「逃げ恥」「恋つづ」…TBS系火曜22時枠が生み出したラブコメディおすすめ5選
「逃げ恥」「恋つづ」「はじこい」…今までに数々の人気ドラマを生み出してきたTBS系・火曜22時枠のドラマ。毎回楽しみに待っている方も多いのではないでしょうか。
2021年一発目のこの枠は、上白石萌音さん主演の「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」。
2021年1月2日には待望の『逃げるは恥だが役に立つ』の新春スペシャルが放送されます。その放送を前に、特におすすめの火曜22時枠で放送されたドラマ5作品を紹介します。
「初めて恋をした日に読む話」
2019年1月期に放送された「初めて恋をした日に読む話」は、深田恭子さん演じる“しくじり鈍感女子”春見順子を巡って、タイプの違う3人の男性がアプローチするラブコメディ。
ピンク頭の不良男子高校生、由利匡平(通称ゆりゆり)を横浜流星さんが演じ、横浜さんの出世作にもなりました。塾講師の順子と一緒に東大を目指すことになった匡平。高校生ならではの焦りと、順子に子ども扱いされるいら立ち、不安定さがいじらしく、順子への思いを募らせる姿には、胸がきゅっと切なくなりました。
想いが溢れてこぼれそうなのに、年齢のこともありすぐに気持ちを言葉にすることができない。そうしている間にも、順子の周りには自分よりも年上の男性がいて、いつ誰に取られてしまうかもわからない。そんな焦燥感と気持ちの溢れ具合を、静かな演技の中でもしっかりと表現していた横浜さん。順子をしっかりと捉えるまっすぐな瞳は、“不良男子高校生”という位置付けでも、実はとても純粋な匡平の姿を映し出していました。
そして順子を上目遣いで見つめて言う「ご褒美ください」や、電話で順子に質問する「元気?」など、ところどころで発揮される切ない声の出し方。そのひとつひとつから、匡平の持つ順子への愛しさを感じることができました。
恋愛模様だけでなく「何かに必死になる姿」「誰かと一緒にがんばること」の意味も教えてくれるのがはじこいの魅力。1人ではできないことも、それが1人の戦いだとしても、応援してくれる誰かがいてくれれば人はがんばれる。そんなシンプルなメッセージを、恋愛模様と絡めながら教えてくれるドラマです。
「この恋あたためますか」
2020年10月期に森七菜さん主演で放送された「この恋あたためますか」は、アイドルへの夢が破れた樹木(森さん)がコンビニチェーンの社長・浅羽(中村倫也さん)と出会い、スイーツ開発をしていく中で繰り広げるラブストーリー。
このドラマの魅力はなんといっても2人に加え里保(石橋静河さん)と誠(仲野太賀さん)が繰り広げる四角関係と、キャラクターの魅力です。浅羽の元恋人の里保と、樹木に想いを寄せる誠。男性同士、女性同士のタイプはまさに正反対。その4人が繰り広げる四角関係。少女漫画さながらの設定に、ドキドキしないわけがありません。
樹木は、社会人経験も浅く、社長である浅羽にも平気で噛み付きます。そんな彼女に浅羽はだんだんと影響されていくのですが、2人を間近で見ている里保と誠の切ない心情も丁寧に物語に組み込まれています。
里保と誠は、好きな人の幸せを願うことができるライバルで、浅羽と樹木の邪魔をしない。2人にはこの先、絶対に幸せな恋が待っていてほしい、と願いたくなるような“良い人”なのです。4人それぞれの気持ちにきちんとスポットが当たっていて、どのキャラクターにも愛情が持てますし、四角関係を描きつつも、完全な悪役は出てきません。温かい気持ちで観られるドラマです。
そして同作では、中村さんの年下女性に接する演技と同世代の女性に接する演技を見ることができました。相手によって、声のトーンから話し方まで変わる中村さんの演技。樹木を「仕方ない」という目で面倒を見ながらも、楽しそうな浅羽と、里保の前では大人のかっこいい男性でいようとする浅羽。同じ役ではありますが、女性に対する2パターンの中村さんを見ることができ、まさしく一石二鳥でした。
「逃げるは恥だが役に立つ」
2016年10月期に放送された「逃げるは恥だが役に立つ」は、誰にも必要とされていなかったみくり(新垣結衣さん)が、恋愛経験のない“プロの独身”の平匡(星野源さん)と契約結婚をし、愛を育んでいく物語。2日にはスペシャルドラマとして帰ってきます。
結婚を仕事と考えて、“契約結婚”をする2人。新感覚の設定で、ぎこちなく育んでいく2人の関係をもどかしく思いながら見守っているうちに、どっぷりと“逃げ恥沼”にハマってしまうのです。まず、何よりもみくりと平匡がかわいい!2人はお互いにコンプレックスを抱えていて、本当の気持ちをさらけ出すのにも時間がかかります。手を繋ぐだけでも一苦労、ハグときたら一大事。大人が繰り広げるピュアすぎる恋愛は、見ている側を新鮮な気持ちにさせてくれます。
そしてこの物語が教えてくれたのは「コミュニケーションの大切さ」。もともとみくりと平匡は“従業員”と“雇用主”の関係でした。出会って間もない状態で、あくまでも仕事として結婚をしたため、2人はあらゆる場面で話し合いを重ねていきます。本心があまり言えない2人は、勘違いしてすれ違うこともありますが、その都度、時間を取って話し合うことで、少しずつ自分の素直な気持ちを伝えられるようになっていきます。
親しければ親しいほど、人は「言わなくてもわかるでしょ?」と思いがちです。いくら距離が近づいても、結局本当の気持ちは口にしなければわからない。自分の気持ちを伝えるとともに、相手の言葉にも耳を傾ける。恋模様だけでなく、人間関係を構築する上で大切なことが散りばめられている物語です。
「私の家政夫ナギサさん」
2020年7月期(本来は4月期でしたがコロナ禍で延期に)に放送された「私の家政夫ナギサさん」は、仕事に一直線だけど家事と恋愛は不器用な独身女性・相原メイ(多部未華子さん)が“おじさん”家政夫を雇うことから巻き起こるハートフルラブコメディ。
家事が苦手なメイの部屋の中は荒れ放題で、食事も適当。その生活は、家政夫のナギサさん(大森南朋さん)を雇うことで一変します。「仕事も家事もひとりでがんばらなければいけない」「完璧にこなさなければいけない」と肩に力が入っている人たちの力を抜き、背中をそっと押してくれる優しい物語です。
この物語が教えてくれるのは、人に頼る勇気。自分の苦手なことを認め、潔く他の誰かに頼る。頼ることで、信頼関係が生まれて、その人との距離もぐっと近くなる。ナギサさんは、“人に頼ること”の心地よさを教えてくれます。
2人の関係以外に注目したいのが、メイの仕事っぷり。28歳というメイの絶妙な年齢設定は、仕事でチームを引っ張る側に回るときのプレッシャーや、今は無理してでもがんばりたい!という気持ちがリアルに伝わってきます。バリバリ仕事をこなすメイは、もちろんかっこいいのですが、多部さんが演じることでキュートさもプラス。不器用ながらも一生懸命に生きる28歳の等身大の女性を、リアリティを出しながら素敵に表現しています。
そしてメイのお仕事ファッションがいつもかわいい!ストーリーだけでなく、メイのファッションやナギサさんの料理など、細かい注目ポイントも盛りだくさんで、楽しんで観られるドラマです。
「恋はつづくよどこまでも」
2020年1月期に放送された「恋はつづくよどこまでも」は、上白石萌音さん主演の病院を舞台にしたラブコメディ。
このドラマの1番の魅力は、「ベッタベタのラブコメディ」という設定です。一生懸命だけど、どこか抜けている看護師・七瀬(上白石さん)と、ドS医師の天堂(佐藤健さん)。まずこの登場人物の性格だけでもベタな設定。七瀬は過去に天堂と出会い、憧れ、彼を追いかけ看護師になりますが、再会した天堂は七瀬が想像していなかったドS医師だった…という展開までもがすべてベタ。これでもか!というくらいのベタさが、この物語の最大の魅力なのです。
上白石さんの素朴さと、ぱっと花の咲くような笑顔はまさに七瀬にぴったり。上白石さんが演じることで、七瀬がありえないミスをしても、視聴者はそこまでシリアスにならずに「まぁいっか」と流せてしまう。くるくると変わる表情と、人懐っこい笑顔で、観ている側を元気にしてくれます。
そして佐藤さん演じる天堂。最初はドSキャラらしくツンケンしていたのに、回を重ねるごとに七瀬に優しくなっていく姿、七瀬を大切に思う姿には毎回キュンキュンさせられ、そのツンデレっぷりにときめきが止まりません。「彼氏になってやる」「俺の彼女だから」そして突然キスをしてからの「これは治療だ」…。ここまで名ぜりふに溢れているドラマがあるでしょうか。天堂のツンデレ魅力が最大限放出されているドラマで、女性の心をあっという間にわしづかみにしていきました。明るくベタなラブコメディの「恋つづ」は、心を明るくしてくれました。
そして「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」
そして「恋つづ」のスタッフが再集結したドラマ「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」が2021年1月12日よりスタートします。主演は上白石さんで、ファッション雑誌編集部を舞台にしたお仕事ラブコメディ。
共演には菜々緒さん、Kis-My-Ft2の玉森裕太さん、間宮祥太朗さんが名を連ねます。今回、上白石さんが演じる鈴木奈未は「仕事も恋愛もほどほどに」と考える安定志向女子。七瀬とはまた違ったキャラクターでどんなふうに火曜22時を彩ってくれるのか。今からワクワクが止まりません。
(文:ふー)
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