいつかは終わる。

私たちも現在の日々からいつか解放されることを祈りつつ、今は彼ら8名の南極隊員たちに心をシンクロさせつつ「自由な明日への希望の想い」を馳せてみるのはいかがでしょうか。

(文:増當竜也)

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