『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』監督インタビュー到着|傑作からの影響、オマージュ明かす




8月7日(金)公開の映画『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』より、ダニエル・シャイナート監督がインスピレーションの源となった傑作について語るインタビューが到着した。

本作は、奇想天外なサバイバル・アドベンチャー『スイス・アーミー・マン』で長編デビューを飾ったダニエル・シャイナート監督の最新作。気鋭のスタジオ“A24”と再タッグを組み、アメリカの片田舎を舞台とした“とある事件”の顛末を描いたミステリー仕立てのダークコメディが展開する。

ジーク、アール、ディックの売れないバンド仲間がある夜、練習と称しガレージに集まりバカ騒ぎをしていたが、あることが原因でディックが突然死んでしまう。やがて殺人事件として警察の捜査が進む中、唯一真相を知っているジークとアールは彼の死因をひた隠しにし、自分たちの痕跡を揉み消そうとする。誰もが知り合いの小さな田舎町で、徐々に明らかになる驚きの“ディックの死の真相”とは――。




ダニエル・シャイナート監督は『ファーゴ』、「ブレイキング・バッド」、『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』、『ハングオーバー!』シリーズからの影響を明かした。

『ファーゴ』は、コーエン兄弟の出身地のミネソタ州ミネアポリスが舞台。主人公が狂言誘拐を起こそうと画策するも、歯車の掛け違いから事態が思いもよらない大騒動に発展していく様をユーモアたっぷりに描いているが、シャイナート監督は「敬愛するコーエン兄弟が出身地を舞台にして『ファーゴ』を撮っていたから、僕も故郷のアラバマ州を舞台にすることに決めたんだ。脚本家のビリーと『ファーゴ』の事はたくさん話したけど、狭い町の小さなコミュニティの混乱をシニカルさたっぷりに描いているところや大真面目な登場人物の思いとは逆に話が転がっていく事、気の抜けたキャラクターたちの造形など、インスパイアされた点はたくさんあるよ。南部版ファーゴと呼んでもらってもいいけど、あの作品でさえ起らなかった事を描いているから驚くと思うよ!」と、多大な影響があったことを明かしつつ、本作への自信ものぞかせる。




「ブレイキング・バッド」は、末期の肺ガンと宣告された冴えない高校の化学教師が、危険なドラッグ製造・販売に手を染める様が描かれる。監督は、「ウォルター(※『ブレイキング・バッド』の主人公)は、大切な家族を守りたいがゆえに家族に言えない悪事を働いてしまうけど、守るどころか家族まで巻き込んでしまう。“人に言えない秘密が周りにどんなの影響を与えるか”というテーマは同じなんだ。ジークもウォルターと同じように、家族のためにディックの死をひた隠しにする。だけど、やっぱり周囲を巻き込んで、事は悪い方向に進んでいくんだ。まぁ、ディックの死を隠したい理由は、家族を守るためだけじゃないけどね」と、同じテーマを扱っている事を明かした。

クエンティン・タランティーノの『レザボア・ドッグス』と『パルプ・フィクション』。映画史に残る傑作について、「タランティーノからの影響は、深刻なシーンにもユーモアを盛り込むという手法だよ。人は切羽詰まった状況に置かれると、その状況を映画に例えたりするだろ? リアリティを持たせるために、彼の作品の要素を入れようと思ったんだ。OP後に血にまみれた後部座席のシーンを映すのは『レザボア・ドッグス』と同じ構成、その血だらけの車内を清掃する時に『パルプ・フィクション』の掃除屋の話をするのは、具体的なオマージュだ」と、両作へのオマージュを明かした。




続いて『ハングオーバー!』シリーズ。登場人物たちの判断ミスやコミュニケーションミスが思わぬ事態を引き起こしていく物語だが、監督は「この作品は、大好きな『ハングオーバー!』への僕なりのアンサーでもあるんだ。共通点は、いつまでたっても精神的には子供のままの大人たちが羽目を外してやらかしてしまう。結託して秘密を守る。秘密を抱えた代償や心理的影響、それが大ごとに発展していく様、この作品ではよりリアルにドラマティックに描いたつもりだよ!」と語った。

『ファーゴ』、「ブレイキング・バッド」、『レザボア・ドッグス』、『パルプ・フィクション』、『ハングオーバー!』シリーズ。共通するのは、人には言えない秘密をひた隠しにすることによって事態が想像を超えて大きくなる様や、深刻になればなるほどあからさまになる人間の滑稽さ。本作もディックの死を隠し続けたために、事態がどんどん大きくなる。そして、ひた隠しにする理由は一体何なのか。衝撃の真相に期待が高まる。

ストーリー



ジーク、アール、ディックの3人は売れないバンド仲間。ある晩、練習と称しガレージに集まりバカ騒ぎをしていたが、あることが原因でディックが突然死んでしまう。やがて殺人事件として警察の捜査が進む中、唯一真相を知っているジークとアールは彼の死因をひた隠しにし、自分たちの痕跡を揉み消そうとする。誰もが知り合いの小さな田舎町で、徐々に明らかになる驚きの“ディックの死の真相”とは…?


作品情報


監督:ダニエル・シャイナート(『スイス・アーミー・マン』)
脚本:ビリー・チュー
出演者:マイケル・アボット・ジュニア ヴァージニア・ニューコム アンドレ・ハイランド サラ・ベイカー ジェス・ワイクスラー ロイ・ウッド・ジュニア スニータ・マニ
原題:The Death of Dick Long│2019年│アメリカ映画│ビスタサイズ│上映時間:100分
映倫区分:PG12│字幕翻訳:佐藤恵子│提供:ファントム・フィルム/TCエンタテインメント
8月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
配給:ファントム・フィルム
©2018 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
公式HP:phantom-film.com/dicklong-movie
公式twitter:@dicklong_jp

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