西川美和監督×役所広司『すばらしき世界』トロント国際映画祭正式出品決定!
直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした西川美和監督最新作『すばらしき世界』が、米アカデミー賞前哨戦となる「第45回トロント国際映画祭」へ正式出品作品として招待、ワールドプレミア上映が決定した。同映画祭への西川監督作の出品は、本作で3作品連続となる。全国公開は、2021年2月11日(木・祝)。
西川監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ本作。主演は役所広司。人生の大半を刑務所で過ごし、社会から“置いてけぼり”を食らいながらも、まっすぐ過ぎるその性格と、そのどこか憎めない魅力で周囲の人々とつながっていく三上正夫役を情感豊かに演じた。
今年は、新型コロナウイルス感染拡大影響により世界中の映画祭が規模縮小を余儀なくされ、トロント国際映画祭も長編映画50本、短編映画プログラム5本と例年の1/4程度に絞られる中、本作は非常に狭き門を見事突破した。そして多くの注目を集める映画祭での本作の正式出品は、非常に意義深いと言える。
「トロント国際映画祭」の開催期間は9月10日〜19日。受賞結果は、映画祭最終日にあたる9月19日(現地時間)に発表される。
コメント
西川美和(監督・脚本)
トロント国際映画祭には格別な思い出があります。『夢売るふたり』(2012)の上映中、ラスト20分のところで観客の目の前でフィルムが燃えたのです。映画は突然中断し、私は映写技師のところに駆け込み、スタッフは大慌てでしたが、応急処置で上映が再開されるまでの30分間、地元の映画ファンのほとんどが席を立たずに辛抱強く待っていてくれており、最後は同じ旅を終えた仲間のような拍手で迎えてもらいました。北米最大の映画祭であると同時に、市民や映画ファンと距離の近い、大好きな映画祭です。コロナの影響でたくさんの映画が人に観てもらう場を失う中で、『すばらしき世界』の招待を決断して頂いたことに、心から感謝しています。今作も、“燃えるような”上映になりますように!
役所広司(主演・三上正夫)
(第50回カンヌ国際映画祭でパルムドール作品賞を受賞した)『うなぎ』で初めてカンヌ国際映画祭に参加しました。その時、海外の観客と一緒に観て「こんなにも、笑ってくれるんだ!」って驚きましたが、この『すばらしき世界』にも、『うなぎ』と共通するような、ユーモアや笑えるところがあります。まっすぐ過ぎて不器用な三上と本作を、是非楽しんで頂けたらと思っています。
ストーリー
「今度こそ、まっとうに生きる!」
13年の刑期を終えた三上役所広司を待っていたのは、目まぐるしく変化する、想像もつかない世界。保護司・庄司夫妻(橋爪功・梶芽衣子)の助けを借りながら、自立を目指していた。あるとき、生き別れた母親を探す三上にテレビディレクター(仲野太賀)とプロデューサー(長澤まさみが近づいてくる。彼らの真の目的は、社会に適応しようと足掻く三上の
姿を番組にすることだった。まっすぐ過ぎるが故に、トラブルが絶えない元・殺人犯だったが、彼が持つ無垢な心に感化された人々が彼の周りに集まってくるのだった。
作品情報
タイトル:『すばらしき世界』
脚本・監督:西川美和
出演:役所広司、仲野太賀、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、長澤まさみ、安田成美
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊
配給:ワーナー・ブラザース映画
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
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