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2020年12月28日

実写版「岸辺露伴は動かない」、放送前から好評な理由(ワケ)|ネタバレ感想も順次掲載

実写版「岸辺露伴は動かない」、放送前から好評な理由(ワケ)|ネタバレ感想も順次掲載



荒木飛呂彦の大人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第 4 部に登場する人気キャラクター 岸辺露伴を題材にしたドラマ「岸辺露伴は動かない」が2020年12月28日(月)の22 時よりNHK 総合にて3夜連続で放送される。

人を「本」にすることでその人の心やこれまでの記憶を読 み取ることができる漫画家、岸辺露伴を俳優の高橋一生が熱演。ファン待望の実写化が実現 した。 
そもそも「ジョジョの奇妙な冒険」とは?
まずは予習として、少し『ジョジョの奇妙な冒険』について触れておこう。



この漫画は、1986年に集英社の人気漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」により連載がスタート。シリーズの単行本 は 100 冊以上、累計発行部数は 1 億超えと日本を代表する漫画の一つだ。

独特なタッチと奇々怪々なストーリー展開が奇妙でおもしろいと日本のみならず、海外でも大人気。主人公をはじめとする登場人物は「スタンド」という特殊能力を持っており、このスタンドが物語 の展開に大きな影響を与えている。 

また、主人公に限らず個性的なキャラクターは世界的にカルト的な人気を博しており、有名なコスプレイヤーが登場人物になり切ってSNSでその姿を披露するなど話題が尽きない。 

過去に、テレビ朝日の人気番組「アメトーーク!」でも「ジョジョの奇妙な芸人」として本 作のファンと公言する芸人たちが、アニメの世界観について熱く語っている。 



「ジョジョの奇妙な冒険」からのスピンオフ作品「岸辺露伴は動かない」で主人公を演じる のは俳優の高橋一生。

アニメの実写化はファンのイメージを覆すと懸念されがちだが、高橋のキャスティングには放送前からハマり役だ、と原作のファンらのあいだで話題になっている。

以前から作品のファンだったという高橋は「作品の世界観を大事にし、露伴のモノ マネにならないように気をつけながら演じた」とインタビューで語っている。 

リアリティーを追求するエキセントリックな漫画家、岸辺露伴は作品のなかでネタ集めのためにさまざまな地を訪れる。そこで出会った人や奇怪な出来事の「目撃者」として関わっていく。

抜群の存在感を見せつつも作品のタイトルの通り、解決へと懸命には「動かない」 露伴。主人公ではあるものの、ストーリーを無理矢理、一件落着へと導いたりはしない。そこがこの作品の魅力でもあるのだ。

露伴の担当編集者・泉京香役を飯豊まりえ、第一話の「富豪村」には柴崎楓雅が出演。第二話の「くしゃがら」には森山未來、第三話には瀧内公美が出演と個性豊かな役者達がそろっ ている。 高橋が演じる露伴の独特のポーズやセリフ、衣装など一場面ごとに注目が集まりそうだ。原作を知らない人も、以前からの露伴ファンも楽しめる 3 夜になりそう。

なお、本記事は第1話放送後、第2話放送後、第3話放送後にそれぞれの解説と感想を追記していくので、楽しみにお待ちいただきたい。

第1話感想

12月28日放送の「岸辺露伴は動かない」(NHK総合・BS4K 夜10時から10時49分)第一話、「富豪村」を見終えて......。

まずは、「原作ありきの実写化は、なにかしらの違和感がある」と思っていた自分の考え方を改めなければならないと思った。そして、先に原作者の荒木飛呂彦先生はじめ、制作者、出演者の方々に偏屈な私を許して欲しいと願う。私はこのドラマで二つのことに驚いた。まず一つ目は、ドラマ全体のクオリティだ。

原作で突拍子もない岸辺露伴の言動や奇抜なルックスは把握していたが、彼の持つ特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を実写化で自分が受け入れることができるのか心配であった。きっと視聴している最中も、「まあ、まあ、落ち着いて!これは漫画の実写化だから......」と自分の肩をポンポンと叩きながら言い聞かせるものだと思っていた。

しかし、あっという間の49分。

見終わったあとの率直な感想は「あれ、面白かった!」である。

そうなのだ、原作があろうがなかろうが今回の「岸辺露伴は動かない」という作品は、一つのドラマとして完璧に完成されていた。

二つ目は、高橋一生さんという俳優の声の出し方だ。どちらかというと高橋さんは、独特の声の持ち主だと思う。あの端正なお顔を想像したとき、私の中では、パッとその声色が想像できる。

しかし、高橋さんが露伴として登場し、第一声を発した途端、「え?こんな声だっけ?」と高橋さんの声色に対して二度見をした。これは私の想像にすぎないが、きっと露伴を演じるにあたって高橋さんは声色に一番気を遣ったのではないかと思う。

アニメ化もされた作品なので視聴者のイメージを損なわないために声優さんに寄せてもよかったのかもしれない。でも、高橋さんはきっと高橋さんが思う露伴像に近づけあえて、地声よりも野太い声で露伴を演じたのではないだろうか。

一話はとにかく登場人物が少ない。(二話以降もそうかもしれないが......)

露伴の次に登場時間が長いのは、飯豊まりえさんが演じる露伴の担当編集、泉京香。偏屈な露伴を前にしてもあくまでも自分のペースは崩さない。凸凹のコンビネーションが実によかった。

さらに、一話のストーリーのカギを握る12歳の柴崎楓雅さん。露伴と泉が訪れる富豪村の案内役、一究を熱演した。一究が初めて画面に登場したとき、視聴者もその姿に一瞬、ギョッとしたのではないだろうか。圧巻の雰囲気と演技力は、「テセウスの船」(TBS系)で加藤みきお役を演じた少年だと聞けば誰しもが納得するだろう。

放送後、ファンの声を見ても全体的に原作の世界観は損ねず、良かったという感想が多いのも納得だ。露伴の特殊能力、「ヘブンズ・ドアー」に関しても最新技術を駆使し、再現していないところがファンを興ざめさせなかった点かもしれない。

違和感なく物語に入っていけた第一話。本日放送の第二話「くしゃがら」を多くの原作ファンが楽しみにしていることは、想像に難くない。

引用元:「岸辺露伴は動かない」第1話感想:あっという間の49分「あれ、面白かった!」

第2話感想

くしゃがら―。

12月29日放送の「岸辺露伴は動かない」(NHK総合・BS4K 夜10時から10時49分)を見て、いったいどれくらいの視聴者がこの言葉を検索しただろうか。
かく言う私もその一人。意味のない(存在しない)言葉だとはわかってはいたものの、「くしゃがら」と検索をかけてしまった。いわば、まんまとはまってしまったというやつだ。

また、第2話に登場する森山未来さんが演じる漫画家の志士十五(しし・じゅうご)というペンネームも面白い。「しじゅうご?しし、ししは……じゅうろく! なんで、ししじゅうご?」と冒頭から頭が混乱してしまった私であったが集英社のHPに「人生は計算どおりにいかない。そんな思いをこめてつけられた名前」という一文を見つけ、そこで腑に落ちた。岸辺露伴に志士十五。この漢字の羅列にも魅力を感じた。

今回の見どころはなんといっても、露伴演じる高橋一生さんと、十五を演じる森山未来さんの圧巻の演技だ。冷静の高橋露伴と狂気の森山十五の対峙は固唾を呑むシーンが多く、私を含む視聴者も「休む暇がない」状態で完走したのではないだろうか。放送がNHKということもあり、CMがないこともこのドラマの「強み」となったのかもしれない。

飯豊まりえさん演じる編集者、泉京香も実にいい。冷静と狂気に割って入る、イマドキ女子の京香がいいスパイスとなって物語を良い意味で混乱させてくれる。かわいい髪型に飯豊さんでないと着こなせない衣装も視聴者を虜にしているかもしれない。
しかし、個人的には飯豊さんの足の長さが気になって仕方がなかった。このドラマの「弱点」をあげなければならないとしたら、私はそこにあるように思う。なぜならそう言わざるをえないほど、飯豊さんのスタイルの良さと魅力が画面から必要以上にあふれていたからだ。

さて、第2話「くしゃがら」は、2018年に集英社から発売された「岸辺露伴は叫ばない 短編小説集」(原作:荒木飛呂彦 小説:北國ばらっど)の実写化だ。十五が使用禁止用語について疑問を抱くところからはじまる。次第に「くしゃがら」に支配されていく十五。「くしゃがら」から解き放たれるように露伴は、らしくない言葉をかけるものの、その甲斐なく十五はさらに「くしゃがら」に異常な執着をみせていく。そこで「ヘブンズ・ドアー」を使って露伴は「くしゃがら」と十五の心を覗こうする。しかし、そこには露伴も見たことがない「袋とじ」の存在が……。

露伴によって「くしゃがら」から解き放たれた十五。何事もなかったかのように正気に戻った森本さんの演技もそれはそれで最後にぞっとさせてくれた。

ドラマの最後で「不用意な言葉は使わないに限るな」とつぶやく露伴。このセリフは、私たち現代人へのメッセージのように思う。意味のない言葉に興味や執着を持ってしまったら、細菌やウイルスのように心に寄生してしまい、そしてやがて狂っていく—。
年の瀬に一石を投じる作品だったのではないだろうか。

12月30日に放送される第三話「D.N.A」では京香が付き合っている写真家の平井太郎(中村倫也)が登場する。露伴と中村倫也さん演じる平井がどのようにしてぶつかり合うのかが楽しみである。

とはいえ、「くしゃがら」とはいったい、何だったのだろうか。
答えがないからこそ、気になって仕方がない。
気にしたくないけれど、気になる。
もしかしたら「くしゃがら」の次の餌食は私なのか……。
引用元:「すごいものを見た!」冷静な岸辺露伴VS狂気の志士十五。二人の怪演に引き込まれる視聴者が続出!

第3話感想&総括

12月28日から3夜連続で放送されたドラマ「岸辺露伴は動かない」(NHK総合)が30日の放送終了後も多くの視聴者が話題にし、盛り上がりをみせている。放送前から完成度の高さに期待を寄せている声が多かったが、実際に放送がはじまると原作の世界観を損なわない仕上がりに「とにかく面白かった」、「高橋一生さんの露伴役が最高!」とファンらが歓喜。そしてなによりもシリーズ化を期待している声が多かった。

3夜連続の放送を見終えて思うことは、各回をまるで一本の映画のように仕上げた制作側に大きな拍手を送りたい。ここまで視聴者が絶賛するワケは、制作側と出演者が完璧の仕事をした結果がそのまま視聴者に届いたドラマだったからだろう。原作が漫画である場合は、とくに実写化は難しいといわれている。そんな中、今回の試みは大きな成功といえる。また、放送後の視聴者の中には「ジョジョを知らない親と一緒に見たけれど、親のほうがはまっていた」、「原作は読んでない。でも、普通に面白かった」「原作を読んでみたい」などといった声も多く見られた。

ドラマ全体の感想の前に30日に放送された、第3話について触れておこう。第3話の「D.N.A」は、2017年に少女マンガ誌「別冊マーガレット」の9月特大号に掲載。のちに「岸辺露伴は動かない2」(ジャンプコミックス)のエピソード#08として収録された。露伴の担当編集者である泉京香(飯豊まりえ)が彼氏である平井太郎(中村倫也)の事故で失った記憶を露伴に催眠術(ヘブンズ・ドアー)を使って読み解いて欲しいと願うところからはじまる。京香が露伴に平井を紹介していると、バギーに乗った不思議な少女が平井の洋服の裾をつかみながら「はちにんこ」と発するところから物語の本筋へと入っていく―。
第3話を詳しく解説したいところだが、年明け早々に再放送が決定したのでネタバレはこれくらいにして、ドラマ全体の感想を話そう。

今回の「岸辺露伴は動かない」はドラマ全体をレトロな雰囲気で見せてくれた点も魅力だった。脚本は、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のシリーズ構成を担当した小林靖子(こばやし・やすこ)さん、音楽はジャズ・ミュージシャンの菊地成孔(きくち・なるよし)さんが担当。個人的にはエンディング曲が非常に印象深く、作品とマッチしていて素晴らしかった。露伴の自宅のセット、小道具一つひとつを取っても「露伴らしさ」が散りばめられており、視覚的にも楽しむことができた。原作を知っている人が、今回の作品を「NHKで実写化」と聞いたときは驚いたかもしれない。しかし、巧妙な脚本・演出に定評のあるNHKのドラマには最適だったように思う。

そして、第2話の感想でも触れたが今回の「岸辺露伴は動かない」はCMがないNHKか映画向きだと改めて感じた。視聴者がどっぷりと露伴の世界に入ることができる環境は、とても大事だからだ。「超」が付くほど偏屈な岸辺露伴。だけど、どこか憎めない年齢不詳な雰囲気を高橋一生さんが役者魂をかけて演じてくれたように思う(ちょっと言いすぎかもしれないが……)自身も原作のファンだったようなので、思い入れも強かったのではないだろうか。また、そこまでセリフは多くはないけれど、独特の佇まいをみせた中村倫也さんもよかった。表情やしぐさだけでこんなにも存在感を見せることができるのかと感心してしまい、今回の作品で一気にファンになった。

ホラー要素の強い原作を、ヒューマンドラマ仕立てにした今回の「岸辺露伴は動かない」。奇妙さは満載ではあるものの、後味の悪さを感じさせない作りが視聴者をくぎ付けにした理由なのかもしれない。私も多くの視聴者と共にシリーズ化を強く願っている。再放送も予定されているので、まだ観ていない人には絶対にみてほしい作品だ。
引用元:「岸辺露伴は動かない」第3話感想:「だが断る」なんて言わないで!シリーズ化に期待のワケとは?

各話のあらすじ

第1話「富豪村」

12月28日(月)よる10時から10時49分
周囲から隔絶された山奥に豪邸が11軒ある「富豪村」。所有者はいずれも各界で成功した大富豪ばかりで、いずれも20代でこの村の土地を所有してから成功しているという。ただし、条件をクリアしないと買うことが許されないらしい。ことの真偽を確かめるべく、露伴は、新人の担当編集・泉京香と共に富豪村に赴く。そこで課されたのは奇妙な試験だった。それは「マナー」。マナーに寛容はない。「正しい」か「正しくない」か。一つマナーを守れば成功に近づくが、一つ破れば大切なものを一つ失っていく…。

第2話「くしゃがら」

12月29日(火)よる10時から10時49分
露伴は同僚の漫画家・志士十五から奇妙な相談を受ける。担当編集者から「くしゃがら」という言葉は使用禁止だと言われたのだ。しかしネットにもどんな辞書にも意味は載っていない。使うなと言われると使いたい。だが意味を知らないと使えない。「好奇心」の魔物にむしばまれ、十五は心身に異常をきたす。露伴が彼を「本」にするとそこには袋とじページが。袋とじの中に何かが蠢(うごめ)いていて…。

第3話「D.N.A」

12月30日(水)よる10時から10時49分
京香から彼女が付き合っている写真家の平井太郎の記憶喪失を、“催眠術”で探って欲しいと頼まれた露伴。太郎は、著名な写真家だったが、6年前に交通事故にあい、一命は取り留めたが、完全な社会復帰に至っていなかった。露伴が京香に太郎を紹介され話しているところに、バギーに女の子を乗せた片平真依が通りかかる。すれ違い様バギーの奥から娘・真央の手が伸び太郎の裾を掴み、太郎を転倒させてしまう。その瞬間、露伴はシェードの奥から見つめる真央の目に異変を感じていた。

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