難病ALSを描く3つの映画
EXILE/GENERATIONSの白濱亜嵐と、平祐奈がW主演する11月27日公開の映画『10万分の1』。原作は『「彼」first love』、『僕達は知ってしまった』など数々のヒット作を生み出したピュアラブの名手・宮坂香帆の『10万分の1』。
小学館『Cheese! 』で連載がスタートし、2016年1月単行本が発売。「この漫画がすごい!WEB」で紹介されると一気に火がつき、「今一番泣ける漫画」とSNSで口コミが広がり、120万部突破の大ヒットを記録。本当に大切なものは何かが見え始めたこの時代に、人と人のつながりの素晴らしさを描き、どんな逆境にも立ち向かう力をくれる感動の純愛ラブストーリーとなっている。
本作は莉乃(平祐奈)が難病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)の宣告を受けるところから大きく動き出す。しかもよりによって自身が想いを寄せ、学校中の女子はもちろん、男子からも憧れの存在である蓮(白濱亜嵐)の方から「好きだ」と打ち明けられて誰もがうらやむ両想いの日々が始まり、仲も深まって来た頃に…。少女漫画的クライマックスともいえる学校一のイケメンと両想いになった矢先に病魔が襲うという展開は観る方の感情も大きく揺さぶる。
ALSを描いた作品は他にも多数存在しそれぞれに心が揺れ動かされる。
『博士と彼女のセオリー』
『博士と彼女のセオリー』(2014)では、同じ大学で出会った2人が恋に落ちた後、男性がALSで余命2年と宣告される。
男性の親は反対したが、二人は結婚、子どももできた。しかしこの美しい展開だけでは終わらず、男女それぞれの夢と生活のバランスや育児と介護による疲弊など、本作の10代の主人公達とはまた異なる、人生のステージに応じた問題が彼らに降りかかってくる。
『ギフト 僕がきみに残せるもの』
『ギフト 僕がきみに残せるもの』(2016)はドキュメンタリー映画。
アメリカン・フットボールの最高峰、NFLでスター選手だった男が、選手生活を終えた5年後にALSの宣告を受ける。
そして同じ頃妻の妊娠が発覚、男はまだ見ぬ子どもに贈るために、毎日ビデオダイアリーを撮り続けると決める。
実はこの男性アイスバケツチャレンジの発起人でもある。ALSの患者たちの代弁者となり、補償を求めて政府と交渉する病魔に負けない輝かしい姿と、一人では何もできない不甲斐なさに苦悩する姿の両面が映像に映し出される。
そして『10万分の1』
先に紹介した『10万分の1』の三木監督は観客に向けてこう語った。
「今年で50歳になるのですが、これまで生きてきて、辛いこと苦しいことって思ってもみないときに現れるんですね。(白濱と平の)2人が演じている蓮と莉乃にも苦しみや困難が現れます。コロナウイルスのようにこういうことは突然現れると思うんです。映画を見てもらって若い2人がどうやってその困難に立ち向かっていけるのか、皆さんに感じてもらえたらなと思います。」
本作含めて今回例に挙げた作品の登場人物たちがそうであるように、困難が降りかかった時、人は周囲の手を借りながらその困難に立ち向かって行く事で生きていくことができる。本作でいえば主人公たちの親友である橘千紘(優希美青)と比名瀬祥(白洲迅)や莉乃の祖父である桜木春夫(奥田瑛二)が過酷な運命に立ち向かう莉乃と蓮に寄り添う。
先の見えない時代で迷い苦しみながら生きているのは10代も大人も一緒。初めての恋の中で、思いも寄らない困難に直面した高校生の二人が、それでも立ち向かっていこうとする希望に溢れた姿が描かれた本作。莉乃と蓮、そして彼らの友人、家族が織りなす感動を是非、劇場で体験したい。
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©宮坂香帆・小学館/2020映画「10万分の1」製作委員会