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2020-12-07

『新解釈・三國志』レビュー:無駄に豪華な今までと全然違う三國志



コロナ禍での制限中の公開にもかかわらず、今年の実写邦画ナンバーワンとなる興行収入50憶円の大ヒットを記録した『今日から俺は!!劇場版』の福田雄一監督。

長年温めてきた三國志の企画を過去の福田作品に出演してきたオールスターキャストを迎えて完成させ歴史映画。豪華キャスト、スケール感たっぷりなロケーション、ダイナミックなバトルシーンを盛り込みながら徹底的に緩い世界観を築きます。

 

『新解釈・三國志』あらすじ



西暦で184年の頃、中国大陸では黄巾の乱が勃発。

時の漢王朝は衰退の一途をたどる中、乱を収めようと、多くの若者たちが立ち上がり、やがて英雄、英傑と呼ばれるようになり、彼らが群雄割拠する時代になっていきます。

その中には関羽、張飛の二人の豪傑と義兄弟の契りを劉備や野心家の曹操などの姿もありました。

劉備、曹操たちの当面の敵は幼い皇帝を意のままに操り、私腹を肥やしていた董卓。そこで、劉備は董卓とその右腕で最強の戦士と呼ばれる呂布とを仲たがいさせるために絶世の美女・貂蝉を贈りこみます。

貂蝉の美貌に魅了された董卓と呂布の関係は悪化、結果として董卓は呂布に打たれ、呂布もまた都を離れます。

その後、劉備は天才軍師・諸葛孔明を招き蜀を建国、対して曹操は大国・魏を作り、これに若き指導者・孫権が建国した呉が並び、魏・呉・蜀による三国時代が始まります。

しかし、曹操の魏が他の2国を圧倒していたので、劉備と孫権は同盟を結びます。これに対して曹操は、80万もの大軍を率いて呉に攻め込みます。対する呉・蜀の同盟軍の数は僅かに3万。この圧倒的な戦力差を埋めるべく諸葛孔明と孫権の軍師・周瑜は様々な作戦を練り始めます。ここに、三國志最大のハイライト“赤壁の戦い”が始まります。

徹底的に緩い、福田ワールドが全開

 “赤壁の闘い”をクライマックスにした三國志映画と言えばジョン・ウー監督の『レッドクリフ』がありましたが、間違ってもそれをイメージしてはいけません。



同じ古代中国を舞台にした映画で言えば、最近では『キングダム』もありました。『キングダム』と『新解釈・三國志』はプロデューサーが同じだったりしますが、だからと言って『キングダム』的なものも想像してはいけません。

『新解釈・三國志』は徹底的に緩く、ギャグと小ネタに溢れた作品に仕上がっています。



ドラマ版の『今日から俺は!!』や福田監督の初期の映画作品、または演出を手掛ける舞台作品のようにストーリー全体の繋がりは強くなく、逆にワンシーンの中で最大限の笑いを誘うことを重視して作り、それを連ねていくような形の映画になっています。

壮大な歴史絵巻というよう、こうだったら面白いよね?という新解釈を基にした場面の連続というモノをイメージしていただければいいと思います。

『新解釈・三國志』において、福田監督は原点回帰とも言える作劇をものすごい人と時間と手間とお金をかけて行ったという感じです。

 

ついに参戦!大泉洋と豪華すぎる共演陣



一応の主人公は劉備を演じる大泉洋です。福田雄一監督の映画についに大泉洋が登場します。大泉洋ファンを公言する福田監督は撮影に際して「水曜どうでしょう」を見直してきたという(少し間違った)力の入れ方で臨んでいます。

そんな大泉洋を迎えるのが『今日俺』『銀魂』『勇者ヨシヒコ』シリーズなどで福田ワールドを彩った豪華キャスト達。賀来賢人、橋本環奈、岩田剛典、岡田健史、山本美月、山田孝之、城田優、西田敏行そして小栗旬など、普通に映画で主演を張れるようなメンバーが続々と登場しては、のびのびとふざけています。もちろん、レギュラー俳優のムロツヨシと佐藤二朗も登場。ムロツヨシはなんと天才軍師の諸葛孔明役です。



それでもアクションシーンは魅せる!!

このようにひたすら緩く、グダグダな三國志が続くのですが、城田優演じる呂布と橋本さとし演じる関羽、高橋努演じる張飛との1対2のバトルシーンや、岩田剛典演じる趙雲が劉備夫人とその子供を助ける1対多数のバトルシーンなどは迫力のあるモノに仕上がっています。この辺りは『銀魂』シリーズや『今日俺』で1対1、1対多数、多数対多数など様々なアクションシーンを撮ってきて経験値を高めた福田監督の手腕が光ります。



“いざ、本格的な殺陣やアクションを!“と求められればちゃんとできる人たちによって展開されるアクションシーンは見応えたっぷりです。

ただ、それを繋ぐのが緩い福田監督の緩い空気感なので『新解釈・三國志』はいつまでもシリアスになり過ぎず、笑いを誘うのも事実なのですが…。

(文:村松健太郎)

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